労働需要の時期的変動に対応するためです。
例えばある新製品が良く売れるようになった場合、企業はその製品をたくさん作りたいのです。そのためには多くの労働力が必要です。しかし、いつまでその製品が売れ続けるのかわかりません。ですから一定期間だけの労働力が欲しいのです。
方法は2つあります。
1つ目はパートやアルバイトなどです。ただし、その製品は今売れているので今たくさん作りたいのです。ですから今使える労働力が欲しいのです。雇ってから1から教えていると、使えるようになったころにはその製品がもう売れなくなって製造をやめることになり、労働力が必要なくなるかもしれません。ですから、今すぐ使える実戦力となる労働力が欲しいのです。ですから技術のある人間だけを雇います。技術のない人間は雇いません。
では技術のない人間はどうやって技術を身に付けたらよいのでしょう?
そんなことは知ったことじゃありません。技術のある人間を雇えばいいのですから。
では2つ目の方法は何でしょう?それが派遣です。技術のある人間のパートを募集したとしても、必要な技術のある人間がどれだけいるかわかりません。もしかすると通勤可能の圏内にはいないかもしれません。あるいはいても募集しているという情報がその人に届かないかもしれません。必要な技術そのものは持っていないけれどもそれに近い技術を持っていて、簡単な数時間程度のトレーニングでその技術を身に付けられるのだけれど、そうであることを知らないので応募しない人がいるかもしれません。
もし労働者の技術を調べて、その技術がどういう業種に応用可能か、どういう職種どういう生産に応用可能なのかがわかる労働技術の専門家がいて、登録してある労働者の技術をもとに労働力を欲しがっている企業に労働者を派遣すると、雇う企業側は募集して応募者を選別してさらに必要なトレーニングをして、という部分を省くことができるのでコスト削減になります。労働者の側は派遣会社から技術トレーニングを受けるというだけでなく、求人企業が欲しい技術を派遣会社が先読みし、将来ウリとなる技術の提案を受けてトレーニングをするということができます。
現代社会はニーズが目まぐるしく変化します。これに対応するためには企業は常に製品の改良をし製品を変化させ続けなければなりません。そのために労働者に要求される技術も常に変化します。このため労働需要が目まぐるしく変化します。今後は短期的な労働需要がさらに増えてゆくと考えられます。アルバイトとして雇って1から教えるということをしている時間的余裕がますますなくなってゆくことでしょう。
派遣がなくなると企業は必要な技術をすでに持っている人間だけを短期間だけ雇うようになるでしょう。その結果、技術を持たない求職者は切り捨てられてゆくことになります。
質問者さんは求職のウリとなるような技術を何かお持ちですか?その技術はいつまでウリとして通用すると思いますか?その技術が必要とされなくなったら、その次に必要となるのはどんな技術であるかわかりますか?それをどうやって身に付けますか?
それを質問者さん個人の責任で必要な技術を調べ、お金を払ってトレーニングを受けて技術を身に付け、ところがいざふたを開けてみたら要求される技術は自分が身に付けたものとは違っていたために職にあぶれ・・・、ということを質問者さん自身の責任で何の保証もなく行って何の問題もないようであるなら、派遣という制度は廃止されるでしょう。
お礼
逆だと思うんですが? もしも、バイトだったら何もできなくても1から教えます。そこで経験をつみ、スキルをつければその中で正社員になれます。派遣だとその道はありません。