こんにちは。
これは心理学ですね。
それがどのようにして発生するのかを調べるのは脳科学ですが、「プライドとは何か」というのは、これは心理学の研究対象になります。
プライドといいますのは脳内で行われる「結果評価の基準」として働くものです。これを行っているのは「大脳辺縁系」というところであり、ここでは身体内外のありとあらゆる変化に対して利益・不利益の状況判断を下しています。そして、これによって辺縁系に発生する「情動反応」が、我々の感情の源となります。
辺縁系といいますのは与えられた状況に対して価値判断を行っているだけですから、ここでは何れがプライドなのかの区分は全くありません。では、この「プライドの心理学的特徴」とは、それはここでの結果評価が、常に「個人的価値観に基づく自分の予測」を基準として行われているということです。従いまして、プライドが傷付くというのは、果たして自分の予測に対して結果が下回ったということです。
結果が自分の予測通りであれば悪くともプライドは傷付きません。ですが、不本意に下回ったり、あるいは自分の実力を過大に見誤るならばそのリスクも高くなります。株価が下がるのは不可抗力ですから予想外でも仕方がありません。ですが、絶対に上がると信じていたならば、それに対しては傷付くかも知れません。
我々がプライドと呼んでいるのは、辺縁系で行われる価値判断の基準であり、これはまだ感情ではありません。ですが、これによって不利益の判定が下された場合、脳内では精神の適応を図るため、怒りや落胆といった感情が発生します。では逆に、予想通りの結果ならば満足、更に大きく上回ればそれは喜びや驚きなどに発展します。そして、前者のような「負の感情」は与えられた状況に精神を適応させるために発生するものです。このため、回避できない場合、それは負の感情として継続することになります。
このように、プライドといいますのは結果予測を基に行われる価値判断であり、その閾値がプライドの高さとなります。そして、それは個人的な価値観によるものであるため、何にプライドを持つかもひとそれぞれに異なります。
では因みに、例えば「あいつの方が先に課長に執り立てられてしまった」というのは、これは「社会的価値観に基づく個人的欲求の阻止」ということになります。女性といいますのは社会では歴史的に弱者であるため、そのぶん結果の予測が冷静です。もちろん、何にプライドを持つかは男女、個人で異なりますが、このような余計なプライドに振り回されるのはたぶん男性の方が多いと思います。