>陽子の質量は1.673 × 10^-27 kg、 原子質量単位は1.661 × 10^-27 とあり、
2つの数字は似ていますが意味が異なります。大小を直接比較することはできません。
最終的には#1に書かれている質量欠損が関係してきますがそれぞれの意味をまず考えることの方が先でしょう。
理科年表を見てみました。
もう少し詳しい数字が載っています。
陽子の質量 mp:1.6726231×10^(-27)kg
原子質量単位 mu:1.6605402×10^(-27)kg
この数字にはどちらにも単位が付きます。
原子質量単位というのは相対質量の基準になる数字です。
この質量を1単位として原子の質量を表すということです。
原子量を表す時の基準になる量です。
(相対質量には単位が付きませんがその基準になる1単位質量がいくらかという数字には単位が付きます。)
この数字はどのように決まっているのかが問題になります。
理科年表では原子質量単位を次のように定義しています。
「中性の12C原子の質量を12とする質量単位」
この定義に従って考えると上にあるmuは
中性の12Cの原子の質量(12Cの原子核と電子6個を合わせた質量)の1/12です。
この数字には電子の質量が含まれていますから陽子ではなくて質量数1の水素原子に対応する量です。陽子は質量数1の水素1Hの原子核ですから同じものではありませんね。
12Cの原子核は6個の陽子と6個の中性子でできています。
質量数2の水素2Hの原子核は陽子と中性子が1つずつです。
陽子、中性子、電子の数が1つずつですから12Cのちょうど1/6の構造になっています。
同じように考えると4Heでは1/3になっています。
1H,2H、4He、12Cの質量を原子質量単位で比べてみます。
1H 1.0078
2H 2.0141
4He 4.0026
12C 12.0000
1)1Hの質量×2>2Hの質量+電子1つの質量
(電子1つの質量は原子質量単位で表すと0.00056です。)
これは
陽子の質量×2>2Hの原子核の質量
ということと同じです。中性子1つの質量は陽子1つの質量よりも大きいはずですから不思議ですね。
2)2Hの質量×2>4Heの質量
3)2Hの質量×6>12Cの質量
4)4Heの質量×3>12Cの質量
なぜこういう値が出てくるのでしょうか。
陽子と中性子が組み合わさって原子核をつくると質量はばらばらの状態での陽子の質量と中性子の質量の和よりも小さくなっています。結合が生じると結合のエネルギーの分だけ安定になります。エネルギーの総量が減少しています。エネルギーが少なくなっているということは質量が少なくなっているということと同じことであるというのがアインシュタインの相対性理論の結果です。#1で引用されているサイトはそのことについて説明しています。
お礼
よく理解できました。 これですっきりしました。 有難うございました。