No.5です。
TPP推進派も反対派も、どちらも日本の将来を考えて意見を出してるとは思うんです。
私は、TPPに参加すると市場原理主義に巻き込まれて疲弊するし、参加しなければ取り残されて衰退すると思ってます。
「前門の虎、後門の狼」です。
それでも、将来のリスクの深刻さを考えたとき、不参加を選びます。
まず農業について。
人にとって一番重要なのは、「高付加価値で美味しい食べ物」ではなく、「日常生活と日々の健康を維持するための食べ物」です。
「平常時」なら、海外の安い食糧に頼るのも、まあ良いでしょう。
しかし、「距離の近さ」が何よりの価値になることもあります。そしてその価値は「平常時」には見過ごされます。
そういう事態のときに、国内や海外の富裕層向けの「高付加価値品」ばかりあってもしょうがないでしょう。
「平凡」「ふつう」は、「価値が無い」のとは違います。
また、実際に海外からの農作物の輸入の現場を見たことがある人(保健師)から聞いた話ですが、
コンテナごと大量の消毒薬を浴びせていたと言っていました。
「やっぱり、移動の時間が長いほど、使う薬剤の量は多くなるんです」と。
それに、食費が安くなった分は、庶民の余裕にはなりません。
その分、賃金が下がる現象が起こるからです。
消費者としては好きなように振舞い、そのツケが労働者としての自分に跳ね返ってくる、そのことにいい加減気が付くべきです。
次に、第二次、三次産業について。
今、中国などがどんどん日本の技術を吸収しています。
日本の企業がリストラした技術者のうち、特に最新の技能を持っている人を短期間だけ高賃金で雇い、吸収してはポイ捨てしているそうです。
そろそろ機能的にも遜色ない物も出始めているようで、
そうなったら、日本より人件費が安く、環境対策にも費用をかけないで作ってる製品に勝てるのでしょうか?
いくらか猶予があるとしたら、サービスのノウハウ、というか精神でしょうかね。
まあこれも日本企業が海外進出して現地社員に指導してますけどね。
いずれにせよ、人間も所詮「生き物の一種」。
適切な経済範囲の規模ってあると思いますよ。
それなのに、目先の欲の前に、リスクから目を反らして突き進んでしまうんですねぇ。(日本人だけじゃなく、人間全体を指して言ってます。)