生物にとりましては酸素は猛毒です。具体的には代謝で発生します活性酸素の悪影響を全ての細胞は受けますから細胞には寿命があります。ですから組織の細胞は絶えず細胞分裂で更新されているわけです。しかしながら、この細胞分裂も無限に出来るわけではなく限られた回数しか分裂できません。ですから代謝の全体量は限られたものなのです。そのような理由から個体にも寿命があるわけです。
寿命を延ばすには二つの方法があります。一つは活性酸素の悪影響を打ち消すような仕組みを持つことです。これはハ虫類型ミトコンドリアが活性酸素の悪影響を受けにくく、ハ虫類型ミトコンドリアを持つ鳥類やハ虫類の寿命は長いものです。カメなどは次の理由と相まって大変長い寿命になります。
もう一つの方法は代謝の全体量が限られたものであるのならば、代謝の速度や代謝量を減らせばよいわけです。ほ乳類では、代謝の速度につきましては体重が軽い程代謝が早く重い程代謝が遅いことが知られています。ゾウの一歩とネズミの一歩は全く違いますがネズミは箱庭のような環境で生活しているわけではなくゾウと同じ環境に生活しています。ですから体重の軽い種ほどチョコチョコと動き回れるように代謝速度を早くするように進化し、体重が重い種ほど代謝速度が遅く進化しました。結果として体重が軽い種ほど寿命は短く、重い種ほど寿命は長くなります。
さていよいよ本題ですが、同一種の中ではどうなるかと言いますと、代謝速度は同じですから体重の重い個体ほど基礎代謝量が増えまして寿命が短くなります。ヒトで言えば男性は女性に比べて筋肉量が多く基礎代謝量が多いですからそれだけ活性酸素等の影響を受ける量が多く寿命が短くなります。イヌの犬種も同じです。大型犬の方が代謝量が多く細胞が受けるダメージは小型犬より多くなりますから寿命は短くなるわけです。
お礼
なるほど。これまた1さんに続いて大変勉強になりました。 回答ありがとうございました。