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受動代理が使われる具体的なケースを教えてください。

受動代理についての概念がいまいちわかりません。 相手方から意思表示を受けるというのは調べてわかったのですが、ただ、その意味が理解できません。 どういったケースのときに受動代理をするのでしょうか? 回等よろしくお願いします。 ちなみに能動代理のほうは理解できます。

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回答No.1

最初に。能動、受動ではなくて能「働」、受「働」です。 叔父が生れたばかりの甥っ子(太郎(仮名))の親(自分の兄)のところへ行って、「太郎(仮名)が小学生になったらランドセルを買ってあげる」「分かった。ありがとうね」という約束をした。 この場合の親は受働代理でかつ能働代理です。 叔父は代理人である親(自分の兄)に、本人(太郎(仮名))に対する贈与契約の申込みをしているわけです。この贈与契約の申込みの意思表示を代理人である親が本人(太郎(仮名)のために「受ける」のですから受働代理であり、この贈与契約の承諾の意思表示を代理人である親が「する」のですから能働代理です。 結局、能働受働の区別は、99条1項か2項かというだけですから、要するに代理人として意思表示を「する」のか「受ける」のかという話にすぎません。そして、代理人を介した法律行為においては、ほとんどの場合、代理人は意思表示をし、かつ、相手方の意思表示を受けるので、ほとんどの場合は、能働かつ受働代理です。つまり、区別の意味が余りありません。 受働代理だと代理人による顕名が困難だから相手方が顕名しないといけないことがあるとか、全くないわけではないですけど。 そこでわざわざ「意思表示を受けるだけの代理人」というのを用意する必要があるのか?と言えば、ないわけではないかも知れませんがほとんどないでしょう。結果的に受働代理だけで終わるということはままあるかも知れませんが。 同居人に、「先日友人に金を貸してくれと頼んだんだけど、貸してくれる場合には今日持ってきてくれることになっている。でも急用で家を出るから代りに受取っておいてくれ」と言っておいた。 友人に連絡を取ったが、「まだ金が都合できるか判らないから貸せるかどうか判らん」と言われたので「とりあえず、俺は留守だから貸せるようなら同居人に渡してくれ」と言っておいた。 その後金の都合が付いた友人が実際に金を持って来て「あなたが代わりに受け取るという話は本人から聞いている。都合が付いたから貸すから本人にもよろしく」と言って同居人に渡した。 これなら確かに単純な(純粋な)受働代理と言ってよいかもしれません(金を代理受領したことではなくて、「都合が付いたから貸す」という金銭消費貸借契約の承諾の意思表示を同居人が代理人として受けている点が受働代理。要物契約における物の引渡しは契約の成立要件であっても意思表示ではありません。)。しかし、あんまりなさそうですけどね。 以下は雑談みたいなものです。 代理人を通じて売買契約を締結したが、相手方が代理人に対して解除の意思表示をした。 この、代理人が解除の意思表示を受けるのは受働代理の例ですが、もうお解かりでしょう。 ちなみに、 代理人を通じて売買契約を締結したが、相手方が代理人に対して解除の意思表示をした。ところが、代理人は売買契約締結後、解除の意思表示の前に代理権を喪失していた。なんて言えば受働代理での表見代理の成否なんて話もできます。

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