私は打ち水って嫌いなんですよ。子供のころから何度もやってみたのですが、蒸し暑くなっただけ、というふうにしか感じられないもので。
私はなにが悪いと言って、物理の成績が一番悪かったので、この手のことを考えるのは嫌いなんですが、上記のように「打ち水をすると涼しくなる」という定説に反感を持っているもので
(^_^;\(^O^ )ペチッ!
ついうっかり考えてみましたが、密室全体は100%断熱(外断熱)してあるんですよね?
とすれば話は簡単で、密室内の熱量は一定(出入りナシ)ですので、室温は変わらず、涼しくならないはずです(厳密にはすごく高性能なセンサーなら感知できる程度には下がる)。
人間に判るほど暑くもなりませんが、かえって、中にいる人間は「蒸し暑い。息苦しい。逃げ出したい」と思うようになるでしょう。
まず、水を撒くと、密室内の床や壁から気化熱を奪いますよ。100度のお湯だと、1gあたり540カロリーでしたっけ。
で、ここで忘れてはならないのは、そこが断熱された密室であることと、それゆえに、室内に抱え込める水蒸気量には「飽和水蒸気量」という限度があるということですね。無限に蒸発させられるわけじゃない。
気温によって、空気1立米あたりに含むことのできる水蒸気の量は若干増減しますが、まあ、無視してよいでしょう。
打ち水をした時、室内の空気の中の水蒸気が飽和水蒸気量に達していなければ、飽和水蒸気量に達するまで水は気化し、床などから熱を奪います。蒸発できた分、わずかに室温は下がるでしょう。
しかし、飽和水蒸気量が空気1立米あたり水何グラムだったか、覚えていませんが、微々たるもののはずです。とすれば、すぐ飽和水蒸気量に達してしまい蒸発しなくなります。
正確には、水が液体と気体の間を循環し、その度に同量の熱量を奪ったり与えたりしている状態になる、と言っていいかもしれませんね。水が水蒸気になるとき、周囲から気化熱を奪いますが、水蒸気が水滴になると、こんどは気化熱と同じだけの熱量を周囲に与えます。
つまり、いったん室内の空気が飽和水蒸気量の水蒸気を抱え込んだ時点で、室温は一定するはずです。
となると、床などから奪える熱は最初の、飽和水蒸気量に達するまでのわずかな気化分に相当する気化熱ですから、微々たるものでしょう。室温の下落も微々たるものです。
他方、湿度は限界です。室内の水蒸気は飽和しているので、液化しようとして待っているようなもの。人の皮膚に着いて液化するとき、気化熱と同量の熱を皮膚に与えます。あるいは吸い込まれた肺の中で液化し、肺に熱を与えるような事態もありえるでしょう。
室内にいる人間には耐えられないでしょうねぇ。水1グラムあたり540カロリーの熱を受けとってしまうわけですからねぇ。
微々たる室温の下落よりも、そっちの被害が甚大ですので、密室では水を撒かないほうがいいと思います。
補足
室温が下がるとは、部屋が持っているカロリーの総量が 減るって事ですか? 気化で奪われた熱は結局どこに行くんですか? エネルギー保存の法則から、 気化熱はどこかにあるはずなんですが その辺の確認をしたかったのです。