男性は一夫多妻制に憧れる?
ふと、思った疑問です。
一夫多妻制にすれば、女性の婚活は楽になる。女性が求める「優秀な男性」と結婚しやすくなり、少子化も解決する、とか、
一夫一妻制は不合理だ、一夫多妻が男性の本能に適合している、とか、
という話題を見かけます。
ほとんど男性からの発言で、女性からの発言ではありません。
イスラム教国では一夫多妻制は現在でもありますし、日本でも過去、蓄妾制度がありました。
(日本の蓄妾制度は一夫多妻制はたぶん違うものだと思いますが。)
一夫多妻制を好意的に発言するのが男性に多いのは、一夫多妻を男性のパラダイスだとイメージするからでしょうか?
たとえば、浮気したとか、不倫だとかの非難を受けずに、複数の女性とセックスすることが認められ、一方、女性に対しては浮気されないで独占できる、とか、のイメージ。
たしかに、日本の蓄妾制度は、妻は1人で、あとは妾で、妻は妾に対して絶大な権威をもっているけど、夫に対しては妻も妾も服従あるのみ、という、男性本位の制度でした。
しかし、イスラムの一夫多妻制は、それとは違い、妻たちは対等で、夫はすべての妻に、経済的にも、性的にも、平等公平であることが義務づけられています。
しかも女性を働かせてはならず、日本のように妾に店を持たせて稼がせる、ようなことはできません。
経済的にも肉体的にも男性には大きな負担がかかります。
妻同士が嫉妬などで争うと、夫も社会的な評価が下がります。
イスラムの一夫多妻制は、戦争で男性が死に、未亡人が増えたための未亡人救済制度として始まったようですから、現在の日本のように、男女比が拮抗している社会、女性も経済力を持っている社会では、一夫多妻制は、決して男性有利にはならないと思うのです。
一夫一妻制は少数の男性が女性と結婚して、多くの平凡な男性は、結婚できなくなる制度です。
多くの女性が結婚するので、風俗で働く女性も少なくなる。
風俗で働くくらいなら、あまり好きじゃなくてもカネのある男と結婚した方がマシ、と女性は考えるでしょうから。
結婚できない男性たちは、どこへ行けばいいのでしょう?ライオンの若オスの群れのようにさまよいながら自分たちの不遇を慰め合うしかなくなると思います。
日本も一夫多妻制にすればいいのに、と考える男性は、
「妻達に囲まれてチヤホヤされる夫」というイメージだけを描いて、なんか勘違いしているように思うのですが、違うでしょうか?
それとも一夫多妻制を言い出す男性は、女性から結婚希望が殺到して困っている優秀な男性だけが言い出すのでしょうか?