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核融合エネルギーの行方
実験室レベルで核融合を成功させたときに発生するエネルギーはどこにいくのでしょうか? 微小な熱エネルギーとなるのでしょうか? どなたか教えてください。
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実験室での核融合は、重水素を高温・高密度プラズマ(密度 1e19 cm^{-3}, 数千万度)にすれば良いので、比較的簡単に出来ます。 数百万円の資金と20平方メートル程度のスペース、高電圧放電とプラズマ物理の知識があれば貴方にも可能ですが、放射線が出るので法律にそって実験して下さい。 方法は、放電や超高強度レーザー照射によりますが、小規模だと反応率が少ないのでエネルギーはペイしません。 数十kJの電源を使って、うまくやっても核融合出力は数mJ以下です。 核融合反応が起こると、高エネルギーのアルファー線(ヘリウムの原子核)と中性子線が出ます。 アルファー線は飛程が短い(透過力が弱い)ので、装置の内壁に吸収されて、内壁の原子を弾き飛ばす場合もありますが,弾き飛ばされた原子は壁に当たって止まります。何れにしても最終的には止まるので、運動エネルギーは熱になります。 中性子は透過力が大きいので、相当の距離まで飛びます。しかし、この場合も壁や空気などの途中の原子と衝突しながら減速されたり吸収されて核反応を起こします。核反応の場合は,核の内部エネルギーになりますが、それ以外は熱エネルギーに変わります。
お礼
丁寧なご回答、ありがとうございました。 「比較的」簡単に実験できるのですね。では実験できる人がたくさんいてもおかしくないですね。 でも、何に対しての比較なのかよくわからないですが(^^;) ちなみにhttp://prc.aps.org/abstract/PRC/v85/i5/e054620 では、ご回答のように重水素を高温・高密度プラズマにはしていなさそうですね。