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国際法に詳しい方。日韓の領土問題と条約について。
竹島について。 最近 ・韓国はサンフランシスコ講和条約を締結しておらず守る義務が無いので、同条約だけでは竹島は日本領とはいえない。義務があるのは日韓のうち日本のみである。 ・サンフランシスコ講和条約はただ「放棄する領土が記述してある」だけで、日本領土確定の最終決定になりえない。サンフランシスコ講和条約からは、放棄外の領土の問題は日韓の話し合いで決めろとしか解釈できず、竹島は日韓の話合いとその結果の合意がなければ日本領土とはならない。日ロ間の領土問題と同じである。 ・日韓基本条約で「サンフランシスコ講和条約を想起した」との内容があるが、これは「踏襲」ではない上、「想起」したのは{朝鮮半島を植民地化していた不当な状態と、それらの領土を日本が返還した}ということに過ぎないので、やはり韓国側に条約を守る義務はない。 ・ラスク書簡は、アメリカの大臣でもない米国国務次官補の名の書簡でしかなく、しかも非公式。国際法上から見ても価値が無い。また、韓国は条約を締結していないのでサンフランシスコ講和条約草案の推移の変化がどのようなものでも無関係である。 ・李承晩ラインは当時としてみれば国際法上合法である。ヴァン・フリート特命報告書や米国国務省機密電文3470号は、当時アメリカがそう考えたということだけが分かるのみであり、国際法上は無価値。国連海洋法条約は1994年に発効されたので、それ以前の竹島占領も合法である。 ・サンフランシスコ講和条約の内容はカイロ宣言とSCAPIN677号が補足となり、竹島が日本領とは言い切れない、いうことを明確に示していることがわかる。 等という主張があることを知り、色々な意味で驚いています。 これらの意見は国際法上から見て妥当ですか? もし参考となるものがあれば提示していただけると有難いです。 また、これらは主張は韓国政府のものではありません。
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- Streseman
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全部整理しちゃうおう・・・すっかり忘れてたので >・韓国はサンフランシスコ講和条約を締結しておらず守る義務が無いので、同条約だけでは竹島は日本領とはいえない。義務があるのは日韓のうち日本のみである。 日韓基本条約を経て韓国を拘束しえる >・サンフランシスコ講和条約はただ「放棄する領土が記述してある」だけで、日本領土確定の最終決定になりえない。サンフランシスコ講和条約からは、放棄外の領土の問題は日韓の話し合いで決めろとしか解釈できず、竹島は日韓の話合いとその結果の合意がなければ日本領土とはならない。日ロ間の領土問題と同じである。 最終決定にはなりえない。 しかし、日韓基本条約はSF条約を追認し、日韓基本条約において竹島の特段の扱いがないことから、主張は認められない >・日韓基本条約で「サンフランシスコ講和条約を想起した」との内容があるが、これは「踏襲」ではない上、「想起」したのは{朝鮮半島を植民地化していた不当な状態と、それらの領土を日本が返還した}ということに過ぎないので、やはり韓国側に条約を守る義務はない。 想起部分に関しては、特段の限定規程が存在しない以上は、SF条約を総括的に追認したと解するしかない 部分的批准拒否が可能である国際法の性質からすれば、主張は認められない >・ラスク書簡は、アメリカの大臣でもない米国国務次官補の名の書簡でしかなく、しかも非公式。国際法上から見ても価値が無い。また、韓国は条約を締結していないのでサンフランシスコ講和条約草案の推移の変化がどのようなものでも無関係である。 概ね正しい。したがってラスク書簡は、国際法的な地位も価値もない >・李承晩ラインは当時としてみれば国際法上合法である。ヴァン・フリート特命報告書や米国国務省機密電文3470号は、当時アメリカがそう考えたということだけが分かるのみであり、国際法上は無価値。国連海洋法条約は1994年に発効されたので、それ以前の竹島占領も合法である。 李承晩ラインの国際法的正当性は存在しない ヴァン・フリート特命報告書や米国国務省機密電文3470号の国際法的価値は無価値 国連海洋法以前に、国際慣習法上において、合法化する論理・法理が存在しない。 したがって、合法ではない・・慣習法からいえば、違法 >・サンフランシスコ講和条約の内容はカイロ宣言とSCAPIN677号が補足となり、竹島が日本領とは言い切れない、いうことを明確に示していることがわかる。 全く分からない。カイロ宣言には、明確な日本の領有否定の論拠はないし、SCAPIN677号も同じである 以上 あまりにも乱暴すぎるかもしれないが、補足質問があれば適宜回答しよう
