公告罪を目撃して通報しなかったら犯人隠避ですか？

質問

公告罪を犯している人を目撃または当人の話からこれを聞いて認知した場合、通報しなかったら犯人隠避になりますか？

例えば淫行条例違反は公告罪ですが、これを犯しているととれる発言を当人から聞いた場合、これを通報しないことは犯人隠避になりますか？

回答No.2

shimaenaga · ベストアンサー

なりません。

質問のように、不作為（何もしないこと）により、犯罪結果を実現することを不作為犯といいます。

そして、条文に明示がある不作為犯のことを真正不作為犯、条文に明示のない不作為犯のことを不真正不作為犯と言います。

たとえば、不退去罪（管理者の要求があったにもかかわらず他人の家から退去しない罪）は真正不作為犯、母親が赤ん坊に授乳せずに餓死させることは、殺人罪の不真正不作為犯となります。

刑法は、作為の形でのみ条文で定めている場合が多いです（殺人罪もそうです）が、これは不作為による結果実現を罰しないという趣旨ではないからといわれ、条文になくても不作為犯（不真正不作為犯）が認められる場合があります。

ただ、不真正不作為犯を無限に認めると、罪刑法定主義（刑法に定めがある場合のみ罪となり、それ以外の行為は罰せられない、という、刑法による自由保障主義のこと）に反します。無限に不作為犯を認めると、条文に明示のない犯罪を作り出すことになるからです。しかし、上記のように母親が子供を餓死させる場合は、殺人と評価するのが妥当です。そこで、どこまで不真正不作為犯が認められるかが問題となります。

不真正不作為犯を認めるためには、作為義務があることが必要とされています。たとえば、上に述べた殺人罪の例では、母親は、子供を守る義務が民法で定められていますから、子供を守る法律上の義務があります。それなのに子供を守る義務を果たすことなく故意に子供を餓死させれば、不作為犯が成立することになります。

逆に、赤の他人が、子供が餓死しそうなところを見ても、もともと保護する義務がありませんから、殺人罪は成立しないことになります。

犯人隠避、は作為の形のみで条文が定めているので、もし不作為犯が成立するとすれば不真正不作為犯となるでしょう。そこで犯人隠避に不真正不作為犯が成立するかが問題となります。

この場合「隠避」とは、場所を提供せずに犯人の逃亡を容易ならしめることをいいます。

そうだとすれば、犯人隠避の不作為犯が成立するには、一般の人に犯罪と犯人を知ったら、これを報告する義務があるということになります。

しかし、一般の人に犯罪を報告する義務を定めた法文はありませんし、そのように広く処罰範囲を広げるのは妥当でないでしょう。

よって、不真正不作為犯は不成立となり、犯人を知って報告しなくても、無罪ということになります。

お礼

なるほどです。私が質問した内容の場合、既に犯罪が行われ終了していることと、犯人がわかっているだけであり、特に警察に追求され犯人の逃亡を容易ならしめているというわけでもないので犯人隠避にはならないという事ですね。ご回答有難うございます。

回答No.1

hekiyu

広告罪とい概念は始めて目にしました。
親告罪に対する概念ですか？

いずれにせよ、目撃して通報する法的義務が
存在しなければ、通報しないという不作為は
犯罪になりません。

そういう犯罪は限定されております。
例えば、幼児虐待とか、船舶遭難ですね。

確証も無いのに通報などしたら、逆に
虚偽告訴罪に問われますよ。

お礼

わたしも淫行について調べていて親告罪に対する概念で公告罪というのをはじめて知ったのですが、調べても出来てきません。もしかしたら造語なのかもしれません。目撃して通報する法的義務がある場合は少ないのですね。少なくとも淫行条例違反はそれに当たらないということですね。ご回答有難うございました。