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企業の投資形態(パターン)について教えてください。
企業の投資形態(パターン)について教えてください。 企業の投資には様々なパターンがあると思うのですが、どのようなパターンがあるか教えてください(国内での投資限定です)。 特に、グルー プ会社間(親子会社間)での投資のパターンについて教えてください。 (例) 投資主体は親会社(大企業)、投資先は子会社(中小企業) など
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>20%以上で連結決算に組み込まれている会社については、全て同じ企業集団に含まれることになるのですね。 「企業集団」という用語がちょっと気になるのでコメントしておきます。 資本関係で連結される企業は「実質的に一つの企業である」ので、外部に対して企業の業績を報告する書類である決算書を作成する際には、それぞれの企業の決算書を連結して「1つの企業と見なした決算書」を作ることが義務付けられているのです。 「全て同じ企業集団に含まれることになる」というよりは「全体で実質的に1つの企業である」と考えるべきでしょう。 A社の子会社であるB社、C社、D・・・は実質的にA社の一部門に過ぎません。本体であるA社がB部門に設備投資をしたいと考えた時に、資金的に余裕のあるC部門に対して、B部門に資金を融通するよう命じます。このとき、C部門がB部門に貸す形にすると利息や返済などややこしい手続きが必要になってきます。そこでB部門が新株を発行してC部門がこれを購入する形で、ということは株式投資という形式で資金を融通すると、手続きがややこしくなく簡単になります。このような経緯でC社がB社に「株式投資」という名前の資金融通をすることになります。ですからC社としては「投資をした」という意識はありません。「上から命令されてお金を回した」だけです。 「あなたはお兄ちゃんなんだから、弟におもちゃを貸してあげなさい。」 というのと同じです。おもちゃを貸してあげたお兄ちゃんは、弟に恩を売ったとは思いません。これと同じ状況であると御考え下さい。 >分社化した子会社と、企業買収で獲得した子会社で実は扱い方が違ってたりする、ということってあるのでしょうか。 結婚して独立した息子と、娘と結婚した入り婿のようなものでしょうね。
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- aokisika
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そろそろ私の知識の範囲を超えつつあります。 >連結決算に組み込まれている企業については、全て一体の企業集団と見なし、その企業集団が中小企業基本法に定義される中小企業に該当するかで企業規模を判断する。 その通りです。ただし、実際問題として、連結しても中小企業の範囲内におさまるような規模の企業の場合、分社化して複数の会社にするメリットはほとんどありません。ですから、そのような企業集団はあっても極めて少数だと思います。 >そうだとすれば、投資の有無やグループであることの判断についても連結決算書で出来るということになりますか。 連結決算書にはまず最初にその決算書がA社と子会社であるB社、C社・・・の連結決算書であることが明記されます。ですから、親会社であるA社が子会社であるBやC、D・・・に投資をしていることはわかります。しかし、B社がC社やD・・・に投資をしているかどうかは連結決算書だけからはわかりません。 >さらに、20~50%の出資を行なっている非連結子会社が「持ち分法」によって連結決算に組み込まれる。 たとえばA社がB社の発行済み株式総数の20%を所有して入る場合は、B社の20%がA社のものであるとして連結決算書を作成します。細かいことを言うとややこしくなるのでおおざっぱに言うと、B社の資産の20%をA社の所有物としてA社の決算書に組み込みます。 例えばB社の資本金の20%の金額をA社の資本金の額に足し、B社の固定資産の20%の金額をA社の固定資産の額に足し・・・、というようなことをします。 「みなし大企業」についてですが、施策の条件の中で「この施策においては○○をみなし大企業とする」というのが複数ありますから、もしかすると特定の法律で定義したものではないのかもしれません。 中小企業は小さいがゆえに様々な弱点を持っているので、これを補うために国は支援策を講じています。しかし、実質的には大企業の一部であり、「小さいがゆえに生じる弱点」を持っていない企業であっても、分社化したために形式的には中小企業になっている企業も多数あります。