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地主から借地の買取を打診されました。
地主から借地の買取を打診されました。 その土地は地主が借地人に賃貸しており、借地人は未登記の建物を取得し店舗を営業しております。地主との間に5年を限りとする賃貸借契約を結んでおりますが、本年期限が来たので1年を限りとする延長契約を結んでおります。 このたび賃借人から地主に念書が差入れられました。来年に期限が来たら賃貸借契約は解除し、土地は更地にして返還するとの内容でした。 当方としてはこの念書があるので賃貸借解除の期限が来る前に土地の買取をしたく思います。万一、借地人が念書に書いてある通りのことをしなかった場合(立ち退かずに賃貸借契約の延長を主張するなど)、新たに土地所有者になる当方は賃借人に対してどのような権利を行使できるのでしょうか? よろしくお願いいたします。
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>権利の濫用とはどの部分を指しているのでしょうか?権利の濫用とは借地権が存在することを知りつつも土地を購入し、借地人を追い出す場合と思うのですが。私の場合は借地人の申し立てにより借地契約が解除されるのを知ったから購入するわけで、その後借地人が当初の意思を勝手に撤回したからといってそれがそのまま通る世の中なのかな、と言う点で疑問が残ります。 補足します。まず基本的に借地権登記がされていないという前提のお話です。借地権登記されているとそもそも建物の所有権保存登記がされてなくても第三者に抵抗できるのは当然の事ですので。 地主と借地人の間では建物が未登記であっても借地権が存在するのはご理解いただいていると思います。不動産であれ、例えば契約書を交わし代金を支払った時点で、建物が未登記であっても所有権は移動しています。これは例えば宝石を購入したとしても同様の事ですね。 しかし、不動産は生活の基準となる重要な物ですから、第三者の権利主張に抵抗するために登記を行う必要があります。つまり登記は第三者への対抗のためと言う事なので、借地人は地主に対して借地権は主張できます。 もし、建物の登記がされていない事を利用して、この地主と他人が結託して土地(低地)の所有権移転登記を行うと、低地の新所有者は借地人を追い出せる事になりますね。確かに法律上はそう解釈されます。もっと悪質ならその後の元地主は土地を買い戻せばいい事になりますね。 しかし、法律は善意無過失でない場合は必ずしも同じ結果には導きません。もしこの二人が結託していたら、悪意があるので司法は借地権を底地の新所有者にも対抗できると判断するかもしれません。事実そう言う判例が昭和43年に出ています。ただし、旧法時代の判例ですので、現時点でそう言う判例がでるかまでは言及できません。 質問者さんの場合、念書があるという点を主張されていますし、悪意があるとも思えないので、そう言う事にはならないとは思います。それに関してはNo.2の方の回答通りです。 しかし、前回の回答通り、借地権が存在する以上、法律で定めた期間よりも短い契約を交わした場合はその期間の条項は無効になります。借地人がごねれば、念書よりも借地借家法が優先されると思います。もちろん借地人は念書を無効にするために建物を登記するかもしれません。
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- takapiii
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No.2の方の回答があったので補足します。(No.2の回答を否定するわけではありません。No.2は原則論として正しい回答で、単なる補足です) まず現地主と現借主間では、建物が未登記であっても借地権は存在します。未登記と言う事は第三者に借地権を主張できないと言う事なので、例えば貴方がその土地を買った場合は貴方が第三者になるので、建物の明渡を要求できます。 何故なら登記は無くても借地権は存在するので、登記簿で借地権が設定されている事を知らずに購入した第三者を保護するために規定された原則だからです。 しかし貴方が、借地権が存在し、未登記である事を知ってこの物件を購入した場合、借地権を主張する借地人に明渡を請求する事は権利の濫用に当たります。つまり原契約は30年(先ほど30年と書きましたが、賃借人が居住していない場合は事業用借地権なので10年かもしれませんが)継続する事になり、貴方が明渡を要求すると、揉めた場合に司法判断となり、過去の判例から貴方は知っていて購入したので、と言う事で敗訴する可能性があると言う事です。 慎重にご判断ください。
