#1です。
補足に書いていただいた式のうち、上の2つが残るとしていいでしょう。
(1)(NCS)^-
N=C=S N:-1、C:0、S,0
N≡C-S N:0、C:0、S:-1
この2つはルイス構造の範囲では優劣を付けることができません。
原子の配置は同じで電子配置だけが異なっています。
形式電荷の値は1つの原子だけが-1です。
こういう関係の構造は「共鳴構造」であるとして説明されていると思います。
共鳴構造があると安定化するというのも判断の中に含まれているようです。
原子の配置の異なるものが共鳴構造になることは考えなくてもいいでしょう。
(2)(CNS)^-
では形式電荷が-2という大きな値になっています。
これが元々のご質問にあった「形式電荷の絶対値の大きいものは除外できる」という判断の対象になる構造です。
(3)(SNC)^- の場合、
S-N≡C S:-1,N+1、C:-1
これはちょっと判断が難しいです。
・一番陽性な元素であるCが-1になっていること
・この原子配置での共鳴構造がないこと
・形式電荷の分布が(1)に比べて複雑であること
から(1)とは同等ではないだろうと判断できそうです。
(これはもっと詳しい判断ができる人がおられるといいのですが)
参考:シュライバーの無機化学では
BF3の構造について
(イ)オクテットを満たさない一重結合だけの構造
(ロ)オクテットを満たすように3つのBとFの間の結合の1つを二重結合にした構造
の比較が載っています。
(ロ)はオクテットを満たしているが形式電荷が現れます。B:-1、F:+1
これは電気陰性度の大きいFが正の形式電荷を持ってしまうということで構造の第一近似としては(イ)の方がいいだろうという説明をしています。
電気陰性度も一つの判断材料になっているようです。
一酸化炭素の場合、ルイス構造ではC≡OでC:-1、O:+1になります。
これもC=OとC≡Oが共鳴構造になっているとすると実際に近くなるようです。
#2に書かれている形式電荷はルイス構造を考えている時のものではありません。
酸化数を考える時の形式電荷です。
「形式電荷」という言葉には2通りの意味があるのです。
違いは
ルイス構造の場合 共有電子対の電子を両方の原子に対等に所属させる
酸化数の場合 共有電子対の電子を丸々電気陰性度の大きい方の原子だけに所属させてしまう
補足
NCS^-については (NCS)^- N:5-4-4/2=-1 C:4-0-8/2=0 S:6-4-4/2=0 (NCS)^- N:5-2-6/2=-1 C:4-0-8/2=0 S:6-6-2/2=-1 (CSN)^- N:5-4-4/2=-1 C:4-4-4/2=-2 S:6-0-8/2=2 (SNC)^- N:5-0-8/2=1 C:4-4-4/2=-2 S:6-4-4/2=0 (SNC)^- N:5-0-8/2=1 C:4-2-6/2=-1 S:6-6-2/2=-1 これらのルイス構造が成り立ちますがここから安定な構造を探す場合どのようにするのでしょうか詳しくよろしくお願いします