これらの企業は国から補助を受ける必要性がないにもかかわらず補助の対象になってしまいます。そこで、このような企業は形式的には中小企業であったとしても、大企業であると見なして、補助の対象からはずす必要があります。これがみなし大企業です。 ところで国の中小企業支援制度は、中小企業であればどんな企業に対しても一律に支援する、というものではありません。その企業の特性とその支援策の目的に合わせて、支援対象を選びます。例えば創業して1年以内の企業であるとか、売上の○%以上を研究開発費にしている企業であるとか、新たに事業を起して従業員を新規に○人以上雇用しようとしている企業であるとか・・・。 国としては、失業対策のために新規雇用を増やしたいわけです。とすると新規雇用を増やす企業への補助に関しては、大企業に補助をしてもかまわないかもしれません。 このように、それぞれの施策ごとに施策の適用範囲が異なり、場合によっては大企業に対しても補助をすることもありますから、大企業の一部である中小企業の排除は、それぞれの施策ごとにその施策の適用範囲の中で行った方が便利なのかもしれません。
お礼
回答ありがとうございます。 私の勉強不足で、度重ねて何度も質問してしまってすみません。 aokisikaさんのおかげで、頭の中でごちゃごちゃだったピースが徐々に揃ってきた気がします。 お付き合いいただきありがとうございます。 最終的なまとめとして、私の中で整理してみたのですが、 >親会社であるA社が子会社であるBやC、D・・・に投資をしていることはわかります。しかし、B社がC社やD・・・に投資をしているかどうかは連結決算書だけからはわかりません。 ということですが、おそらくA社の連結決算書以外に、子会社B、C社も自社でそれぞれ決算書も作成してると思うので、それを確認すればわかるということになるのでしょうか。 >A社がB社の発行済み株式総数の20%を所有して入る場合は、B社の20%がA社のものであるとして連結決算書を作成します。 ということは、20%以上で連結決算に組み込まれている会社については、全て同じ企業集団に含まれることになるのですね。 逆に連結決算に組み込まれない企業は、同一集団ではないと判断出来ますね。 >みなし大企業について 国の中小企業に対する補助金を中小企業庁HPで何種類か見てみたのですが、大抵の補助事業で、みなし大企業の制度適用除外とみなし大企業の要件が記載されているようです。 大企業と同一集団である中小企業には、親である大企業からの設備投資や技術開発支援等受けることができるので、国の支援は実質的な中小企業に絞る必要があるのということでしょうか。 最後になりますが、企業集団の形成の仕組みで、分社化と企業買収の2通りあると教えていただきましたが、分社化した子会社と、企業買収で獲得した子会社で実は扱い方が違ってたりする、ということってあるのでしょうか。 法律上というよりは、企業の扱い方?(各々の企業によって異なる?)の問題のなのかもしれませんが・・・ いろいろなことを丁寧に教えていただき本当に感謝しております。 ありがとうございます。
補足
すいません。 最後に少し気になることがあり、また考え方など教えていただければとても助かります。 >B社がC社やD・・・に投資をしているかどうかは連結決算書だけからはわかりません。 ということですが、おそらくA社の連結決算書以外に、子会社B、C社も自社でそれぞれ決算書も作成してると思うので、それを確認すればわかるということになるのでしょうか。 >A社がB社の発行済み株式総数の20%を所有して入る場合は、B社の20%がA社のものであるとして連結決算書を作成します。 ということは、20%以上で連結決算に組み込まれている会社については、全て同じ企業集団に含まれることになるのですね。 逆に連結決算に組み込まれない企業は、同一集団ではないと判断出来ますね。 企業集団の形成の仕組みで、分社化と企業買収の2通りあると教えていただきましたが、分社化した子会社と、企業買収で獲得した子会社で実は扱い方が違ってたりする、ということってあるのでしょうか。 法律上というよりは、企業の扱い方?(各々の企業によって異なる?)の問題のなのかもしれませんが・・・
- aokisika
- ベストアンサー率57% (1042/1811)