- Streseman
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ごめんちゃい・・・忘れてた とりあえず、約束の履行 >・韓国はサンフランシスコ講和条約を締結しておらず守る義務が無いので、同条約だけでは竹島は日本領とはいえない。義務があるのは日韓のうち日本のみである。 基本的にはSF条約だけ見れば正しい つまり、SF条約に韓国は批准していないのだから、拘束される謂れ無い・・という主張はSF条約だけで言えば正しい ところが、問題は日韓基本条約の条文に以下のような条文がある <引用> 日本国および大韓民国は、 両国民間の関係の歴史的背景と、善隣関係および主権の相互尊重の原則に基づく両国間の関係の正常化に対する相互の希望とを考慮し、 両国の相互の福祉および共通の利益の増進のためならびに国際の平和および安全の維持のために、両国が国際連合憲章の原則に適合して緊密に協力することが重要であることを認め、 一九五一年九月八日にサン・フランシスコ市で署名された日本国との平和条約の関係規定および一九四八年一二月一二日に国際連合総会で採択された決議第一九五号(III)を想起し、 この基本関係に関する条約を締結することに決定し、よって、その全権委員として次のとおり任命した。 <引用終了> 『SF条約を想起し』とある 想起は、SF条約を認める意味ではない・・・という主張もあるようだが、国際法的には「追認」と解するしかない なお、同じような内容は 「財産及び請求権に関する問題の解決並びに経済協力に関する日本国と大韓民国との間の協定」2条 にもある ・・・・・ また別に論説すれば、 SF条約に批准していないとしても、SF条約は周辺諸国の批准と安全保障体制を決定して基本的国際法として一般慣行性を認めうることから、韓国を拘束する国際法という見方も可能である。つまり、SF条約は慣習法的な普遍性を持つ条約という見解 さて、とりあえず、一つ目について解説した 二つ目の話は請求があれば・・・ しかし想定通り、韓国側の主張の妥当性を否定する論説が出来ない人が多いみたいだね もう一つの回答は、国際法云々ではなく論理的にNGだしw
- ゴルゴ 13(@golgo13--)
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>これらの意見は国際法上から見て妥当ですか? 妥当ではない。 韓国は、そもそも戦勝国ではない。敗戦国・日本の土地の一部。 WWII時、韓国は敗戦国であり戦勝国ではなくまた、日本とは戦争状態になったことすらなかった。そして、連合国共同宣言にも署名すらしていない。日本とは戦勝国の一国としてサンフランシスコ講和条約を締結できる立場にそもそもない。講和条約に加わる資格すらそもそもない。 韓国は、同会議に何度も正式な条約署名国として要求したが、以上の理由から講和会議へのオブザーバー資格ですら参加を拒否された。 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E5%9B%BD%E3%81%A8%E3%81%AE%E5%B9%B3%E5%92%8C%E6%9D%A1%E7%B4%84#.E7.BD.B2.E5.90.8D.E3.81.97.E3.81.AA.E3.81.8B.E3.81.A3.E3.81.9F.E5.9B.BD よって、 「韓国はサンフランシスコ講和条約を締結しておらず守る義務が無いので」云々との主張は失当。 「連合国共同宣言」 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%80%A3%E5%90%88%E5%9B%BD%E5%85%B1%E5%90%8C%E5%AE%A3%E8%A8%80 国際法上、韓国がサンフランシスコ条約無締結(事実は不招請)を理由に竹島を占有する権利があるとの主張は失当。 サンフランシスコ条約で韓国が参加できなかったから、日本は韓国と個別交渉をして、日韓基本条約を締結。同条約でWWIIでの紛争処理事項は「完全かつ最終的に解決」されています。 解釈違いが起こったら、国際機関で紛争を解決しましょう、とも双方で合意されています
お礼
