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再認定申請時の認定確認作業とは?
- 8年前に左右それぞれ人工股関節置換手術を受け、現在は障害厚生年金の3級の認定を受けています。正社員として就労している際に再認定申請を考えているが、どのような認定確認作業が行われるのか知りたい。
- 再認定申請時には、担当医の診断書だけでなく、就労先の会社などにも状況の確認や聞き取りが行われることがあります。
- 最初の認定申請時にはこのような作業はなかったように思いますが、再認定の場合はどのような手続きがあるのか教えていただけませんか?
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厚生労働省年金局事業管理課長から平成22年4月26日付けで発出された「両下肢の3大関節のうち1関節にそれぞれ人工骨頭又は人工関節のそう入置換を行った場合の障害認定について」(年管管発0426第1号通知)に関するご質問ですね。 当該通達 全文(PDF) http://wwwhourei.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/T110201T0060.pdf 一方、国民年金・厚生年金保険障害認定基準はご存じでしょうか? 障害年金における障害認定は、この基準に基づいて行なわれます。 国民年金・厚生年金保険障害認定基準 全文(PDF) http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000010opz-att/2r98520000010v5d.pdf 一下肢とは「右下肢なら右下肢だけ・左下肢なら左下肢だけ」を指します。 また、一下肢の3大関節とは「股関節」「膝関節」「足関節」をいいます。 その上で、人工骨頭又は人工関節のそう入置換を行った場合の障害認定については、国民年金・厚生年金保険障害認定基準において、次のように定められています。 1 一下肢の3大関節のうち1関節又は2関節に、人工骨頭又は人工関節をそう入置換 ⇒ 3級~2級 (要は、右下肢なら右下肢だけ・左下肢なら左下肢だけ) 2 両下肢の3大関節のうち1関節にそれぞれ、人工骨頭又は人工関節をそう入置換 ⇒ 原則3級 (右も左も同じ関節であること[股関節なら股関節だけ] ⇒ 要は、同じ関節で右+左で計2箇所) 1も2も、初診から1年6か月以内にそう入置換が行なわれたのならば、1年6か月経過(本来の障害認定日までに要する日数)を待たずに、そう入置換があった当日が障害認定日になります。 また、1については、一下肢全廃以上の障害状態を併せ持つとき(= 一下肢の2関節以上の全廃であって、患側関節の最大他動可動域かつ筋力が健側の半分以下)には、2級とできます。 あなたの場合は、股関節が上記2の状態です。 通常は3級が原則で、2級と認められる例はほとんどありませんでした。 さて。 ここで非常に紛らわしいのですが、通達は、上記2の基準に加えて、「右下肢と左下肢とで障害が生じている関節(注:3大関節であること)が違うが、場所が違っても右+左で計2箇所」となるときには2級とすることがあり得ますよ、という解釈を付け足しました。 つまり、上記2の状態の見直しがなされたわけです。 いままでは「2箇所」とカウントするためには、上記1の状態(同一の下肢[右なら右・左なら左])であることが条件でした。 つまり、右なら右だけ・左なら左だけで2箇所の関節が侵されてなければなりませんでした。 今後は、既に述べたように、あなたのような上記2の状態であっても、2級になり得ます。 以上のことを前提にして 3級 ⇒ 2級 への見直しを申請するならば、「障害給付額改定請求」を行ないます。 これは、何もこの通達だけによるものではなく、障害年金の等級をより上位に認定し直してもらいたいときに共通する手続きです。 障害給付額改定請求の説明 http://www.nenkin.go.jp/receive/shogai/shogai07.html このとき、「請求を窓口に提出する日から逆算して1か月以内の実際の受診日」のときの病状(直近現症といいます)を示した診断書を医師に書いてもらいます。 新規裁定のときと異なり、病歴・就労状況等申立書は書きません。提出も要しません。 また、勤務先などへの照会といったような細かい作業も行なわれません。 以下のような額改定請求書と診断書を提出する、というのが基本だからです。上述した通達が出たからといって、ことさら特別なことが行なわれるわけではありません(認定の判断基準を拡げた、というだけの話です)。 障害給付額改定請求書の見本(PDF) http://www.nenkin.go.jp/receive/pdf/shogai210.pdf あなたの場合に用いられる診断書様式(様式第120号の3) http://www.syougai-nenkin.or.jp/image/yoshiki3.pdf ということで、結局は、通達の内容(特に「認定方法」の内容)を十分に踏まえた上で、医師から、その「認定方法」に沿った記述を強調した診断書を作成してもらう、ということがポイントになります。 つまり、上記通達の発番などを記した上で、右股関節+左股関節で2関節(一下肢の3大関節のうち1関節以上の人工化で、かつ、それぞれの下肢に実行)ということに触れてもらい、「認定方法」を踏まえて、「人工化してもなお日常生活動作が著しく制限されている」「学会基準(既に述べた障害認定基準の中で詳細が添付されています)に則して明らかに障害が悪化している」「周辺環境などによってその状態が変化したりはしない」ということを、具体的な例(いままでの経過も)を交えて記してもらうのです。 あなたとしては申立書を書けませんから、どれだけ医師がしっかりと診断書を書いてくれるかに左右されます。医師との共同作業の部分がポイントです。 この額改定請求(診断書)は、日本年金機構が審査します。 その上で、障害認定基準と上述の通知にしたがって認定します。 繰り返しますが、上で細かく述べたとおり、基本的に医証(医学的根拠のあるデータ)に基づいて認定するので、診断書がすべてです。 実地調査など(勤務先への聴き取りなど)はありません。また、そのような手間ヒマをかけられるような予算も人手もありません。 ですから、以上のことを踏まえて、しっかり準備なさっていただくしかないと思います。
お礼
kurikuri_maroon様 とても詳しく、丁寧なご回答を本当にありがとうございます。 厚労省の難解な表現を理解できず、自分が該当しているのかとの疑問もあり申請に不安を持ち躊躇していました。 お蔭様でお医者様に相談の上、とりあえず申請させて頂こうと思っています。 尻込みしていた私の背中を押して頂いたご回答に心より感謝しております。 ありがとうございました。 これからもどうぞ宜しくお願いいたします。 hmt0