病院には「内科」の他に「小児科」という診療科目があります。しかし、小児科で行なっている内容は「小児の内科」です。ではなぜ内科の他に小児科があるのでしょう? それは、小児というのは大人のサイズを小さくしたものではなく、大人とは異なる小児に特有のいろいろな特性があるため、大人の内科とは異なった取り扱いが必要になるからなのです。たとえば、体重が大人の半分だから薬の投与量も半分で良いかというとそうではなく、時には大人の半量出すと効きすぎて副作用が強く出て危険になったり、あるいは効かなかったりします。単純に大人の半分というような算術計算はしてはいけない場合があるのです。だから、内科の他に小児科という診療科目を作り、小児科の専門医を養成する必要があるのです。 企業もこれと同じです。大企業とか中小企業とかいう用語を使ってこれらの企業を区別しようとするのは、これらの企業には単にサイズの大小だけでなく、大企業に固有の、あるいは中小企業に特徴的な性質があるため、異なった取扱いが必要になるからなのです。 中小企業の特性は資源が乏しいことです。特に、資金がないためにいろいろな不利益を蒙ります。ところが日本全体の中小企業の付加価値の合計は、日本のGDPの半分ぐらいあります。ですから、日本の経済が回復するためには中小企業が元気にならなければならないのです。ですから、国は、中小企業を元気にするための支援政策を沢山行っています。内容は補助金や減税や有利な融資制度などで、そのための予算が国家予算の中に組み込まれています。 国民から集めた税金を使うわけですから、どの企業が中小企業であるのかを厳密に決めておかなければなりません。そうでないと中小企業でない企業に補助金を交付したり、減税措置をしたりしてしまうかもしれません。そこで、中小企業基本法により、「中小企業」が定義されています。 http://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/g_book/h21/teigi.html ただし、これは中小企業基本法に基づく支援策についてです。他のたとえば労働基準法関係や税法、証券取引法などいくつかの法律に基づいて、これとは別の「中小企業の定義」が定められています。そういった場合には、「この支援策に関しては、「ここでは○○の条件の企業を中小企業とする」という内容が法律の条文や支援策の条項の中に書かれています。 通常は中小企業というと、中小企業基本法での定義が中小企業と見なされます。 中小企業基本法の定義には、出資者が誰か、ということは含まれていませんから、大企業が100%出資した子会社であっても、その企業が中小企業の範囲内であれば中小企業基本法上の中小企業です。 >企業の関係性から、どこまでの企業を一体と捉えられるか。 これは税法と証券取引法によって、どこまでをいったいと見なすかが定められています。厳密な定義はややこしいのですが、大まかに言うと前の回答でも書いたように、企業Aが企業Bや企業C、D・・・に対して実質的に支配力を及ぼしている場合は企業B、企業C・・・は企業Aの子会社であり、企業AとB、C・・・を合わせて一体の企業であると見なされます。ですから、親会社と子会社全部を合わせて一体と見なした時の決算書(連結決算書)を作ることが義務付けられ、この連結決算書によって税金の計算をすることになっています。 一体として連結決算をする企業集団が、中小企業の定義の範囲であれば中小企業でしょうし、大企業の範囲であれば大企業ということになります。ただし、連結決算をするのは一定以上の規模を持つ企業と定められていますから、連結して中小企業の範囲内にあるような場合は連結決算は必要ありませんし、法律上も別々の企業と見なされます。ただし、一般のビジネスの場においては、実質的に一つの企業であるような企業集団は一つの企業と見なして取引が行なわれることが多いようです。 ちなみに、大企業の定義ですが、何かの法律で定義があったと思うのですが見つけることができません。売上○百億円以上または負債総額200億円以上、というような定義だったように思います。うろ覚えでごめんなさい。
お礼
ご回答いただきありがとうございます。 毎回、回答していただく度に質問してしまい、申し訳ないです。 毎回、とても参考になっています。 私の勉強不足です。すみません。 aokisikaさんの回答から、私の問題を解くとしたら、 「企業の関係性から、どこまでの企業を一体と捉えられるか。さらに、その一体と見なされる企業を企業規模として大or中小どちらと捉えるのか。」 について、 連結決算に組み込まれている企業については、全て一体の企業集団と見なし、その企業集団が中小企業基本法に定義される中小企業に該当するかで企業規模を判断する。 ということになるのでしょうか。 そうだとすれば、投資の有無やグループであることの判断についても連結決算書で出来るということになりますか。 