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「せぶり・セブリ」がなぜ無い?
「せぶり」とは山の中に木々を組み立てて作った簡単な小屋を言うようです。 というのはいくつかの書物を読んで類推しイメージできたものです。 ところが「せぶり」(書物によっては「セブリ」と書いてある場合もある)を辞典で探すと無いのです。 どうしてなのでしょうか? ちなみにこのことばはそれほど特殊なことばではないようで、八切止夫著ではその著書名に「せぶり物語―わがサンカ生活体験記」(日本シェル出版)として使われているほか、「戦中比島嘱託日誌」(萱原宏一著・青蛙房)などの多くの著書に使われていることばです。(「サンカ」は「山窩」と書くのだと思われます)
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「せぶる (臥(ふ)せるの「ふ」「せ」を逆にして連濁にしたもの) もと、人形浄瑠璃社会の隠語。寝る、横になる。」(小学館「国語大辞典」) 「せびる (「せぶる」の変化したした形) 金品をもらおうとねだる。」(東京堂出版「日本俗語大辞典」) ところが、「江戸語の辞典」(講談社学術文庫)では、「操(あやつ)り・浄るり社会隠語」と、「強要する」意味の、二つの「せぶる」を立項して分別しています。 「サンカの中にて野外に小屋を作り魚を捕りササラ、箒、籠、草履などを作りて売り、または人の門に立ちて物を乞う者はセブリという一種なり。セブリは数において最も多けれどもこの他になおジリョウジ、ブリウチ及びアガリという三種あり。」(柳田國男「「イタカ」及び「サンカ」」ちくま文庫) 今日においてはある種の職業呼称や身分用語など、社会的差別表現としての自主規制は広範に及んでおり、TV映像情報のようなリアルタイムの放送用語のフィルターが一般化したため、もはや書籍や辞書からも、いわば「消えた日本語」と化してしまった言葉は実に多くあることに驚かされます。
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「日本国語大辞典」にはありました。 せぶり[名](1)睡眠をいう。盗人・てきや仲間の隠語。(2)住居をいう。山窩(さんか)仲間の隠語。 ところが一巻本の「国語大辞典」には載っていませんでした。
お礼
回答有り難うございます。 う~~ん、隠語ですか。 フィリピン戦線から復員した将兵が多くの戦記を著しているのです。 著者はもと教員・医者・営業マンなど多岐に渡ります。 とても隠語だとは思えません。 ただし誤解なく、あなたの回答に難癖をつけているのでは決してありません。 ところで広辞苑を見ていたら次のことが載っていました。 ▲せぶる (隠語。「臥せる」の倒語か)眠る。寝る。休む。 「せぶる」ところだから名刺表現として「せぶり」としたのかもしれませんね。 私はこれまで「せぶり」ということばには記憶がなかったのですが、上述した戦記を数多く読んでいく間に結構「せぶり」が出てくるので、普遍なことばだと思ったのです。 それで、どういう漢字を当てているのか調べようとして無かったため質問を起こしました。
- born1960
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瀬降り・・・これももちろん当て字なのでしょう。 萩原健一主演で1985年に公開された「瀬降り物語」で一般的に知られる言葉となりました。 もちろんこの映画を知らない人には聞いたこともない言葉でしたでしょうが、それでも大手の映画会社(東映)が公開した映画ですので、それなりに浸透した言葉になったと思います。 私は公開時に観に行きました。この映画で描かれたことがサンカの生活だとは思いませんが。 DVDも発売されているので是非御覧ください。 さて・・・「せぶり」という言葉が辞書に無いって言うことは、日本語じゃないからなのでしょう。 言わばサンカの間でだけ通用する言葉なのでしょうね。 また、「乞食」はいないとする今の日本において、ほんとうの意味での「サンカ」はいないとするのが国の立場なのかとも思います。
お礼
回答ありがとうございます。 しかし・・・・・、 >「乞食」はいないとする今の日本において、ほんとうの意味での「サンカ」はいないとするのが国の立場なのかとも思います。 サンカは乞食と同類ではないし、また言葉が政治に影響を受けるという考えには与できないですね。 いえ、これは影響を受けるべきではないという私の考えであって、実際には受けざるを得ない環境にはあるのですが・・・・・。
お礼
「せぶり」が差別用語とは驚きです。 そして勝手に辞典の中から消してしまえば、後々の人には調べたくても調べる方法さえなくなってしまいます。嘆かわしいことです。 まあ、一般の用語ではない隠語で最近の実態上では散見されることが無くなったとは言えますが・・・・・。