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翻訳に拠らない言語の習得
赤ん坊が最初に言葉を覚える場合のようにして、機械が翻訳に拠らずに言語を習得することは可能ですか?
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kaitara1です。機械と機会の誤字を書き失礼いたしました。蛇足ですが、英語を習った時、前置詞というのが空間的な意味を持っていると聞いて驚いたのですが、論理というものが空間的な構造を持っているということだったと思います。しかしわれわれは、日本語を、前置詞に相当する後置詞の空間的構造をあまり意識していないまま習得したと思います。空間的構造が明確でないことが日本語の特長かどうかわかりませんが、論理というのが空間的構造を持っていることは確かではないかと思います。ユクスキュルの環世界とかソシュールの言語論とか丸山圭三郎のこと分け理論などにも関係が深いことだろうとも思います。また生物学的には神経細胞が作るネットワーク自身が空間的構造をとっているのは明白ですから、外界と脳内世界の間の対応関係の基本が空間的なものであることも当然のような気もします。また語順等の問題は言語の構造ですからまた違う意味があるのでしょうが、すべてどこかでつながっているように思います。つながっているということがすでに空間的な表現になっています。蛇足の蛇足でした。
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kiatara1です。まったくのしろうとです。言語というのは言語空間というか言語世界というようなものを形作るとともにそれぞれの言語の存在位置のようなものが決まっているように思います。具体的世界の場合には写真を撮って以前遭遇したのと同じ風景かどうかを判定するような形で機会が学ぶことができるように思います。この場合「水」であろうと「water]であろうと変わりはないと思います。また関係についても水は低い場所に存在するなどの情報でほかのものとの関係も学べると思います。抽象的な概念にしても空間的な位置づけで可能のように思います。こういう場合間に別の系を挟むかどうかはあまり重要な意味はないように思います。つまり翻訳かどうかはあまり意味がないように思います。
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有難うございます。難解でしたが、次のように理解しました。 言語空間は実世界の写像になっている。言語空間の中での言葉と言葉の位置関係と、実世界の中での事象と事象の位置関係に相似性を発見したときに、その言葉が理解できたことになる。翻訳の場合には母国語の言語空間のセットと外国語の言語空間のセットとの間に相似性を発見することになるわけで、実世界が別の言語空間に置き換わっただけであってあまり重要な違いではない。 というような意味でしょうか。 言語を理解する為には実世界を「言語に拠らない方法」で知る必要があるわけで、言葉の理解に携わる機械はどんどん実世界へ出かけて行って機械自身の目で実世界を体験する必要がありそうです。「百聞は一見にしかず」は、機械にとっても言えるのではないかと思いました。しかし実空間の無限の情報の中から何に注目すれば良いのか、フレーム問題に悩むことになってしまうかもしれません。
- 安房 与太郎(@bilda)
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>機械が「翻訳ではない言葉の習得」をするきっかけ< わたしの解釈では、赤ん坊は、みずからの生理的欲求によって習得し、 ロボットの記憶は、開発者の脳内風景のコピーにすぎません。 ヘレンのケースは、知的欲求として“未知への扉”が開かれたのです。 ── すべての事物・現象は名づけられている──この原則が理解でき れば、それぞれの名前を覚えることは、いとも簡単です。 http://okwave.jp/qa/q5783883.html http://d.hatena.ne.jp/adlib/19361020 奇跡の虚実 ~ 何がヘレンに起こったか ~ http://okwave.jp/qa/q5231783.html (No.3)奇跡と逸話の文化 わたしの経験(1990年頃)では、「とうきょうと」が「東京都」に変換 されるのに、数分間を要した初期パソコンの記憶があります。 (ひらがなの漢字変換は、翻訳術よりも暗号学に準拠しているようです) ── わたしの最初の先生はチャンドラ博士だった……。 http://d.hatena.ne.jp/adlib/19970112 HAL 9000 ~ コンピュータの生と死 ~
お礼