「連結対象となる子会社」について調べてみたのですが、 (1)親会社が50%を超える出資を行なっている会社 (2)親会社と子会社で合わせて50%以上の出資を行なっている孫会社、である。 さらに、20~50%の出資を行なっている非連結子会社が「持ち分法」によって連結決算に組み込まれる。 とあるのですが、連結子会社は、連結決算に組み込まれることからそう呼ばれているとしたら、非連結子会社は、資本関係の薄い(無い?)会社を連結決算に組み込むということになるのでしょうか。 また、みなし大企業についてなのですが、みなし大企業(=大企業?)というのは、中小企業基本法によって定義されていると思ったのですが、事業に対する補助金や減税などの優遇措置の際に定義される「みなし大企業」とは、どこに定義されるものなのかわかりますでしょうか。 ご回答頂くたびに、重ね重ね質問してしまってすみません。 もしよろしければ、ご教授願えますか。 大企業については、会社法に「資本金額5億円以上、負債総額200億円以上」と定義されていました。 大企業も定義付けされていたのですね。勉強不足でした。 ありがとうございました。
補足
補足に追加で申し訳ありませんが、質問事項を抜粋します。 毎回ご回答いただき感謝しています。 aokisikaさんの回答から、私の問題を解くとしたら、 「企業の関係性から、どこまでの企業を一体と捉えられるか。さらに、その一体と見なされる企業を企業規模として大or中小どちらと捉えるのか。」 について、 連結決算に組み込まれている企業については、全て一体の企業集団と見なし、その企業集団が中小企業基本法に定義される中小企業に該当するかで企業規模を判断する。 ということになるのでしょうか。 そうだとすれば、投資の有無やグループであることの判断についても連結決算書で出来るということになりますか。 「連結対象となる子会社」について調べてみたのですが、 (1)親会社が50%を超える出資を行なっている会社 (2)親会社と子会社で合わせて50%以上の出資を行なっている孫会社、である。 さらに、20~50%の出資を行なっている非連結子会社が「持ち分法」によって連結決算に組み込まれる。 とあるのですが、連結子会社は、連結決算に組み込まれることからそう呼ばれているとしたら、非連結子会社は、資本関係の薄い(無い?)会社を連結決算に組み込むということになるのでしょうか。 また、みなし大企業についてなのですが、みなし大企業(=大企業?)というのは、中小企業基本法によって定義されていると思ったのですが、事業に対する補助金や減税などの優遇措置の際に定義される「みなし大企業」とは、どこに定義されるものなのかわかりますでしょうか。
- aokisika
- ベストアンサー率57% (1042/1811)
まず、用語を明確にしておく必要があるように思います。 「親会社」および「子会社」という用語は会社法によって定義されています。厳密な議論をするとややこしくなるので、簡単に言うと、Aという企業が、Bという企業の株式の51%を保有するなどの方法で企業Bを支配している時、企業Aを親会社、企業Bを子会社と呼びます。 単なる下請企業は子会社ではありません。ある特定の大企業から、売上の大部分を受注しているような企業を『俗に』子会社と呼ぶ場合がありますが、これは飽くまでも「俗称」であって会社法によって定義された「子会社」ではありません。 というわけですから、親会社は当然に「子会社」に投資をしています。ここでいう「投資」とは「株式を買う」という意味です。A社はB社に投資をする(株式を買う)ことによってB社を子会社にしたわけです。投資をしなければ会社法上の「子会社」にすることはできません。 そして、グループ企業とか、兄弟企業とか言う用語は何となく使われていて、なんとなく暗黙のうちに一定の意味で使われていますが、実はこれらの用語は定義されていません。 定義されていないということはどういうことかというと、きちんとした議論をしようとしたときには定義されていない用語は使ってはいけない、つまり兄弟企業とかグループ企業とか言う用語は使ってはいけないのです。子会社同士は支配関係がありませんから、兄弟企業は親でも子でもない無関係の企業として扱うことになります。 結局、世の中に存在する自社以外の企業は、会社法の定義によれば「親会社」と「子会社」とそのどちらでもない企業(含兄弟企業)、の3つになります。 ところで、企業のグループがどのようにしてできるかというと、2つの方法で企業がグループ化されます。1つは分社化であり、もう一つは企業買収です。 たとえば、Aという巨大な企業があったとします。この企業は電気器具から自動車から食料品から化粧品など数十の分野の製品を製造して販売しています。