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横光利一 「蠅」
今、横光利一の蠅を勉強しているのですが、 十のところに 「乗客の中で、その御者(ぎょしゃ)の居眠りを知っていた者は、わずかにもただ蠅一匹であるらしかった。」 とありますが、なぜ乗客の中に蠅を数えているのですか? 蠅を読んだことのある方教えて下さい。 明日テストなんです(>_<)
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一種の諧謔です。 http://dictionary.goo.ne.jp/leaf/jn2/35574/m1u/%E8%AB%A7%E8%AC%94/ 冒頭の一では、 「ただ眼の大きな一疋(いっぴき)の蠅だけは、薄暗い厩(うまや)の隅(すみ)の蜘蛛(くも)の巣にひっかかると、後肢(あとあし)で網を跳ねつつ暫(しばら)くぶらぶらと揺れていた。と、豆のようにぼたりと落ちた。そうして、馬糞(ばふん)の重みに斜めに突き立っている藁(わら)の端から、裸体にされた馬の背中まで這(は)い上(あが)った。」 となっていますね。 そして、最後の十では、 「瞬間、蠅は飛び上った。と、車体と一緒に崖の下へ墜落(ついらく)して行く放埒(ほうらつ)な馬の腹が眼についた。そうして、人馬の悲鳴が高く一声発せられると、河原の上では、圧(お)し重(かさ)なった人と馬と板片との塊(かたま)りが、沈黙したまま動かなかった。」 という箇所があります。 つまり、これは、最初から蝿を擬人化した主人公とした小説なのです。 蝿の視点から見た光景として小説を作ったわけです。 ずっと馬車に居て一部始終を見ていたわけですが、馬車に同乗する乗客と同じ立場を与えることによって、最後の瞬間、崖の下へ転落していく馬車の状態を臨場感をもって読者に伝えることが可能になったのでしょう。 「なぜ乗客の中に蠅を数えているのですか」 に対する直接的な答えとしては、 「諧謔として擬人化することによって、最後の場面に臨場感を持たせるため」 とでもいうことになるでしょうか。 自信はありますが、もしも点数が悪くても恨まないでね。^^; また、次からは、ご自分の考えを少しでも書いた上で質問なさると、もっと良い回答が得られるかもしれませんよ。
お礼
確かに臨場感でますね(^o^) とても納得しました♪ ずっと蠅視点の文章だったので、いきなり蠅が乗客になってしまい誰視点になっているか頭の中で混乱していました。 ↑を質問の時に書いた方が良かったですね(>_<) とてもスッキリ解決できました!ありがとうございました。