契約で期間10年と定めたと言うことは、貸主は10年間貸す義務を負い、借主は10年間、賃料を払う義務を負うと言うことです。いつでも、自由に契約を解除できるのであれば、期間を定めた意味がありません。
契約を解除するには法的な根拠が必要です。一つは、「債務不履行による解除」といった法律で定められた事由に基づく解除です。(法定解除)例えば、借主が賃料を支払わない状態が続けば、最終的に貸主は契約を解除することができます。もう一つは、契約で解除事由を定めていた場合です。(約定解除)例えば、借主は、6ヶ月前に予告して契約を解除することができる旨の特約を結んでおけば、その特約に基づいて契約を解除することです。ですから、借主が賃料の不払をしているといった債務不履行の状態でもなく、貸主が契約を解除できる旨の約定もないのですから、貸主が契約を解除することはできません。
もっとも、貸主が契約を解除できる旨の約定を定めておけば良かったのではないかと思われたかもしれません。しかし、「アミューズメントパーク」、「公正証書」、「10年」というキーワードからすると、事業用定期借地契約を結んだと思われますが、貸主が中途解約できる旨の約定は借主とって不利な約定なので、借地借家法により、その約定は無効となります。
結論としては、期間満了まで貸し続けるか、借主と交渉(立ち退き料の支払いを条件とするなど)して、貸主と借主が賃貸借契約の「合意」解除をするしかありません。
民法
(履行遅滞等による解除権)
第五百四十一条 当事者の一方がその債務を履行しない場合において、相手方が相当の期間を定めてその履行の催告をし、その期間内に履行がないときは、相手方は、契約の解除をすることができる。
借地借家法
(強行規定)
第九条 この節の規定に反する特約で借地権者に不利なものは、無効とする。
(事業用定期借地権等)
第二十三条 専ら事業の用に供する建物(居住の用に供するものを除く。次項において同じ。)の所有を目的とし、かつ、存続期間を三十年以上五十年未満として借地権を設定する場合においては、第九条及び第十六条の規定にかかわらず、契約の更新及び建物の築造による存続期間の延長がなく、並びに第十三条の規定による買取りの請求をしないこととする旨を定めることができる。
2 専ら事業の用に供する建物の所有を目的とし、かつ、存続期間を十年以上三十年未満として借地権を設定する場合には、第三条から第八条まで、第十三条及び第十八条の規定は、適用しない。
3 前二項に規定する借地権の設定を目的とする契約は、公正証書によってしなければならない。
お礼
借地借家法の強行規定に該当しますね 大変助かりました。感謝いたします。