ですから、部長が100人もいて、取締役も100人います。 さてこの巨大企業の中のある製品を製造している部門で、新製品の製造に関してある重要な事項を決定しようとしました。どのくらい重要かというと、その決定には取締役会で決定しなければならないと法律で定めてあるくらいに重要な事項です。そこで、100人の取締役の日程を調整しようとしますが、みんな忙しくて調整ができません。仕方がないので来月の定例取締役会の議題にしよう、と決まりました。しかし、取締役会でGOサインが出るまで、その部署では動くことができません。でも競合他社や社会は動いています。 取締役会の日が来ました。100人の取締役が侃々諤々の議論をします。なかなか結論がまとまりません。あげくの果てに、来月の定例会議まで持ち越しになってしまいました。来月までこの部門は動くことができません。でも競争相手はどんどん新製品を出して行きます。来月の定例会議でゴーサインが出たときには、作ろうとしていた新製品は他社よりも送れた性能のものになってしまいました。 会社が大きくなりすぎると、こんなことが起きてしまいます。これを防ぐ方法は会社を小さくすることです。そこでその部門をA社の100%出資子会社とします。取締役は3人です。重要な事項はこの3人で決定してすぐに行動することができます。作った子会社は実質的には巨大企業A社の一部門に過ぎませんが、法律上は独立した一つの企業です。ですから、その部門の機動性が増します。 どうせなら、他の部門も分社化してしまいましょう。そうすれば他の部門も、100人の取締役の小田原会議から自由になります。こうして多数の子会社からなる企業グループが出来上がります。でもこれは実質的にはAという1つの大企業です。 巨大企業A社の、冷蔵庫製造部門が、同じA社の自動車製造部門の設備投資の資金を提供しますか?普通はしませんよね。兄弟企業間の投資というのはそういう意味なのです。分社化してそれぞれが独立した会社になっている場合は、資金があまっていたら絶対やらないとは言い切れませんが、あまりやらないでしょうね。 ○○グループというのは、形式的には多数の会社が集まってできた企業集団ですが、その実質は1つの大企業であり、メンバー企業というのは個々の製品を製造販売している「部門」に過ぎないのです。 ところで、大企業の傘下にある下請け中小企業(会社法上の子会社ではない企業)についても触れておきましょう。企業城下町の中にあり、売上の大部分を一つの大企業に依存しているような多数の中小企業は、「企業グループ」の一員と見なされる場合もあります。しかし、テレビCMの「この番組は○○グループ各社の提供でお送りしました。」というときの各社には含まれていません。下請中小企業群は「企業グループ」の一員とはみなされていないのです。つまり「企業グループ」という用語には異なった2種類の意味があるのです。異なった2種類の意味があるから、どちらの意味であるのかを明確にしておかないと、意味がわからなくなってしまいます。ですから使ってはいけないのです。 先の説明では、資本等による支配関係で結ばれた「企業グループ」について話をしました。ここでは資本関係ではなく、仕事の受注と発注という関係で結ばれている「企業グループ」について考えて見ます。 大企業であるA社は、中小企業であるP社やQ社、R社などに製造の一部を下請として発注しています。なぜ下請に発注するのでしょう?それは、製造のその部分は作業内容の割りに儲けが少なく、面倒くさいからです。ですから自社で行なわず他社に発注するのです。その部分が利益が大きい部分であるなら、自社でやればそれだけ儲かりますからね。 ではP社やQ社やR社は、なぜ儲けが少ない下請仕事を受注するのでしょうか?それは、利益の大きな仕事をするだけの技術力と設備がないからなのです。ではなぜ技術と設備がないか?それは技術開発をしたり設備に投資したりする資金がないからなのです。お金がないから儲かる仕事をする設備を買えず、儲かる仕事をする技術を習得できないのです。だからしかたなく、利益の少ない下請仕事をしているのです。 発注元の大企業(俗に親企業と呼ばれることもありますが、会社法の親企業ではありません)が下請企業に投資をするとしたら、どんな場合でしょう? A社はある製品の部品を下請に発注しています。部品は毎月10万個使用します。下請3社のうち、P社がQ社やR社よりも少しだけ丁寧な仕事をしていて、A社としてはP社にもっと部品を作って欲しいと考えています。しかし、P社の生産能力は月産3万個です。Q社は月産4万個、R社は月産2万個の生産能力があります。またQ社はちょっと仕事が雑なので、A社としてはQ社にはあまり仕事を出したくないのですが、他の2社の生産能力が低いので、しかたなくQ社に4万個も発注しています。 