軸索は神経の先端(神経の電気信号を送り出す側)にある神経細胞の一部が、非常に細長く伸びたものです。(細胞膜と細胞質は、先端の神経細胞と繋がっています)
ですから、軸索自体は細胞の一部であり、複数の細胞で構成されているわけではありません。(細胞の一部に過ぎませんから、一つの細胞で構成されているという表現も、語弊があります)
因みに、軸索自体ではなく、有鞘神経の髄鞘は、シュワン細胞という別の細胞が、軸索に巻き付いて変化したものですから、有鞘神経の神経繊維は、多くの細胞だったものによって構成されていますが、軸索自体は一つの神経細胞の一部である事に変わりはありません。
>電位は軸索を段階的に伝導していくと習ったのですが
単一の細胞の細胞膜であっても、部位によって電位に差が生じる事はあります。
神経に信号が伝達されていない時には、細胞膜の内側がマイナス、外側がプラスの電気を帯びていますが、先端の神経細胞から信号が送られて来ると、一瞬だけ内側がプラス、外側がマイナスという様に逆転して、直ぐに元に戻ります。
軸索の先端(信号を送り出す側)の細胞膜の一部の電位が逆転すると、次の瞬間には、電位が逆転した部分の電位は元に戻り、替わりに隣接した細胞膜の一部の電位が逆転し、そのまた次の瞬間には、2番目に電位が逆転した部分の電位は元に戻り、替わりに更に隣の細胞膜の一部の電位が逆転する、という段階が繰り返される事で、神経電位の変化が伝導して行くのです。(軸索全体の電位が同時に逆転している訳ではない)
有鞘神経の場合は、髄鞘のある部分では電位が変化しないため、髄鞘と別の髄鞘の間にある僅かな隙間に細胞膜が剥き出しになっている部分があり、そこでのみ生じる電位の逆転が、隣接する細胞膜ではなく、次の髄鞘の隙間に伝達して行きます。
お礼
>単一の細胞の細胞膜であっても、部位によって電位に差が生じる事はあります。 この部分に関しての認識が曖昧だったので理解ができてませんでした。 ありがとうございます!