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EU非加盟の理由を教えてください

ノルウェーやアイスランド、リヒテンシュタインなどはEUに加盟していないようですが、それはなぜなのでしょうか。ご存じの方、よろしければ教えてください。

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回答No.1

EU 加盟国は EU として連合した方が経済、国防、政治的に有利であることから EU に加盟しています。 一方、スイスやノルウェー、アイスランド、リヒテンシュタインなどはそうしたメリット (有利な点) を要しないと判断しているので EU に加盟していません。 シンプルに考えれば、スイスは永世中立国ですので EU 加盟国の国防問題に参画することは永世中立国であることを放棄することになります。 ノルウェーも国防問題に関しては可能な限り自国の武器を用いることによって (永世中立を宣言しているわけではありませんが) EU 等の他国から軍事的独立を図っています。 オーストリアは 1955 年に永世中立を宣言しましたが 1995 年の EU 参加によって EU の一員として参戦する義務が生じてしまったことからも、その宣言は形骸化しています。 アイスランドは EU 加盟国を守るために参戦する位置に存在するわけでもありませんし、国民平均所得 (GDP/PPP) が 4 万ドルを超える豊かな国ですので EU に参加して経済的恩恵を受けるべき必要も殆どありません。 リヒテンシュタイン公国は大公の国外財産がリヒテンシュタイン公国自体を上回るほどあって政府の資産を一銭も使用せずに済んでいるので大公の権限を政府が取り上げる大義名分がないことや国防及び経済的にはスイスと密接な関係を持っていてスイスと共に永世中立宣言をしていることからも EU に参画する必要はありません。 初めは経済的に独立できる豊かな国々が (もともと豊かな国々ですので更に豊かになるために無理をする必要はなく) 通貨問題などを便利なようにしたり国防問題を安価に済ませるためといった理由で EU を画策したのですが、国防問題に絡めて参画すれば経済的に窮地に立った国勢も豊かな国々からの援助によって立て直せることから経済的に問題のある国々もどんどん参画するようになってしまっていますので、ノルウェーやアイスランドのように豊かな国々が新たに参画しても「自国にとっては経済的メリットよりもデメリットの方が大きい(汗)」のかも知れませんね。

hamteru
質問者

お礼

早い回答をありがとうございます。詳しくてとてもよくわかりました。 ありがとうございます。

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  • DieMeute
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回答No.3

ノルウェーの場合・・・ 1994年にEU加盟の是非を問う国民投票が行われ反対多数で不参加となりました。 反対が多数だったのはEU加盟で逆に生活水準が下がるのではないかという懸念が国民にあったからです。 ノルウェーは石油や天然ガス、漁業資源に恵まれています。特に原油と天然ガスによる輸出で経済は安定しており、福祉も高レベルです。 国民一人あたりの国民総所得は約8万7千ドルで、これはEUでも経済大国のドイツ、フランスの約4万2千ドルの倍以上という数字になっています。失業率もドイツが8%、フランスが9.5%に対し3.3%と半分以下です。 EUに参加した場合、そのEUの経済政策に従い、負担、制限が増える事で、せっかくの高水準の生活が、他のEU諸国並みの生活に低下するのではないかと恐れたのです。 重要な産業である漁業権が侵害される懸念もありました。 こうした事からノルウェー国民はEU加盟反対派が多く、EUに加盟していません。 アイスランドの場合・・・ アイスランドは魚業が最大の産業である国で経済の大きな部分を占めています。 そして、ノルウェー同様、国民一人あたりの国民総所得も高い国でした。2005年頃などは、EUの経済大国であるドイツ、フランスに比べ、国民一人あたりの国民総所得が1万ドルは上でした。当然、生活水準も高く、福祉も高いレベルにありました。 もしEUに参加した場合、EUの共通魚業政策(加盟国に対して魚の種類ごとに捕獲量を制限する等)に従わなければならなくなり、アイスランドの魚業に大きな影響が出る事が懸念されました。下手をすれば魚業による収入が減ったり、立ち行かなくなったりして生活水準が下がる恐れが出てきます。 そのためEU参加には積極的ではありませんでした。 アイスランド政府はEUの共通魚業政策が変更されない限り、EUには加盟しない方針だったのです。 しかし・・・ 世界金融危機によりアイスランドでも金融危機となり、通貨(アイスランド・クローナ)は暴落し、アイスランド三大銀行も倒産し国有化されます。国民一人当たりの国民総所得も下がり約4万ドルとなって、ドイツ、フランスより下になりました。 ここにきて、この経済危機を乗り切るためにアイスランド政府も方針を転換しEU加盟を決断します。 2009年にEU加盟を申請し、2010年から加盟交渉が開始されました。 リヒテンシュタインの場合・・・ リヒテンシュタインはタックスヘイブン(租税回避地)を国策としています。それにより経済を潤しています。 しかしEUではタックスヘイブンを規制しており、EU内のタックスヘイブンに対しては縮減と撤廃を求める金融政策を行っています。そのため経済金融方針が真っ向から対立します。 そのためリヒテンシュタインがEUに加盟するメリットはなく、逆にデメリットになります。 また国民一人あたりの国民総所得も9万8千ドルと非常に高く、そういう面でもEUに加盟しなくても困りません。加盟すれば逆に低下を招く可能性が高いです。 ですからリヒテンシュタインはEUに加盟していません。 ちなみに、リヒテンシュタイン同様の小国であるアンドラやモナコも、リヒテンシュタインと同じタックスヘイブンであるため、やはりEUに加盟していません。 なお、ノルウェー、アイスランド両国ともにEUに加盟しない事について国防方針は関係ありません。 ノルウェーもアイスランドも1949年からNATO(北大西洋条約機構)というアメリカを中心とする西欧の多数の国が参加している軍事同盟に参加しており、それにより安全保障を確保しています。 ちなみにアイスランドの場合、1951年からアメリカ軍が駐留していましたが2006年に撤退しました。この時はアメリカ軍の駐留経費を全額負担するので撤退を取りやめてほしいとアイスランド政府が申し出ていますが、アメリカ軍は撤退しています。有事の場合にはアメリカ軍が駆けつける事になっています。

回答No.2

ノルウェーとアイスランドは、西欧では珍しい漁業国です。 捕鯨問題に象徴されるように、EUの方針は漁業規制に積極的なので、この両国はそれを嫌っているのが非加盟の一因だと聞いたことがあります。 また、グリーンランドはデンマークの自治領ですが、元々本国と共にEU加盟国(地域)とされていたのが、自治権を獲得した際にEUを脱退しています。 これも漁業問題のせいだと言われています。