- ベストアンサー
なぜ人だけが笑うのか?
人間以外の動物が基本的に笑わないのは何故なんでしょうか。 また何故人だけが笑うようになったのでしょうか? 専門分野の方、できれば簡単にお教えいただけると幸いです。 また、アメリカをはじめとする、グローバリゼーション(ファーストフード)によって食文化の単一化が叫ばれていますが 「笑いのグローバル化」→「多様な価値観のある笑いの崩壊」というシナリオはありうるのでしょうか? 全てに答えていただけなくても結構です。
- みんなの回答 (4)
- 専門家の回答
質問者が選んだベストアンサー
こんにちは。 昔飼っていた犬は喜ぶと鼻の頭に思い切り皺を寄せました。見るからに怒っているような顔なんですが、明らかに、嬉しい分だけ、それはひっちゃかになって皺を寄せたものです。他のヒトからも、犬はそうして笑うのだと良く聞いたことがあります。 「笑い」とは「喜び」の感情が無意識に表情に表れたものですよね。喜びの感情というのは、自分にとって好ましい状態に伴って発生するものです。そして、それは精神の安定や高揚に繋がります。精神が安定すれば自律神経の働きも整い、代謝も良好になります。更に、適度な刺激は自律神経の働きを活発にして代謝機能を向上させます。このメカニズムはヒトでも他の動物でも変わりありません。 ストレスを与えればネズミも病気になりますし、ストレスを取り除けば健康になります。恐らくネズミは「チューチュー笑い」などしないとは思いますが、サルやチンパンジーなどのように顔の筋肉の配置がヒトと良く似ている場合は、同じような表情が出てもおかしくはないと思います。事実、サル山でボスザルが怒っていれば、我々人間にもその感情を十分に理解することできます。但し、怒りというのは比較的に判別しやすい感情ですし、人間の精神は他の動物に比べればかなり複雑ですよね。 では、もうちょっと人間様らしい感情の表現として、ギャグやジョークで笑うというのは、いったいどういうことなんでしょうか。 「笑い」というのは、まず感情の変化に比例すると思います。我々は、嬉しさの度合いが大きくなるほど喜びの表情が笑いに近付いてゆき、やがて声を出して笑い出します。そして、そのときの心理状態や期待値によって喜びの度合い、即ち「感情の変化量」は変わります。 好ましい事態が期待値に近かったり、それを越えてしまったときはより嬉しく感じますし、落ち込んでいるとき、自分にとっての不安が突然解消されたときなどは、感情の変化量は相対的に大きくなりますよね。また、期待値は人間の好奇心にも関係しますし、「意外性」というものは変化量を多くする要素であると思います。 期待というのは、基本的には好ましい事態というものに対する特定の欲求ですが、それとは別に、「何か珍しいこと」のように、人間は好奇心という「潜在的な期待」を持っています。好奇心は他の動物にもあるのでしょうが、人間はそれを「知的好奇心」といった、より複雑なものに拡張させていますよね。 我々は、日常の出来事を特に気に止めることはありません。ですが、ひとたび異常な事態が起きれば脳の注意力が刺激されます。それが自分にとって危険でないと分かれば安心しますし、新たな経験であれば、同時に好奇心も満たされます。そして、それが突然であったり、結果が予測に対して意外であったりすればするほど、その現象に伴う感情の変化量は大きくなります。 ギャグやジョークの前半は大概引っ張りです。この時点では結論というものが出ていませんので、好奇心は満たされません。精神は不安定になり、期待値は上がります。 ジョークの「落ち」は結論ですから、好奇心を満足させ、一気に精神の安定や高揚が得られます(但し、結論が理解できなければ笑えませんね)。そして、結果が予測に対して意外であればあるほど、その感情の変化は大きくなりますので、我々は笑うという衝動に落ち入ります。 精神の安定は身体に良い結果をもたらします。更に適度な刺激は代謝を活発にします。ですから、我々は笑いと共に、常に精神の安定や興奮を求めているのではないでしょうか。