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ヒートガンについて
ベアリングの脱着や固着したボルトを緩める際に、よくヒートガンが使われるシーンがありますが 理屈がよく判りません。 金属は熱くなれば膨張するので、余計に外れにくく・緩みにくくなるような気がします。
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ボルトとベアリングでは少し説明の仕方が変わるのですが どちらにも共通するのは、ドーナツ状の金属部品を加熱すると内径も外径も拡大する方向で膨張するということです 膨張するというと、膨張した金属が内径側にも押し出されて内径が小さくなるように感じますが、実際は内径も外径も広がります ボルトであれば外径が大きくなりますね ただし、素材に対しての穴の大きさや、局部的に加熱するか全体を均一に加熱するかでどの程度膨張するかは変わってきますが・・・・・ ですから、たとえばクランクケースのベアリングを外す場合は ベアリングを加熱するのではなく、ベアリング周辺を広めに均一に加熱します そうすることでベアリングよりもケースの温度があがるので、ベアリングを圧入している穴の内径も拡大します それで外しやすくなるわけです ベアリングを取り付ける場合も同じです 取り付ける場合はケースを加熱し、ベアリングを事前に冷やしておくことで膨張差をより大きくし圧入しやすくする場合もあります ボルトが固着して外せなくなる原因は、ねじ山にサビが発生して張り付いてしまうのが原因ですから、これを引き剥がしてやればいいわけです ボルト周辺をヒートガンで急激に加熱すれば、熱の伝わり方に差が生じますから、雌ねじと雄ねじに膨張差が生じて張り付いていたねじ山が引き剥がされることになります ボルトが先に膨張すれば、ねじ山同士が押し付けられてサビが潰されます やがてボルトが冷えれば、元に戻り張り付きは無くなりますし、 ネジ穴側が先に膨張すれば、ネジ穴の内径が拡大し張り付きを引き剥がします それで緩みやすくなるわけです 最後に付け加えますが これは木ねじの場合にも使えますよ 固くて緩まない木ねじを加熱すると、膨張した木ねじがねじ山に接している木を押し広げます やがて木ねじが冷えると元の大きさに戻りますが、押し広げられた木は完全に元には戻らないので、木と木ねじの密着が弱くなり緩みやすくなります 私は専門家では無いので分かりにくいかもしれませんね 専門家の方がいれば補足をお願いしたいです
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- yotani0425
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「ベアリング 焼きばめ」で検索してみていただけませんか?多分NSKのHPがあるはずです。 「圧入」と「焼きばめ」などの方法が載っています。 圧入用も焼きばめ用もベアリング内径は相手シャフトの固定位置外径よりほんのわずか小さく作ってあります。(それでないと固定できません) そこでプレスを使って規定位置まで圧入するか、焼きばめでベアリング側を膨張させ(シャフトは暖めませんのでベアリング内径だけが緩くなることになります)、規定位置まで挿入後、冷却して固定(固着)させます。 またベアリングはゆるゆるで入るのですが、規定位置まで挿入後、固定のために押さえの「カラー」(円い金属の輪でシャフト外径より小さいもの)を、やはり「焼きばめ」で暖めてシャフトに挿入し、ベアリングの押さえにすることもありました。 ベアリングをシャフトから抜くときも、やはり焼きばめ法でベアリング(カラー)だけを暖めて(膨張させて)抜いておりました。シャフト側が熱くなると抜けなくなるので、すばやい作業が要求されました。 要は熱膨張の差を利用した勘合方法とお考えください。 また固着ボルトの場合ですが(例えばエキゾースト系のつなぎ目など)、これはボルトを熱するのではなく、ナット側(外側・フランジ側)を熱するのが正解です。エキゾースト関係ではアセチレン溶接の切断機で一気に赤熱させていましたが、このときはナット側を赤熱・膨張させてボルトの固着を外しておりました。 これがナットの場合も同様でして、ボルトは熱さず、ナットを熱して膨張させて固着を外していました。 これも熱膨張の差を利用してものと考えていただければいいと思います。また赤熱させることにより一種の潤滑効果(金属の軟化)作用もあったのかもしれません。 *こういう場合で外したボルト・ナットの再使用は当然厳禁でした。 理論的ではない説明かもしれませんが、現役時代の経験談でした。ご参考になれば幸いです。
お礼
経験談に基づくご説明、よく理解できました。 どうもありがとうございました。
お礼
具体的な作業例を挙げてご説明いただき、よく理解できました。 今後の作業に生かしたいと思います。 どうもありがとうございます。