お礼
重ねての回答ありがとうございます。 >しかし貴方が、借地権が存在し、未登記である事を知ってこの物件を購入した場合、借地権を主張する借地人に明渡を請求する事は権利の濫用に当たります。 私は念書により「借地人が来年の期限で借地契約を解除し土地を明け渡すこと」を知り、購入の決断に至るわけです。権利の濫用とはどの部分を指しているのでしょうか?権利の濫用とは借地権が存在することを知りつつも土地を購入し、借地人を追い出す場合と思うのですが。私の場合は借地人の申し立てにより借地契約が解除されるのを知ったから購入するわけで、その後借地人が当初の意思を勝手に撤回したからといってそれがそのまま通る世の中なのかな、と言う点で疑問が残ります。 法的にも学問的にも大変有用な回答で感謝しております。
- Arkhimendes
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こうした状態で先ずは「借地権」が挙げられるものの、借地権の成立要件としては借地権自体の登記がある、或いは借地上の建物に登記がある事が必要ですが、建物が未登記であれば、恐らくは借地権の登記もないと思われ、この場合では勿論、借地権は発生していません。(借地借家法第10条) そうなると、今のままでは単なる土地の賃貸借契約であって、極端に言えば駐車場を借りている事と状態に近く、その土地の上にある建物の買い取り請求権も発生せず、明け渡しの際では通常の話し合いとなる一方では、幾らこの建物に登記が無いとは言え、一応は他人の所有物である以上は勝手に取り壊す等を行なえば損害賠償の対象になってしまい、この時点では対抗出来る権利もなく、強制的に撤去させる等の最終的な権利は裁判上から得る羽目になってしまいます。 よって、現状の土地売買は危険が付き纏いますので、明け渡しが終わるまでの売買予約程度して待つか、民法第127条による明け渡しを前提とした 「停止条件付き」 若しくは、明け渡しがない場合には白紙撤回等とする 「解除条件付き」 の売買契約を採用するべきだと思われます。
お礼
借地人は第三者(私)に対抗する権利はないが、建物を勝手に壊すわけにはいかないリスクが存在すると理解しました。 無権利者ではあるが所有権者でもあるわけですか。 大変示唆に富む回答です。ありがとうございます。
- takapiii
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重要なのは原借地契約(最初に契約をした日付)がいつかという事ですが、平成4年8月1日以後と前提して、借地借家法が適用されますね。 この借地借家法は30年よりも短い契約の場合は無効とされるので、5年と言っても実は法的には30年の借地契約がある事になるので、借地人が明渡を拒否すれば、ずっと住み続けます。 原借地契約から30年を過ぎ、建物が存在していれば、更新しないと告げても法定更新となり、20年契約(原借地契約から1回目の更新なら)が伸びますね。 つまり借地人が契約を解除したくないと言い出せば、ほぼずっと住み続けられると言う事です。念書は役に立ちません。 そのリスクを背負って買うのか、価格が高くなっても更地になってから買うのか、とても重要な判断です。
お礼
最初の契約がH15年あたりだったと思います。 しかし「念書は役に立ちません」とは驚きました。念書を信じて土地を買ってしまった人には救済措置はないものでしょうか?念書がなければ買わないわけですから。 ちょっとヒネテ考えると地主と借地人が結託して使いようのない土地をつかませようとしている可能性すらありますね。 ありがとうございます。
お礼
数度にわたる大変丁寧で詳細なご回答をありがとうございました。おかげで各人の権利義務についての法的な位置づけがよくわかりました。 土地所有者が変わった後の借地権の扱いについてはリスクが大きいですね。借地人が借地権を放棄すると自筆した念書を信じて買った新所有者に対してまで借地権の存続を司法が本当に認めるのか。借地人は果たして「クリーンハンド」なのでしょうか。 しばらく質問は閉じないでおきます。 重ねて御礼申し上げます。