生きてはいないものであっても浸透という現象は生じます。
例えばスポンジは最初から生きてなどいませんが、水がしみ込んだりしますね。
また例えば、木を切り倒して製材し、木の板に加工してしまったものは、既に死んでいて、生きてはいません。
この死んでいる木の板を、野ざらしで放っておいたりしますと、水が染み込んで腐ったり、内部を虫に食われたりしてしまい、ボロボロになってしまいます。
この様な事を防ぐために、木材に防腐剤や防虫剤を染み込ませる事が行われます。
髪の場合も、細胞は死んでしまっていますが、その表面はキューティクルと呼ばれるケラチン蛋白で出来ている鱗状の構造によって覆われています。
このキューティクルによって髪の内部は保護されている訳ですが、キューティクルは鱗状なのですから、鱗と鱗が重なっている部分には僅かながら隙間があり、水分等が出入りしています。
そのため、髪を過度に乾燥させますと、内部の水分が失われ、髪が傷む事があります。
又、紫外線によっても髪はダメージを受けます。
又、外界の様々な要因によってキューティクルが損傷しますと、鱗状の部分ががささくれ立って広く隙間が開いたり、キューティクルが剥がれたりして、保護機能が失われ、髪の内部が外界の悪影響を受けやすくなったりします。
シャンプーのCMでは、髪に対するこれらの悪影響を軽減する働きのある物質を、キューティクルの隙間から染み込ませたり、キューティクルの外側を覆って、キューティクルを保護する働きのある物質を配合していると謳っているものと思われます。
尤も、
「そんなもの染み込ませて何の役に立つんだ?」
という様なものも中にはある様ですが・・・・
(例えば、死んだ細胞からなる髪にアミノ酸を浸透させるとか)
お礼
こんばんは! 大変お礼が遅くなり申し訳ありません。 すごく理解しやすく、ギモンもすっきり解決しました。私は高校生で生物で浸透についてならったので、ますます生物について興味・関心が深まりました! おもしろいですね~(^O^) ありがとうございました!