特に正式な順序などというものはありません。
皇學館名誉教授の書によれば例祭の基本は[修祓][一拝][献饌][祝詞][拝礼][撤饌][一拝]となります(関係するものだけ抜粋)。 修祓とは祓い清めを言います。
拝礼とは再拝・二拍手・一拝の所作を言います。
一方賽銭には二つの意味があります。一つは実りを捧げる意味で、世俗でもよく言われているものです。
もう一つは厄祓いです。昔はヒトガタに息を吹きかけ厄を移して水に流したり焼いたりしましたが、ウチマキという今の節分に通ずる米を地面に打ち付けるものです。
これは神職の祭事にはない行動ですが、強いて言えば修祓に含まれます。
鈴は鈴祓いといい、祓いの一種です。これはアメノウズメの岩戸の踊りに起源を持ち、現代でも巫女舞のルーツでもあります。
伊勢の神宮などで昇殿参拝をすると分りますが、巫女舞は参拝後に行われています。つまりこのままでは最後に鈴を鳴らすことになります。
しかし一連の所作で祓えである修祓が最初に行われることを考えれば、鈴は最初に鳴らすのが合理的です。
修祓はこれから行われる神事の初めにその場所や参加者を祓い清める意味があるからです。
また賽銭は供物を捧げる献饌の代用と考えられます。
従って、これに従って順を示せば次のようになります。
「鈴を鳴らす」(祓え)
「一拝」
「賽銭を上げる」(献饌)
「願い事をする、或いは神拝詞」(祝詞)
「拝礼」
「一拝」
冒頭で「作法などない」と書いたのには理由があります。
単に参拝するという場合、本来は昇殿参拝をさします。
私達が日常しているのは略式の参拝法で、これを「自由参拝」と言います。
略式なので作法などないというのが本当のことです。
実際神社本庁の冊子などでも「参拝法は両段参拝に基く」としています。これには賽銭とは鈴はありません。
実際、前出の「神道概説」という専門書にも参拝法を見ると再拝・二拍手・一拝しか書かれていません。
一部地方の神社庁が独自に手水など俗説に倣って書いているものがありますが、正式ではありません、神社本庁が上位組織ですから。
それに伊勢の神宮には賽銭箱も鈴もありません。もし鈴や賽銭が正式であれば、伊勢の神宮は正式なおまいりができないことになります。
冒頭申し上げたように、賽銭には二つの意味があります。厄祓いの意味を取れば、これを就縛に変えることができます。
また俗説では最初と最後の「一拝をしろ」と書いているものはありません。つまり、これを省略すれば鈴を鳴らし、賽銭を上げ、拝礼するという一般的な順番になります。
お礼
よく理解できませんでしたが・・