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「全き家」という思想はご存知でしょうか

 日本語を勉強中の中国人です。ヨーロッパの 「全き家」という思想はどのような思想なのか、教えていただけないでしょうか。インターネットで調べましたが、あまり内容が見つからずに、ドイツ語で「das ganze Haus」と言うだけわかりました。  また、質問文に不自然な表現がありましたら、それも教えていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。

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  • wiz0621
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回答No.2

もともとは民俗学の用語でして、ドイツ史家ウィルヘルム・ハインリヒ・リールの著作で定義された言葉です。 (ただ、彼自身、民俗学は"遥か昔からあるもの"としていたので、概念としてはもっと前からあったのかも?) 産業革命前のドイツ諸邦の、市場の概念が今より小さかった時代。 お店で買い物をする市場経済よりも、家族を基本とした半自足自給の形態をとっていました。 この"家族"は、現代のような親子に限定された関係ではなく、 使用人や奴隷、あるいは師匠と弟子のような関係を含んだ、ひとつの家で暮らす共同体のことを指しています。 (ちなみに、ここからメイドさんは労働者じゃなく家族なんだ!という法律上の議論もあったり無かったり。) なぜそんな閉じた社会を作っていたのかというと、 市場や物流、法整備や治安の概念があまり発達しておらず、 それぞれがある程度の自給自足と自己防衛が要求されていたため、と考えられています。 その後も、昔ながらの「古きよき時代」の考え方として賞賛されることもありますね。 ただ問題もあって、それぞれの家には一家を統率する主、つまり、お父さん役の人が居て 彼がルールを決める閉鎖的な社会構成でした。家庭内で暴力があっても お父さんが認めればそれはいいこと、になってしまう可能性もありますね。 産業革命前の宗教支配の時代では、人間に階級があるのはあたりまえとされて、 今のように皆の権利が平等とは考えられていませんでした。 一方で主は家族に対して責任をもち、他の家の主と交渉したり争ったりする大変な仕事でもあります。 ここで家内が不安定であったり、経営が上手くいっていなければ 一段低く見られてしまう。こういった時代で社会参加をするには、 まず家を治められる人でなければならなかったわけです。 つまりは大きなことを語る前にまず、身近な基本からきちんとしなさい、ということでもあります。 このあたりは古代中国の儒教思想(斉家)にも近いかもしれないですね。

awayuki_china
質問者

お礼

 ご親切に回答していただきありがとうございます。わかりやすくてよくわかりました。大変助かりました。本当にありがとうございました。

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その他の回答 (1)

  • aran62
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回答No.1
awayuki_china
質問者

お礼

 早速のご回答ありがとうございます。これです。大変助かりました。本当にありがとうございました。

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