更に、人間特有の知的好奇心を満足させるためには、突然性や意外性だけでは中々難しいですし、逆にホラー映画などを見てより強い刺激を求めるヒトもたくさんいますよね。この辺りが、人間の精神の複雑さなんだと思います。 さて、笑いは喜びの感情のひとつです。そして、喜びというのは自分にとって好ましい状態に伴うものです。ですから、質問者さんが仰る通り、笑いというものには「個人の価値観」がはっきりと関係してしていますよね。みんながお腹を抱えて笑っているジョークでも、それが自分をネタにしたものであれば笑えないのは当たり前です。 このようなことから、「多様な価値観のある笑いの崩壊」というのは、個人の価値観、即ち「個性の消失」ということから起こるものだと思います。 このギャグで笑えないなんておかしいよ、というよりは、私は、テレビに毎日同じタレントが出て来て、みんなが同じ番組で笑うことの方がよほどおかしなことだと思います。
その他の回答 (3)
- sawayakana_yoru
- ベストアンサー率11% (3/27)
>「笑いのグローバル化」→「多様な価値観のある笑いの崩壊」 これは有り得るかもしれませんね。 日本でも笑いにはダウンタウン系とか体育会系のおおはしゃぎな笑いとかさんま系の笑いとかありますから。僕にとっては前者2つは笑えないんですが、圧倒的に前者2つが多い世にいると僕にとっては笑いの崩壊っというのが起こるでしょう。っと見てます;;
お礼
なるほど!
- bad-money-drives
- ベストアンサー率32% (134/408)
以前、日本笑い学会の講演で「げっ歯類が異物を吐き出す時の脳の状態と、人間が笑う時の脳の状態が似ている。人間が笑うという行為は異物を吐き出す行為から発展した可能性がある」という学説を聞きました。 その学説によると、「笑い」というのは生物に備わっている一種の調整機能だというのです。 思いっきり笑うと気分がすっきりします。これは「ストレス」という異物を「笑う」という調整機能により吐き出した、と説明できるそうです。 私はこの説に、妙な説得力を感じました。 別の学者の研究ですが、チンパンジーも顔の表情を変えることにより、脳波が変化してリラックス状態になるという報告もあります。 意外と、笑うという行為は人間以外も行っているかもしれません。我々が気づかないだけで。 参考URLに日本笑い学会のページを載せますので、興味があれば詳しく調べてください。 http://www.age.ne.jp/x/warai/ 笑いは地域独自の文化と密着しており、その文化の背景をある程度深く理解しないとユーモアとういう感覚は感じません。笑いの理解は、高度な文化的理解の産物です。 アメリカンジョークを日本人が素直に笑えないのも、その一例だと考えられます。 ですから、“「笑いのグローバル化」→「多様な価値観のある笑いの崩壊」というシナリオ”は、考えにくいですね。 1000年後の社会は予想しづらいですが、文化的なバックグランドが統一できない近未来においては、まず【ない】と言えると思います。 ただ、グローバル化によって、笑いにおいても共通の文化的背景が構築されるのは間違いないと思います。
お礼
(ただ、グローバル化によって、笑いにおいても共通の文化的背景が構築されるのは間違いないと思います。 ) 僕もそう思います。いじめや犯罪につながるような悪質な笑いが横行して子供たちがそれを笑いだと感じてしまったら・・・それは恐ろしく、そうならないないようにマスメディアや 大人は気を付けるべきですね。 参考URLまで教えていただき感謝しております。
- fuelempty
- ベストアンサー率13% (100/761)
「馬」って笑うらしいですよ。 厩務員の方が言っていました。
補足
ビジュアル的には笑ってるようにも見えますが内面的にも笑っているのかは謎ですね。
お礼
たいへん詳しく教えてもらい尊敬すら覚えます。 ruehasさんの過去の回答内容にも興味を覚えました。もしかして作家さんか何かかな? 物事を知れば知るほど自分が無知だということがわかりました。このテーマについては研究を長期にわたって続行していきたいと思います。 また機会があれば知識をご享受願いたいです。