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独占企業への課税と価格の上昇幅について
- 独占企業に税金を課すことで、タバコの価格は税額よりも大きく上昇する可能性がある
- 独占企業への課税は、限界費用が税額分だけ増加すると仮定される
- 需要関数が線形の場合、タバコの価格上昇幅は税額よりも大きくなる可能性がある
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すみません、スティグリッツの教科書は持っていませんので、グラフがどうなっているかはわかりません。 たとえば、議論を一般化するため直線の需要曲線をp=a-bQと定義します。この場合、縦軸に価格をとると、需要曲線の傾きは(-b)です。限界収入はMR=a-2bQで傾きは(-2b)になります。これから限界収入の傾きは需要曲線の傾きのちょうど2倍になっているのがわかると思います。これらの傾きは限界費用曲線の形には依存しません。ただ、問題の結論が直線の需要曲線と一定な限界費用曲線に依存するだけです。
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補足質問の答えを書き忘れました。 傾きが2倍になるのは需要曲線が直線であるからです。補足ですが、需要曲線が直線の場合は需要の価格弾力性が一定ではないですよね。直線でない場合は必ずしもそうではありません。詳しくはバリアンなど他の教科書を参考にしてください。たとえば、需要の価格弾力性が一定の場合(需要曲線は直線ではない)は逆に、価格の上昇幅の方が税金のそれよりも大きくなります。
お礼
スティグリッツだけではなく、バリアンの「入門ミクロ経済学 」も 手に入れて計算式もみるようにします。 三度ご指導くださってありがとうございました。
まずは直感的に説明します。独占では限界収入の傾きは需要曲線のそれよりも大きいです。そして、需要曲線が直線の場合は限界収入の傾きは需要曲線の傾きのちょうど2倍になります(計算してみてください)。これはグラフを書いてみるとわかりますが、このため価格の上昇幅は税金のちょうど半分になります。税金の変化は傾きが急な限界収入に依存して決まりますが、価格の変化は傾きがなだらかな需要曲線で決まるからです。 計算は次です。この証明はバリアンのミクロ本を参考にというか計算式は同じです。 計算を簡単にするために、価格と需要量の記号を入れ替えさせてください。つまり、p=a-bQです。 独占の場合はプラスメーカーなので、こうしないと計算が複雑になって計算ミスが起りやすいので。 まず、限界収入を計算します。収入pQ=(a-bQ)Q= aQ-bQ^2 を、Qで微分すると限界収入がMR=a-2bQとなります。独占企業の利益最大化は限界収入=限界費用なので、a-2bQ=cです。ここで、税金をtとすると、a-2bQ=c+t となります。もちろん、10円でもいいんですが。 これをQについてまとめると、Q=(a-c-t)/2bとなります。 これを税金のtで微分すると、dQ/dt=-(1/2b)となります。 また、所与の需要関数もtで微分すると、dp/dt= -b*(dQ/dt)となり、dQ/dtを代入すると、 dp/dt=-b*(-1/2b)=1/2となります。これは「税金が1円上がるとき、価格は0.5円しか上がらない」と解釈できます。 この結論は需要曲線が直線で、限界費用が一定の場合のみです。すべてのケースであてはまる訳ではありません。
お礼
上記の答えだけでもおおよそ分かりました。 また捕捉についても2つもご回答をいただき誠に ありがとうございます。
補足
大変ご丁寧なご回答ありがとうございます。 ご説明によりタバコの価格上昇幅は、 税額よりも小さくなることがよく分かりました。 スティグリッツのミクロ経済学を読んでいると、 独占的競争者における利潤最大化の図を 見ていると、限界収入の傾きは必ず需要曲線の 傾きよりも大きく書かれています。 ただ本文中の図において必ずしも限界収入の傾きが、 需要曲線の傾きの2倍になって書かれている わけではないのは、「需要曲線が直線で、限界費用が 一定の場合のみ」だからでしょうか? たびたびの質問で恐縮ですが、こちらもご回答願えれば 幸いです。どうぞよろしくお願い申し上げます。
お礼
たびたびのご回答ありがとうございます。 需要曲線→p=a-bQ 限界収入→MR=a-2bQ を示してくださったおかげで当初の問題が さらによく分かりました。