私は大学生です。
内容によりけりだと思うのですが、大学に入ってからも、理系は理系オンリー、文系は文系オンリー、というわけにはいかないのです…
それどころか、理系大学が関心を持っているテーマのバックグラウンドを理解するのに文系の内容が、逆に文系のテーマのバックグラウンドに理系の内容がついてまわります。
私は理系大学に通っており、先進医療について勉強しているのですが、「生命倫理」の概念を常に意識しなければなりません。大学では動物実験をつねに行い、その度にマウスを病気にしたり死なせたりしているわけです。そこで、神から授かったマウスの命をどこまで尊重して、どこまでないがしろにしてよいのか…という問題が当然発生しますよね。ここで、文系分野である”倫理”を意識せざるを得ないのです。また、マウスどころかヒトの命を扱うような実験(特に胎児の細胞を操作するような実験や、新薬開発のための臨床実験、人工授精など)についてどうこう、といった問題ともなれば、弁護士が出てくる可能性も十分あるのです。
実際に、文系出身の弁護士や検事がDNA判定の結果に基づき、事件の犯人やシングルマザーから生まれた子の父親を断定したりするケースは多々あるのですが、この際弁護士・検事がDNAの実験について全く理解できていなければ、仕事ができませんよね。
また逆に理系出身のエンジニアは確かに高度な技術で様々なものを作り出します。しかし現時点で世界がどの方向に動き出しているのか(いわゆるニーズ)、あるいは法律について理解し、これに答えるようなものを作り出せないエンジニアはただの「がらくた発明家」にすぎないでしょう。社会のニーズに答えており、かつ合法と見なされた機械を生み出して、初めて一人前のエンジニアなのです。よって
エンジニアになるためにも、文系大学で学習するような知識を最低限知っている必要はあるということになります。
…というように、理系の世界と文系の世界は切っても切れない関係にあります。
少なくとも理系ならば医師・建築家・エンジニア、文系ならば政治家・弁護士という職業につきたいのであれば、両方の勉強をすることは必須だと思います(基本中の基本事項レベルでよいとは思いますが)。アーティスト(作家や芸術系)とか普通のサラリーマンになるのであれば必ずしも必要、というわけではないと思いますが。
参考までに。
お礼
長文の回答、ありがとうございます。 すごく参考になりました!!