ときどき、物理学のテストで出ます(大学教養課程物理等)。
地球(月でもいいですが)が一様な密度だとして、北極と南極を結ぶ、内部が真空のトンネルに物体を落とすという設定の問題です。
落ちて行く途中の重力加速度は、物体の上側の球殻からは重力が働かず、物体より下の球からの重力だけだとということを、証明します(実は、式の形が同じの電磁気学で既にやっていたりする)。地表を含めて、物体より下側にある球の質量による重力は、その質量が全て中心にある場合と同じになります。
それを使って求めます。単振動と呼ばれる振動になります。落とした口と反対の口をずっと行ったり来たりになります。
もし、空気抵抗があれば、振動の大きさが減って行き、地球の中心で静止します。
P.S.
空気抵抗がない場合について、北極と南極を通過し、地表すれすれを公転する人工衛星の円運動を、北極と南極を結ぶトンネルに射影すると、トンネル内を自由落下する物体とぴったり一致することを確かめたりします(それが単振動と等速円運動の関係性だったりします)。
なお、北極と南極以外を結ぶトンネルだと、自転の影響によるコリオリの力で、物体はトンネルの壁に衝突します。跳ね返るようなら、何度もぶつかります。
さらに、トンネルにぶつからず、摩擦抵抗もないようにしたトンネルを、地球の中心を通らないようにして(地球の裏側より近い位置を結ぶ)、地球のどの二点間を直線で結んで、重力だけにより行き来できます。
どのトンネルであっても、出口に出るには地球の中心を通った場合と同じ所要時間となります。地球の中心を通らないなら、最短時間となるのは、サイクロイド曲線と呼ばれるなだらかな曲線であることが示せたりもします。