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catalyst の語源について
「触媒」の意味をもつcatalystと言う単語ですが、ネットで調べてみると語源はギリシャ語で「全部に」の意味を示すkataにあると分かりました。 しかし私の調べた範囲ではcatalystがkata由来であるということが書いてあるだけで、「全部に」からどんな経路を経て「触媒」の意味になるのかが分かりません。 教えてくださると嬉しいです。 どうかよろしくお願いします。
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- trgovec
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>ネットで調べてみると語源はギリシャ語で「全部に」の意味を示すkataにあると分かりました これはおそらく記述が間違っているか読み間違っています。kata は前置詞でありまた接頭辞でもありますがそれ以上でもそれ以下でもありません。catalyst の語源になるようなものでは決してありません。OED によると catalysis [a. Gr. κατάλυσις dissolution (e.g. of a government), f. καταλύειν to dissolve, f. κατά down + λύ-ειν to loosen.] kata についてはここでは down「下に」という意味を与えていますが、他の方の書き込みにあるように本来多彩な意味を持っています。主要な意味は後半の luein「緩める・解く」の方にあります。ラテン語や英語でも、接頭辞には多くの意味を持つものがあり、本来どの意味でついているのかはっきりと分からないことが少なくありません。このことからも kata に語源を求めるのは無理があることが分かります。 ともかく、kataluein という動詞の名詞形である katalusis があり、その意味は dissolution「分離・分解・解散・解消、さらには破滅」のように、luein の意味を持ちながらそこから発展した、広い意味で何か「バラバラになるようなこと」を意味していたようです。 catalyst はその行為者名詞で、語尾は -ist と同じものです。似たような語形を持つものに analyst があります。これは f. catalysis, on the analogy of analyst. そのまさに analyst の類推によってできたものでもとからギリシア語にあったわけではなかったようです。catalysis に戻りますが、この古いギリシア語に起源をもつ単語が「触媒」を意味していたわけではなく 1.1 Dissolution, destruction, ruin. Obs. rare. 現代では廃れていると言ってもいい、dissolution や destruction の意味で使われ始めたもので、「触媒」は 2.2 Chem. The name given by Berzelius to the effect produced in facilitating a chemical reaction, by the presence of a substance, which itself undergoes no permanent change. Also called contact action. ベルセリウス(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%82%A7%E3%83%B3%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%83%99%E3%83%AB%E3%82%BB%E3%83%AA%E3%82%A6%E3%82%B9)という学者が、今で言う「触媒作用」にこの語を当てたのが始まりで、19世紀のことです。別の(より分かりやすいとも思える)用語を使う学者もいたようですが、結局のところ catalysis, catalyst が定着することになりました。自身は変化せず他の物質の反応を促進する様子が「破壊」したり「溶かし」たりするように思えたのか、ベルセリウスの心中までは分かりませんが、ともかくこの古い語に新たな意味が与えられたのです。科学用語というものはえてしてこういうケースが多く、古い語が新しい意味を与えられたり、古典語には存在しなかった単語を造語法に則って新たに作ったりされます。日本語の(というより漢字で書くと言った方がいいか)科学用語にしても同様で、「酸」や「菌」を古代の中国人が知っていたわけがありません(これは「酢」「茸」のことです)。
- bakansky
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私の調べた範囲で回答いたします。 catalyst はご指摘のように 「触媒」 を意味しますが、同じ系列の語に catalysis (「触媒作用」) というのがあります。 この両者は同じ語源と思われますから、catalysis の語源ということで記させていただきます。 ご指摘のとおり、ギリシャ語に由来するもので (καταλύω)、κατά + λύω に分解することができます。 κατά は 「下方に」 「反して」 「後ろへ」 などの意味を持ち、λύω は 「ゆるめる」 という意味を持ちます。 合わせて、「下にゆるめる」 → 「破壊する」 → 「溶かす」 というふうに意味が変質してきて、英語の catalysis という語になり、「触媒 (作用)」 を意味する用語になったようです。 自身は変化しなくても、それを媒介にして異なる物質に変化を促すというところから、「溶かす」 というイメージとも結びついたのではないでしょうか。
- mabomk
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ド素人ですけど、このページが参考に、、、、 http://en.wiktionary.org/wiki/%CE%BA%CE%B1%CF%84%CE%B1%CE%BB%CF%8D%CF%89 History http://en.wikipedia.org/wiki/Catalysis In a general sense, anything that increases the rate of a process is a "catalyst", a term derived from Greek καταλύειν, meaning "to annul," or "to untie," or "to pick up."