- ベストアンサー
漱石、鴎外などを読み漁りたいのですが
明治から昭和までのいわゆる名作を鑑賞したいのですが、皆さんはどんな本がお勧めですか? 昔、漱石の草枕を読んで難しいなと感じましたので、漱石、鴎外に限らずいろんな作家の作品をどんな順番で読んでいけばよいか推薦してくれればと思います。 できれば古典がいいです。時間をかけて多くの人に愛読されて来て、残ってきたものですから。 もちろん、この作品なら50年後もまだ生き残っているだろうなという本なら含めていただければと思います。 よろしくおねがいいたします。
- みんなの回答 (2)
- 専門家の回答
質問者が選んだベストアンサー
- ベストアンサー
その手の作家と作品のブックガイド二冊。 吉本隆明の『日本近代文学の名作』新潮文庫。取り上げている作家は少ないぶん気楽。意外なことに田山花袋がはいっています。岡本太郎の母岡本かの子がはいっていて、宮部みゆき・北村薫編『名短篇ここにあり』ちくま文庫や中条省平の『小説家になる!』ちくま学芸文庫にも岡本かの子が取り上げられているのと重ね合わせて知る人ぞ知る名文家かも。 丸谷才一・鹿島茂・三浦雅士の鼎談『文学全集を立ち上げる』文春文庫。世界文学全集、日本古典文学全集、日本近代文学全集の新企画をまかせられたらと架空話で、この三人が候補リストを持ち寄って相談。後世への影響度の強さや文学の可能性を拡大した点を評価して選んだ作家、作品は江戸川乱歩がはいっていたり日本の自然主義作家をばっさり外したりユニーク。
その他の回答 (1)
- TYWalker
- ベストアンサー率42% (281/661)
漱石は大好きです。 「坊ちゃん」はカンタンですね。 これは中学生のときに読むと痛快で爆笑し、40歳過ぎに読むとその苦さ、恐ろしさが分かって驚愕するという二重構造の本です。 小林信彦さんが「うらなり」という、坊ちゃんを裏側から書いた本を書いています。 あとは「三四郎」「こころ」ですが、意外とこころが面白いと思います。 難しい言葉はどんどん読み飛ばして、とにかく終盤の主人公が電車に乗る場面まで呼んでください。 息もつかせぬ面白さです。 「三四郎」「それから」はそれにくらべるとちょっと薄味かも。 問題の「猫」ですが、この面白さが本当に分かるのはやはり40台になってからです。 でも例の餅を食べる場面など、面白いところだけチョイチョイと拾い読みでもいいと思います。 もともと長編小説として書かれたものではありませんから・・・。 漱石周辺で分かりやすいというとやはりライバルの芥川龍之介でしょう。 芥川は逆に大人になって読むと息苦しくて読みにくいので、若いうちに読んでおいたほうがいいでしょう。 変わったところで漱石の弟子の「内田百間」(間は本当は門がまえに月)という人がいます。 この人が漱石のところに出入りしていた弟子のことなどを書いているエッセイを読むと、明治という時代の面白人間たちが立体的に浮かび上がってくると思います。 また、漱石が進めているイギリスのユーモア小説作家なども面白いです。 オースティン(新潮文庫版の自負と偏見などがいいです)、フィールディング(岩波文庫版のトム・ジョウウンズなど)などです。 漱石がほめているから読む、という読み進め方も面白いですよ。 漱石を中心にした明治の作家は本当に面白いです。 若いうちに読んで面白く、歳をとって読み返して面白い。一生の宝物です。 「ほらあの課長さんは、赤シャツみたいないやな性格だよ」みたいに、日本人の共通語として読まれればいいと思います。 あと、東京に来られれば、上野の精養軒で洋食を食べるなど、漱石ゆかりの地がいっぱい残っていますので、それをめぐるのも楽しいと思います。 鴎外についてはくわしくなくてスミマセン。 やはり舞姫と高瀬舟は外せないでしょうか。 あと小林信彦さんの「小説世界のロビンソン」という本を読んでみてください。 (新潮文庫) 漱石を中心に、小林さんが読んで影響を受けた小説本がいっぱい出てきます。 小説の文庫本はすぐに絶版になるのですが、アマゾンで古本を探すと安く買えます。
お礼
いろいろな本と感想を述べてくださりありがとうございます。私も漱石の「こころ」を学生時代に一度、30代になってからもう一度読みましたが、そのつど感動させられました。「明暗」も読んだ事があるのですが、未完成なので後どうなるのか、もうちょっと漱石が長生きしていてくれればと思ったこともあります。
お礼
大変興味をそそられるガイドブックの紹介ありがとうございます。大きな本屋さんがあるのでちょっと見に行って、いずれかを買ってみたいと思います。やっぱり小説家や文学者の視点も見逃せないなという気がします。本当に感謝します。