1)剛性:
・「剛性」は「弾性」と不可分の概念です。弾性は材料力学的には「ヤング率」とポアッソン比で表わされます。
・ヤング率とは、平たく言えば「バネ定数」のようなものですが、「バネ定数」はバネの長さや太さに依存するのに対して、ヤング率は物質に対して一意に決ります。「物質の伸び縮みのし易さ」と思っていいでしょう。
・ポアッソン比とは物質をある方向に引っ張ったり、伸ばしたりした時、横方向にどのくらい変形するかの度合いです。
・結局、「剛性が高い」とは、「変形しにくい」、「弾性が低い」ことと同じです。変形し易いものの代表がゴムです。変形しにくい物の代表がガラスなどです。金属はガラスよりも変形し易いです。
(2)強さ:
・物体に負荷を掛けて行くと、ある限度(=降伏点)までは負荷を取り除く(=除荷という)と、元の状態に戻りますが、降伏点を超えると、針金か飴を伸ばしたように変形し、除荷ても元の状態に戻りません。これを「塑性」と言います。車の外板や缶飲料の缶などのプレス加工はこの性質を上手く利用している訳です。塑性を持った材料でももっと凄い負荷をかけると「破断」します。
・これに対して、塑性変形せずにいきなり崩れてしまう材料もあります。そのような性質が「脆性」のはずですが、これは扱った経験がありません。
・「強さ」だけでは厳密な言葉ではないですが、「引っ張り強さ」に関してならキチンとした定義があります。(理科年表参照)
・工学系の現場で使われる「強さ」とは、普通、「弾性を保っていられる応力が高いこと」として使われているように思います。(自信なし)
・ナイロンなどは、剛性は低いが「強い」材料の典型ではないでしょうか?