• ベストアンサー

様式写景、洗いおとす、剥ぎおとす、じっと

 日本語を勉強中の中国人です。下記の文に理解できないところがあります。教えていただけないでしょうか。 「見立ての象徴性が高められたもうひとつの領域がある。能の世界だ。歌舞伎の絵巻物流の様式写景はすっかり洗いおとされている。橋懸かりから方三間の舞台でくりひろげられる演技は、身振りを最小に剥ぎおとした動きのなかに、非情も有情も怨嗟も悔恨も、じっとたたえられたままで昇華する。」 1.「様式写景」の読み方と意味。 2.「洗いおとす」の意味 3.「剥ぎおとす」の読み方と意味 4.「じっとたたえられたままで」の意味  また、質問文に不自然なところがあれば、それも教えていただければ幸いです。よろしくお願い致します。

質問者が選んだベストアンサー

  • ベストアンサー
  • hakobulu
  • ベストアンサー率46% (1655/3578)
回答No.1

1.「様式写景」の読み方と意味。 : 「ようしきしゃけい」と読むと思います。 この「様式」は、「特徴的な表現形式」といった意味です。 「写景」は初めて聞く言葉ですが、 「風景・情景を写しとること」とお考えになってよいと思います。 「特徴的な表現形式による情景描写」 といった意味になりそうです。 「様式描写」と表現しても良いでしょう。 2.「洗いおとす」の意味 : この段は、能の場合、歌舞伎のような派手な表現はしない、ということを言っています。 歌舞伎のような派手な動きは、洗濯物の汚れを洗い落としたかのように「跡形も見えない」といった意味です。 端的に「無くなっている」とお考えになっても良いでしょう。 3.「剥ぎおとす」の読み方と意味 : 「はぎおとす」で、「洗い落とす」と似ていますが、もっと強い表現です。 「表面の部分をむきとる」という意味です。 何度もこの動作をすることにより、余分なものを徹底的にむきとって、本当に大事な部分だけを残す、というイメージ。 4.「じっとたたえられたままで」の意味 : 「たたえる」は液体などを容器いっぱいに満たすことです。 http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?enc=UTF-8&p=%E3%81%9F%E3%81%9F%E3%81%88%E3%82%8B&dtype=0&dname=0na&stype=1&index=11460200&pagenum=1 ここの「じっと」は、 http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?p=%E3%81%98%E3%81%A3%E3%81%A8&stype=1&dtype=0 の 1 動かないで、そのままの状態を保つさま。「家で―している」 と、 3 心を抑えてがまんするさま。「非難に―耐える」 の両方の意味を含んでいます。 「身振りを最小に剥ぎおとした動き=容器」の中に、 「非情・有情・怨嗟・悔恨=液体」が今にも溢れんばかりにいっぱいに、しかし、(感情を表に出さす)静かに動かずに満たされたままで。 という意味になります。 ご質問文に不自然な箇所はありません。     

awayuki_cn
質問者

お礼

 早速のご回答ありがとうございます。よくわかりました。大変参考になりました。本当にありがとうございました。

その他の回答 (1)

noname#137863
noname#137863
回答No.2

「見立て」という和語も、あまり使われなくなってきましたので、お節介ですが少し説明します。 見立てとは、ある物の様子から、それとは別のものの様子を見て取ること。その別の物で対象物を表現すること。 庭園師は「庭園に富士の見立ての山を築く」ことをすることがあります。小さな山を作って富士山を表現するわけです。 しかし富士山そっくりの縮尺ミニチュア版を作ったら、庭師失格です。簡略化されたもので富士山をよく表現しなければなりません。 上手な庭師は「富士山より本物らしい芸術品」を作ります。 庭は樹木、花木、草花、石があるものですが、竜安寺の石庭は、何もかもそぎ落とした様式美の極致と言えましょう。 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:RyoanJi-Dry_garden.jpg ◎私は欧米や中国の大庭をが「歌舞伎」とすれば、竜安寺の石庭は「能」だと思います。 >見立ての象徴性が高められたもうひとつの領域がある。能の世界だ。 ・・・・この文についてはお分かりになったと思います。 >1.「様式写景」の読み方と意味  読みは「ようしきしゃけい」 映画などでは、見立ては現実のものとほとんど同じです(写真ですがね)。 劇になってくると、場面、背景、台詞などか様式化してきます。 歌舞伎になると伝統的なものですから、様式化はさらに進みます。 歌舞伎の場面を見ていると確かに絵巻物そっくりですね。カラフルで、音楽も入り、絵巻物のように物語が進んでいきます。 これが、歌舞伎の様式写景です。 >2.「洗いおとす」の意味 絵巻物のようなカラフルなところは「きれいに洗い落とされて」ということです。 例;「地面を掘ったら壺が出てきた。泥を洗い落とすと、何と大明萬歴の名品だった。 >3.「剥ぎおとす」の読み方と意味 読みは「はぎおとす」 >身振りを最小に剥ぎおとし ・・・余分な身振りを取ってしまって・・・という意味です。 「剥ぐ」というのは、表面のものを剥く(むく)ことです。 「追剥」とは昔の山道に出てくる強盗のことで、身ぐるみはがれて下着一枚にされてしまいます。 「洗い落とすより」もキツく、「そぎ落とす」もやさしい。 *私はこの文の「剥ぎおとす」は「削ぎおとす」の方が良いと思っています。「はぎおとす」という言葉をあまり耳にしません。・・・一度先生に質問してみてください。 >4.「じっとたたえられたままで」の意味 「じっと」:動かないでいるようす。擬態語。 「たたえる」; 液体などをいっぱいに満たす。「池に水を―・える」「目に涙を―・える」 感情を顔に表す。「満面に笑みを―・える」「愁いを―・える」 身振りを最小に簡略化した動きのなかに、非情も有情も怨嗟も悔恨も、じっといっぱいに保持したまま昇華する・・・ということでしょう。 観客は、その動きの少ない所作や表情から、非情も有情も怨嗟も悔恨も読みとるわけです。 観客も、映画⇒歌舞伎⇒能・・・となるに従って、理解しにくくなります。しかし、何回も見ているとだんだんわかってきますので面白くなって止められなくなるそうです。 質問文はOKです。

awayuki_cn
質問者

お礼

 ご丁寧に教えていただきありがとうございます。よくわかりました。大変参考になりました。本当にありがとうございました。