こんな場合には、A社がP社に対して設備投資資金を貸し出したり、あるいは株式という形で出資して生産能力を拡大させる、ということがありえますよね。 では下請企業間ではどうでしょう?下請企業はお金がないから下請の状態に甘んじているのです。その資金のない下請が発注もとの大企業に投資をするような資金などあるはずがありません。もちろん、あまったお金を銀行よりも配当がある株式にするということはありえます。それが自社の発注元であるというような状況は当然ありえます。ですから、発注もとの株式を50万円とか100万円とか買っている、ということは投資をしている、ということはあり得ます。しかし、発注元企業が中国に工場を建てたいから、資金の100億円を投資してくれ、なんて話をするはずはありません。そんなお金はないのです。 下請企業間はどうかというと、たとえば先ほどのQ社は月産4万個です。資金に余裕があるかもしれませんね。そこで月産2万個のR社の社長がQ社へ行きます。 「うちの生産設備を強化して月産3万個作れるようにしたいのだけれど、そのための資金をうちに投資してくれませんか?」 Q社の社長はなんと言うでしょうか? A社は部品を10万個欲しいのです。11万個合ったらあまってしまいます。10万個でいいのです。ということは、R社の販売量が増えたら、Q社の販売量が減ってしまいます。R社の生産能力を増加させる投資ということは、Q社の売上を落とす投資ということになります。そんなものにQ社の社長がお金を出すはずはありません。 もちろん相互にメリットがあるような投資で、資金に余裕があるなら中小企業間での投資もありえなくはありません。しかし、現実にはあまり多くはないでしょうね。
お礼
回答いただきありがとうございます。 企業グループの成り立ちについて、よく理解することが出来ました。 「企業グループ」という言葉は、いろいろな場面で飛び交うワードですが、2種類の意味があるから話の内容がすっきりと理解出来なくなるのですね。 私の考えているのは、資本等の支配関係で結ばれた「企業グループ」であると思います。 私の中で、「兄弟会社=関連会社」と捉えていたので、兄弟会社はどちらかというと、子会社に近い立ち位置なのかと思っていました。兄弟会社というのは、無関係の企業に属するのですね。 すみません追加でまた質問なのですが、 「企業の関係性から、どこまでの企業を一体と捉えられるか。さらに、その一体と見なされる企業を企業規模として大or中小どちらと捉えるのか。」 もしよければ、意見を聞かせていただけませんか。 私の中で、一体と見なされるというのは、100%資本関係にある企業等ということで考えています。また、子会社同士では設備投資を行うケースは殆どないということですが、仮に投資があったとします。 (1)資本等で支配関係にある会社(親会社と子会社)の場合、それぞれ法律上は独立した一つの企業だとしても、やはり子会社は、親会社と一体と捉えるべきなのでしょうか。 子会社自体も大企業に属し、自ら設備等を投資できる場合は、企業規模としては大企業に属すると判断できるのですが、親会社から投資を受けている子会社が中小企業だとしても、その子会社は親会社の一部門に過ぎないとしたら、一体と捉えて企業規模も大企業ということになるのでしょうか。 (2)また、お互いに株式を保有しあっている会社(共通の親会社を持つ子会社と子会社)間で、(存在するのかわかりませんが、親会社が中小企業である場合も含め、)もしお互いのメリットのために設備投資を行ったとしたら、その会社同士は一体と捉えるべきでしょうか。もし一体と捉えるとしたら、個々の会社は中小企業だとしても、併せて大企業という扱いになるのでしょうか。 回答していただいたのに、また追加で質問することになってしまってすみません。
補足
すみません、追加でした質問を抜粋しました。 「企業の関係性から、どこまでの企業を一体と捉えられるか。さらに、その一体と見なされる企業を企業規模として大or中小どちらと捉えるのか。」 もしよければ、意見を聞かせていただけませんか。 私の中で、一体と見なされるというのは、100%資本関係にある企業等ということで考えています。また、子会社同士では設備投資を行うケースは殆どないということですが、仮に投資があったとします。 (1)資本等で支配関係にある会社(親会社と子会社)の場合、それぞれ法律上は独立した一つの企業だとしても、やはり子会社は、親会社と一体と捉えるべきなのでしょうか。 子会社自体も大企業に属し、自ら設備等を投資できる場合は、企業規模としては大企業に属すると判断できるのですが、親会社から投資を受けている子会社が中小企業だとしても、その子会社は親会社の一部門に過ぎないとしたら、一体と捉えて企業規模も大企業ということになるのでしょうか。 (2)また、お互いに株式を保有しあっている会社(共通の親会社を持つ子会社と子会社)間で、(存在するのかわかりませんが、親会社が中小企業である場合も含め、)もしお互いのメリットのために設備投資を行ったとしたら、その会社同士は一体と捉えるべきでしょうか。もし一体と捉えるとしたら、個々の会社は中小企業だとしても、併せて大企業という扱いになるのでしょうか。 回答していただいたのに、また追加で質問することになってしまってすみません。
