《イ( i )の折れ》は どうして起こるのか?
言葉についての問いです。
(1) ゴルフの青木 Aoki は エイオキという発音で呼ばれています。これが イ( i )の折れの実際の例です。
○ Aoki →〔イの折れ( i の挿入)〕 →A-i-oki / アイオキ→エーオキ→エイオキ / という発音の変化。
(2) イエス ヰ カンではなくて イエス ヰ キャンのごとく イの折れ(あるいは イのほうに折れる)が発音に入って来ます。ただし イをうしろにではなく 前に置いています。
(3) 同じく girl を ギャルと呼ぶようです。
(4) 次の例はどうでしょうか? つまり英語では イの挿入を前に持って来ています。
○ text →テクスト・〔イの折れを入れると〕テキスト
○ text / tekst / →〔イの折れ〕 / t-i-ekst / → / tjekst チェクスト/
(5) 日本語では特に《イの折れ》と言わずとも この《 -i 》を付け加える例は 多いようです。
○ ma 目(ma-he 目‐辺=前)→ ma-i = me 目
○ ta 手( ta-moto 手‐元=袂)→ ta-i = te 手
○ ina (稲)→ ina-i = ine 稲
○ koe 木(く・こ):〔koe-da-mono = kudamono 果物( -da- は ノの意)・
koe-no-ha 木(こ)の葉・ koe-suwe( zuwe )木(こ)末=梢〕
・ koe-i → kui / クィ / → ki 木
つまり イの折れを経たかたちが ふつうの語となっています。元の語は 裸のまま――さか(酒)‐な(菜)=魚 のサカ(酒)のまま――ではあまり使われません。
(6) インド・ヨーロッパ語族で 《りんご》を表わす語は 推定した原形が * abel だそうです。
推定原形 * abel
英語 apple
ドイツ語 Apfel
ロシア語 yabloko
ポーランド語 jablko
イタリア語 ―mela; 〔 pomo 〕
ギリシャ語 ―mi'lon
☆ けっきょくこの《 abel 》系だけではなくほかにもあるようですが(イタリア語 pomo ) この :* abel の系統をまとめることが出来るようです。
つまりイタリア・ギリシャは 語頭の a- を落として しかも中ほどの子音 - b - を - m - に変えている。というものです。(日本語例:さび( -b- )しい ∽ さみ( -m- )しい)。
ロシア語などに -ko がついているのは まさに日本語で リンゴッコと言うかのように 親愛称もしくは指小辞としてついたものらしいです。
ちなみに メロンは これと同じ語源であるようです。(《果実》といった意味なんでしょう)。
――すなわちここでも一部分の言葉においてですが ロシア語がヤーブラコというように イの折れが 語頭に現われています。アップルを 語頭のアにイをつけてヤップルと言うがごとしです。
(7) 昨今日本人は外国への留学生が減って来ているとか。留学の経験のないわたしは大きなことは言えませんが 海外に行こうという人も少ないのだとか。
ひとつに自分たちの言葉を知らないのではないか? それも原因ではないか? 外国の言葉に通じている方たちのあいだにも 日本語のことはあまり・・・ということがありそうです。
自分たちの言葉に自信を持てばよいのだ。
かくして愛嬌のごとく この主題を出します。何でもしゃべってください。
ただし問いそのものは 本気です。アイウエオなどの母音の中で イはとりわけ発音しやすいとも思えません。愛嬌があるとも思えません。(あるのでしょうか?) なのに何故 こうもやたらに顔を出して来るのか? アイディアがありましたら おしえてください。
なお別の主題でもやっています。
【Q:日本語とはどういう言語か。】
http://soudan1.biglobe.ne.jp/qa6422669.html
主題分けしていただければうれしいです。