有り難うございます。リンク先も興味深く読ませていただきました。 ヘレンケラーの自伝は好きな本の一つです。冒頭の言葉に目覚める以前の記憶の部分と、後半のヘレンが自然の美しさを熱意を持って語る部分が、大変興味深いと思います。 ヘレンは言葉に目覚める前から当然心を持っていましたし、言葉の綴り(手話)はサリバン先生に教わって知っていた訳ですから、言葉を記号として知っていても意味とリンクできない状態だったのだと思います。「water」の一件は普通の赤ん坊なら時間をかけて行いそのうちに忘れてしまう記号接地のプロセスが、はっきりとした意識の中で短時間に行われた稀な例になるのではないかと思います。
- 雪中庵(@psytex)
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物体に対応した名詞の習得なら難しくありませんが、形容詞や 動詞のように対象を抽象化するものは、そうした複数の要因の 統合としての“実体”を識別せねばならず、通常の演算のような 条件反射的な回路では不可能です。 たとえば青の波長の入力に伴う他の性質の入力を相関させ、 それを様々な対象について蓄積する事で、次の「青の波長」の 入力において、その印象(=形容詞などの抽象的単語に対応する) が生じるのです。 それは、現在行われているニューロコンピュータのずっと先にある、 脳内のニューロネット(意識)の再現に他なりません。
お礼
有難うございました。人の赤ん坊なら誰でも普通にやっていることを科学技術が実現しようとする時、人の脳の機能をそっくり真似るしかないとしたら、なんだかちょっとさびしい気がします。
- 安房 与太郎(@bilda)
- ベストアンサー率27% (228/822)
脳内楽譜 ~ 言語の法則を識別し、分析して再現する ~ 赤ん坊は、直感によって言語を覚えるのではなく、音量・音程・速度 に応じて記憶を分類し、収納しているはずです。 ふたたび同じ言葉を聞いたとき、つぎの展開を予想できるからです。 文字や記号を開発した人類は、あらゆる音声を26~50音に分類し、 その組合せによって意味を伝達するようになりました。翻訳ソフトも、 (計算機のときと同様に)系統発生を模倣して進化するはずです。 ── わたしは(略)翻訳ソフトが理解できるように心がけている。 http://okwave.jp/qa/q7241227.html (No.3) さらば、二段論法 ~ AはBだからCなのだ ~
お礼
有難うございました。
補足
有難うございます。機械が音を分類、収納して辞書を作成したとして、母国語を持たない機械にとってその辞書は、うまく行っても循環参照する英英辞典のような状態だと思います。このような状態から、ヘレンケラーが最初に「water」の意味を発見した時のように、最初に機械が「翻訳ではない言葉の習得」をするきっかけはあるのでしょうか?
その機械が状況に応じて別の反応をするようになれるかということでしょうか。
お礼
有難うございました。
補足
ご回答有難うございます。質問が説明不足で申し訳ありませんでした。「状況に応じて別の反応をする。」というのは、むしろ2つ前の私の質問に関すると考えておりました。この質問は、大人が「日本語を利用して英語を習得する」ようにではなくて、機械が自分の「母国語」を持たない状態から英語の文法や意味を習得する事ができるか?という質問です。 例えば"This is a pen"のうち、Thisも、isも、aも、penも、その文法も、機械は全く知らず、対応する母国語も持っていないとして、"This is a pen"の言葉の意味を習得する方法に関する質問なのですが、これは、「状況に応じて別の反応をする。」能力と関係してくるのでしょうか?
お礼
有り難うございました。英語の前置詞が「空間的な意味を持っている」というのは、なるほど、と感心いたしました。仕事で米国特許のクレーム(特許の請求範囲)を読んだり書いたりすることがあります。クレーム文では、短い文章の中で広範囲の意味をカバーしつつ、相反するように意味が明確でなくてはなりません。このとき「The」がクレームの空間構造を決める重要な役割を果していると思います。 ユクスキュルも丸山圭三郎も全く知らなかったのですが、ちょっと検索してみたら大変に興味深く、読んでみたいと思いました。私はジェームス・ギブソンが好きで、趣味でギブソンの本や生態心理学に関連する本を何冊か読んでいますが、「環世界」や「こと分け理論」はギブソンのビジュアル・エゴやアフォーダンスの考え方に通じると感じました。少なくとも人間以外の動物は脳の中「だけ」でものごとを考えることは無いでしょうし、人が何かを考える場合でも大抵は実世界とのつながりを利用していると思います。脳の中心から見ると脳内のネットワーク構造と外界の構造とはシームレスにつながっていて、自分自身は全体の空間の中で立ち位置を取っていて、立ち位置を取ることと空間を認識することが同じことの表裏になっているのではないかと思いました。
補足
すみません。早とちりで変なお礼(前半)を書いてしまいました。空間的意味を持つのが定冠詞のことだと勝手に思い込んでおりました。