回答有難う御座います。 先ほど箇条書きで挙げた主張をされている方は、私の勘違いや読み落としが無ければ、その経緯に踏み込まず{締結が無いのだから韓国はSF条約を守る義務が無い}という主張をされているようです。 この考えが通用するのか分かりませんが、少なくとも軽くGoogleで論文などを検索して見た結果、これらのような主張を見つけることは私には出来ませんでした。 箇条書きの主張は主にこれらの纏め、コメントにあった主張から一部抜いたものです(こちら以外の主張を持ってきたところもあります)。 http://urx.nu/1Zeu http://urx.nu/1Zez また、この先のまとめの冒頭の「バトル」とされるURLも含みます。 このリンク先は非常にコメントが長く続き、とてもページが重くなっております。
- Streseman
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本質問にどれだけ回答が付くのか?というのを楽しみにしているのだが、明日に個別回答したい 先だって、一つだけ本件の回答の前説という意味で、サンフラシスコ平和条約について説明するが、この話が意味不明かつ「細かいことはいいんだよ」というリアクションならば、明日の個別回答は控えたい 『サンフランシスコ講和条約』について 現在、サンフランシスコ『講和』条約と名称することはあまり適切ではない 戦後まもなくのマスコミ・歴史教科書では『講和』という理解が支配的であったが、国際法の知見・法・政治的視座からして、講和ではなく、”平和条約”と邦訳することが妥当であると認証される現代に至っている 現在日本国政府・外務省レベルでも、サンフランシスコ平和条約と邦訳されている(便宜上、サンフランシスコ平和条約を以後、『SF条約』を表記する) さて、ではSF条約は『講和条約じゃないの?』という指摘があるが、 「講和」とは、”交戦国が、互いに協定を結んで戦争をやめ、平和を回復すること” 確かにSF条約批准国の間では講和は成立しているが、実は一方で日本国を敵国とする認定(敵国条項)が存在している 国連憲章 第107条〔敵国に関する行動〕 この憲章のいかなる規定も、第二次世界戦争中にこの憲章の署名国の敵であった国に関する行動でその行動について責任を有する政府がこの戦争の結果としてとり又は許可したものを無効にし、又は排除するものではない。 この敵国条項が存在する以上は、講和が成立しているとは言い難い、というわけである 逆に「敵国条項があるなら平和条約と邦訳するのもNGだ!」という主張もあるわけだが SF条約の日本政府の邦訳は 『日本国との平和条約』である。 相手国が日本を敵国と見做しても「日本国はそのつもり(敵国意識)はないのだから、平和回復になりえる」という話である あくまでも日本側から見れば、というレベルだがw そもそも、SF条約は、正式批准時の名称で呼ばれるべき、というのが正しく厳格であろう しかし、SF条約が条約締結の事前会議の”サンフランシスコ講和会議”の産物であることから、サンフランシスコ講和条約と呼ばれることになった、と考えることが出来よう 現在、SF条約が、『日本国との平和条約』とされない最大の理由は、この条約が戦後の国際レジームとして効果・意義があることに要因があるだろう 過去、(通称)ウィーン条約・ウェストファリア条約などの国際条約を根拠にした国際レジームが幾度も発現して、一定の条約拘束下に国際社会が形成された SF条約も、冷戦構造当時のアメリカの政治姿勢を示唆する条約であり、極東アジアの国際情勢を画定した意味でも、レジームとしての通称が求められたのだろう だからこそ、無味乾燥な『日本国との平和条約』ではなく、教科書・通俗で使われる条約の一般通則にしたがって、サンフランシスコを冠したのだろう 『サンフランシスコ体制』という用語が存在するように、SF条約が世界史的に重要な条約であるからこそ、単純に『日本国との平和条約』と出来ないものと理解するのが良いだろう さて、以上の説明からSF条約は講和ではなく平和という邦訳が適切である、という論説になるわけだが、 これがチンプンカンプンなら、質問にある個別質疑の回答は難しいので、勘弁してほしいw
お礼
論説有難う御座います。 私は法や国内外様々な歴史の知識に欠けるので Stresemanさんが求める一定の理解を出来ているかどうか自信は正直あまり無いですが、色々と調べてみて「恐らくこういうことだろう」というイメージを掴みました。 宜しければ、回答を御願い致します。
補足
「本質問にどれだけ回答が付くのか?というのを楽しみに~」とありますが、こちらはどういう意味だったのでしょうか。 カテゴリが不適切だったでしょうか。それとも、質問内容に問題があったのでしょうか。
お礼
一つ目の主張の解説、有難う御座います。また、この解説で三つ目の主張も難しい、という事も分かりました。 宜しければ、二つ目の主張についてもご教示御願い致します。
補足
済みません、私の質問上のシステムの把握が間違っているのかもしれないのですが、質問が継続している最中はお礼としてではなく補足項目に記入すべきでしょうか。