とってもたくさんあります。逆ももちろん・・
そもそも生物は、環境にあるものを利用して、あるいは排除して進化してきました。
酸素ひとつとっても、元々地球の環境は嫌気性環境でしたが、植物が強烈な酸化力をもつ酸素を作り出し始めたとき、それ以前の生物は死滅してしまうか、酸素から組織を守りながら利用する動物が発生しました。今でも酸素は、すべての生物にとって有毒です--活性酸素とか--が、動物はそれを細胞を破壊しないでエネルギーとして利用しています。諸刃の剣
たとえば、植物が生産するアルカロイドは、他の生物にとって有毒なものも多いです。
アコニチン(トリカブトに含まれる猛毒成分)
アトロピン(ベラドンナなどのナス科植物に含まれる猛毒成分。パーキンソン病、サリン、VXガス中毒の治療に使われる)
アリストロキア酸(ウマノスズクサ類に含まれる)
アレコリン(ビンロウに含まれる。興奮、刺激、食欲の抑制作用あり)
エフェドリン(麻黄に含まれる。鎮咳効果あり)
カフェイン(コーヒー豆、緑茶、紅茶、カカオに含まれる。中枢神経興奮作用あり)
カンプトテシン
キニーネ(キナの皮に含まれる。マラリアの特効薬として使われる)
クラーレ(アマゾンで矢毒としてつかわれた)
コカイン(コカから抽出。中枢神経興奮作用あり)
コルヒチン(痛風の特効薬)
シロシビン(シビレタケ属ヒカゲタケ属に含まれる成分)
スコポラミン(ナス科ハシリドコロなどに含まれる成分。交感神経抑制。主に乗り物酔い止め薬として使われる)
スワインソニン(アメリカホドイモの莢に含まれる成分。)
ストリキニーネ(マチンに含まれる成分)
セダクリプチン
ソラニン(ジャガイモの芽や皮に含まれる)
タキシン(イチイの果肉を除く部分に含まれる)
テオフィリン(利尿薬、気管支喘息治療薬)
テオブロミン(カカオに含まれる成分)
テトロドトキシン(フグなどが持つ猛毒成分)
トマチン(トマトの花、葉、茎、未熟果実に含まれる。トマトの害虫忌避成分。人体へは腹痛下痢等の症状)
ドーパミン(覚醒アミン)
ニコチン(タバコ草に含まれる。喫煙による摂取では人体への影響は弱いが依存症になる傾向大)
ビンカアルカロイド(ニチニチソウに含まれる10種以上のアルカロイドの総称。ビンクリスチン、ビンブラスチンなどには細胞分裂阻害作用があり抗がん剤として用いられる)
ベルベリン(キンポウゲ科オウレン、ミカン科キハダの成分。止瀉薬として使われる)
モルヒネ(アヘンより抽出されるオピオイド。中枢神経抑制、鎮痛効果あり)
リコリン(ヒガンバナ科の植物に含まれる毒・ヒガンバナ自身はガランタミンも含有)
サマンダリン(主にファイアサラマンダー(Salamandra salamandra)の皮脂腺に含まれる)
最近(とは言っても随分経ちますが)一躍有名になった、PCBも人体にはほとんど害がないですが、他の生物、魚類やハムスターには強烈に作用します。
ビタミンCは、先祖に草食時代をすごした人類には必須栄養素ですが、犬など肉食系の動物にはまったく必要ありません。
カフェインやテオブロミンは、人体には覚醒作用などがありますが、犬には猛毒になりかねません。
生物それぞれにとって、有益であるか無益であるか、毒性があるかは様々です。天然由来だから安心なんてことは決してありません。人体に無害だから自然界や他の生物に無害と言うこともありません。
一つ一つの物質について考えるべきです。一般論なんてありません。
お礼
いっぱいありますね ありがとうございます。