- aokisika
- ベストアンサー率57% (1042/1811)
「投資形態(パターン)」というのが何をさしているのかわかりません。 通常は「投資形態」というと株式という形態で投資をするか、債券という形態で投資をするか、をさすように思います。 >(例) 投資主体は親会社(大企業)、投資先は子会社(中小企業) など これは投資先企業との「関係」、ということであって「形態」ではないように思います。 例のような投資先との「関係」を知りたいというのであるなら、世の中には自社のほかには親会社、子会社、およびそれ以外の無関係の企業、の3つしかありませんから、投資先との関係もその3つ以外にはありえません。 また、「パターン」という用語はいくつかの異なった意味に使われます。たとえば、 パターン1.投資資金の1/3をベンチャー企業の株式に、1/3を自動車業界の株式に、1/3を投資信託に投資する。 パターン2.投資資金の1/2を電機業界の社債に、投資資金の1/4をベンチャー企業の株式に、投資資金の1/4を自動車業界の株式に投資する。 などのように「パターン」という用語が使われる場合があります。また、自社の事業への投資に関して、財務の計算問題に良くあるのですが、 パターン1.現在販売中の製品Aの改良品A'を製造するために、初年度にA'のための生産設備として1億円の設備投資をする。 パターン2.新製品Bを製造するために、初年度に、製品Bの生産設備に1億円の設備投資をする。 パターン3.初年度には製品Aと製品Bの製造のための予備的な投資を、それぞれに2千万円ずつ投資をして販売状況を見て、1年後に可能性の高そうな方に8千万円の設備投資をする。 3つの投資パターンのうちで最も有利なものはどれか計算せよ。 などという試験問題が出題されます。この2つの「パターン」は全く異なった意味で使われています。 質問者さんは、何をお知りになりたいのでしょうか?
お礼
回答していただきありがとうございます。 aokisikaさんのおっしゃるとおり、私が聞きたいのは、投資の形態ではなく、投資先との関係であるようです。 投資先との関係には3つ以外にはないんですね。それも知りたかったことの1つです。 私が悩んでいたのが、子会社に対する親会社の投資、自社主体の投資等々(すみませんこのくらいしか思いつかないですが...)の場合のように、投資先の会社と投資主体の会社の関係でどんなものがあるのか、ということだったんです。 私としては、グループ関係にある会社間(兄弟会社?のような関係)での投資、というような場合もあるのかなぁと思っていたのですが。 兄弟会社間での投資というようなものはないのでしょうか。また、それ以外の関係だと、回答いただいたとおり、やはり3つ以外にはないのでしょうか。 ちなみに投資というのは、今回は設備や雇用の投資を前提に考えています。 せっかく回答をいただいたのに、また疑問を投げかけてしまってすみません。
補足
私が悩んでいたのが、子会社に対する親会社の投資、自社主体の投資等々(すみませんこのくらいしか思いつかないですが...)の場合のように、投資先の会社と投資主体の会社の関係でどんなものがあるのか、ということだったんです。 私としては、グループ関係にある会社間(兄弟会社?のような関係)での投資、というような場合もあるのかなぁと思っていたのですが。 兄弟会社間での投資というようなものはないのでしょうか。また、それ以外の関係だと、回答いただいたとおり、やはり3つ以外にはないのでしょうか。 ちなみに投資というのは、今回は設備や雇用の投資を前提に考えています。
お礼
ご回答ありがとうございます。 私の唐突な質問に丁寧にお答えいただきき、ありがとうございました。 本当に助かりました。 aokisikaさんのおかげで、企業の関係性と企業規模の関係をすっきりと理解できた気がします。 連結決算とみなし大企業等々を元に、まとめてみたいと思います。 たくさんの質問にわかりやすく答えていただき感謝しています。 また、よろしくお願いします。