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債権各論の参考書について
- 債権各論の参考書を選ぶ際、わかりやすく、学説および自説が豊富な書籍を使用したいと考えています。
- 川井健さんの「民法概論 4 -債権各論」や本田純一さんの「債権各論 7 論点講義シリーズ」、内田さんの「債権各論」、我妻さんの「債権各論 中巻一 民法講義 5-2 (5)」などの参考書を検討しています。
- 基礎から応用まで学びたいため、2冊の参考書を併用することも考えています。どの参考書が良いかやおすすめの参考書についての情報を教えていただけると助かります。
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川井健・本田純一は体系書ではありません(概説書)。 内田・我妻は体系書です。 役割としては、体系書一冊、概説書一冊がベストでしょうか。 【概説書】 川井健は我妻栄の最後の弟子で、ほとんどの説を我妻に準拠しています。 独自説は異端扱いされていますが、その他はほとんど我妻(判例にも我妻の影響は未だに強い)なので、アウトラインを眺め通読するには丁度良い分量でしょう。 論点については主要学説と判例を並べ、結論・帰結、理由を淡々と記載してあります。 ただ、不法行為の細かい関連法などについて厚く書いてありますので、ここは流し読みで。 あと、最新判例のフォローが弱いです。書いているのもおじいちゃんなので誤字もそれなりにあります。 論点講義シリーズは若手有力な学者が書いているだけあって、主要な点をコンパクトにまとめてあります。 川井より厚く論じている感じはするし、ビジュアル的にもメリハリが効いていますね。 ただ、予備校の模試や問題集では川井・内田を解説で引用していることが多いです。 【基本書】 我妻については、裁判官でも我妻を今でも頼りにしていることが多いようです(身内の裁判官・裁判官の知人いわく)。メリットは多大にあると思いますが、例えば共同不法行為をはじめ、不法行為などについては我妻説から説明できないことが多いです。これは、平井ヨシオの損害賠償法理論の影響で~以下略~ その辺のエッセンスは内田に集約されていると思ってよいと思います。 資格などの目的を達成し、実務についたときに我妻を参考にすれば良いかと。あとは、判例が明らかに我妻説寄りだ!ってときに辞書的に見てみるとか? 内田については、私は好きな本ではありませんが、 現在最有力の学者の一人ですね。損害賠償理論などはこっちで学習しておいて損はないかと。 他に買うことがあるとすれば、塩見?や平野・山本?敬三(うろ覚え)?も最有力者だそうです。 国家試験を意識してということであれば、短答式では学説の対立も問われますし、バランス的には川井・内田が良いのかなと思います。ペースをキメて通読→川井・本田、ただし不法行為は内田。 ただ、国家試験に限らず学部対策などを重視するなら、 あるいは、佐久間に慣れているということですから、思い切って内田一本か本田一本に絞ってしまってはどうでしょうか?ビジュアル的にも読み易いし構成も近いし。川井も我妻も読んでて正直目が痛くなりません? 自説の展開・学部の試験対策ということで見ると、我妻・川井でキメ打ちだと若い先生の出題意図に沿わない解答になってしまうおそれもあります。良い成績は取れてもマックスではなくなってしまうかも。 佐久間は塩見さんの弟子なので、塩見が合いそうですけどね。債権の大家ですから安心感もありますし。総則・物権を佐久間で統一しているのなら、佐久間債権が出るまでは塩見でやってみるとか? 私の主観で考えると、一冊に絞って通読し、分からないところとか掘り下げたいところは適時他の本をいろいろ読んでみるのがベストだと思いますけどね。そして、参考書よりもむしろ判例をしっかり勉強することをおすすめします。どの事実がどのように評価されてるのか、判例・裁判例における相場はどうか、規範をどのようにあてはめているのか、大法廷以外の判決や決定では、大法廷判決のどこを意識しているのか、似た判例ではどこが違っているのか、などの読み方があります。 司法試験もふくめ、試験では判例の事案を少し変えて出されますから、あの判例はこういう事案であったからこうなったが、本件はこの点が違うから射程は及ばない、あるいは結論はこうなる!みたいな。 今の調子で楽しみながら学習をすすめ頑張って下さい。
お礼
本田さんと塩見さんの本を検討してみます。 債権をきちんと理解できるよう頑張ります。 長々と、どうも有難うございました。