>2010年に自動車業界全体でTPP参加9カ国だけに支払った関税は1300億円です。これがまるまる利益に上>乗せになります。2010年の自動車産業の営業利益は1兆1000億円ですので、1300億円を支払わなくてよ>くなるというのは非常に大きなメリットです。
といった国民の無知につけこんだ詐欺的報道が見受けられますので、解説しておきましょう。日本を代表する自動車会社といえばいうまでもなくトヨタですから、トヨタの決算から営業利益と海外販売実績を検証してみましょう。当然ながら上場企業ですから決算情報は公開されているわけです。
トヨタ企業サイト 会社概要
http://www.toyota.co.jp/jpn/company/about_toyota/outline/index.html
営業利益 平成21年3月期(20.4~21.3)△4,610 億円
営業利益 平成22年3月期(21.4~22.3)1,475 億円
営業利益 平成23年3月期(22.4~23.3)4,682 億円
販売実績海外 5,622 千台
販売実績海外 5,074 千台
販売実績海外 5,395 千台
ここから何を読み取れるか。トヨタの営業利益は関税とまったく無関係な要因でダイナミックに変動しているということです。トヨタ1社だけで自動車業界全体が支払ったと称する関税の金額より大きな幅で毎年変動しているのです。しかも営業利益の変動は販売実績の増減とも連動していない。つまりトヨタの営業利益の増減は関税とは全然関係ないまったく別な要因で大きく動くのです。
ついでにいえば、輸入関税は自動車会社が支払っているわけでは有りません。実際のところは日本車を買ったアメリカ国民がアメリカ政府に支払っているのです。トヨタはアメリカ国民に代わって納税を代行しているだけなのです。これは貿易の基本中の基本の常識です。天下のトヨタや日本経済新聞といった一流企業がそういう経済の常識を知らないわけはありません。そういう数字を発表した経済産業省がそういう経済の常識をしらないわけはありません。消費税と同じことです。消費税は商店が支払う税金ではありません。実際は消費者が消費税を支払っている。商店は消費者が支払った消費税を代行して一括で国税に納めているだけの話です。消費税率が上がろうと下がろうと、商店が儲けたり損したりするわけではない。
関税も消費税と全く同じことなのです。トヨタが関税0%の時に自動車を1台100万円で売ろうと、関税2%の時に自動車を1台102万円で売ろうとトヨタの利益は1円も変わりません。本当のところは何かというと102万円の値札を貼るよりも100万円の値札を貼ったほうが売れる確率が幾分高まるのではなかろうかという希望的観測があるだけなのです。
以上のようにTPPに関しては企業、官僚、マスコミの三位一体詐欺が行われています。初めから関税うんぬんは国民を騙すための隠れ蓑であって、真の狙いはまったく関税とは関係ありません。
ついでにいえば、トヨタの営業利益は円高の進行にもかかわらず大きく増加していることも読み取れるでしょう。円高は輸出企業の利益を減らすといった論は、これまた真っ赤な大嘘だったのです。実はトヨタも円高の恩恵を受けていた。平成20年度の米ドル為替レートはだいたい104円前後となります。
アメリカが輸入車にかける関税はわずか2%です。そんなゴミみたいな関税よりはるかに大きな幅で為替レートは動いています。
以上論じたようにマスコミ報道は何から何まで大嘘に次ぐ大嘘ばかりなのです。そういう大嘘報道にすっかり騙されている国民も少なくありません。賢明な質問者さまにおかれては誰が本当のことをいっているのか冷静な判断をお願いします。
お礼
回答ありがとうございます。 私が、無知というのが、よくわかりました。大変勉強になりました。ありがとうございました。