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林真理子・著「下流の宴」を読んで

林真理子・著「下流の宴」を読んで 何気なく書店で立ち読みし、ぐいぐいと引き込まれ思わず買ってしまい一気に読みました。 感想は評判どおり面白かったデス!そして、読後しばらくボーッとしていました。 この人(林真理子サン)、我々が常日頃思ったり感じたりしているところのかなり深いところのツボを実にうまく刺激することの出来るやはり才人だなぁとあらためて実感。新聞連載小説ということもあって読みやすく、特に世の主婦層の微妙な感情をあおる社会的感覚もバッチリ。 そう、結構実際にある話だと思いました。 ま、上流の医者の娘に馬鹿にされた下流がのぼりつめた先が国立大医学部っていうのはちょっと出来すぎ?・・・でも十分あり得る話。 で、上流家庭(本では中流となっているけれど、一応上流の方でしょう)に育って優しいけれど現実のし烈な学歴社会で生きていく術を知らないフリーターのボンボンが最後に自分から身を引いたのは悲しいかな正解でしょ・・・。(仮に結婚しても将来は女医のヒモなどと言われるのがオチ!それが分かっているぶん賢い) しかし、本の最後の最後で子連れの出戻り娘と彼女と分かれたプーの息子に対し、自分がかつて一番軽蔑していた下流の人間に成り下がった・・・と一応は悲観するけれど、はたして実際どうでしょう? だって、敗戦直後、没落貴族や斜陽族と言われた特権階級の人々は平民になってはじめて、生きることの辛さを思い知らされ、同時に今まで知らなかった別の世界での喜びや価値、人生の意味をあらためて知ることが出来た・・・と、真っ当な精神論はひとまず置いて、殆どはかつての栄光に満ちた時期が忘れられず無気力・無意味に、良き時代・美しく楽しい思い出だけを大切に一生を惰性で過ごす輩が多かったかと。 つまり、良かれと思い小さい頃から娘や息子に相応な教育や習い事の機会を十分与え大切に育てた筈が脱線。確かに真っ当な路線を歩んでいる多くの世間の子弟を羨ましがってはいるけれど、本心は違うところにある筈では?すなわち、(なんだかんだ言っても我が家はもともといいとこの家庭。自分は医者の家庭に育ち、亭主は一流私大出の一流会社勤め。今迄まぎれも無く頂上にいた。現実、確かに子供達は下に落ちたけれど一応家庭は安泰だし、まあそれも仕方が無い。20歳過ぎて彼らは彼らの人生だし、振り返っても育てた環境や下地はいいには違いないのだから・・・。ふん!下流出の者が医者になったとしてやはり心の底から卑下し馬鹿にしているのは全く変らないし興味も無い。これからは自分は長女の子=孫に期待をかけるのみ!)といった具合かな?常に君主的・絶対的なプライドが先行し、一時は落ち込むも次のことに目標を定めるのも素早いこと!(得てしてこのような人はこんな具合、何て変わり身の早いこと。ま、確かにそういった発想や次に期待するのは気持ちの切り替え・持って行き場や自分自身の充実感・満足感のためには当然でしょう。ま、今に見ておれ・世間を見返してやるでおそらく一生終わるのかも)笑。 もとより一人の人間として持って生まれた才能や度量、精一杯の努力も限界はあるし、頑張った人も、力及ばずそこに達しなかった人も、また頑張らなかった人も、それぞれ最終的にはおのおの似合ったような居場所で生きていくものだし。 そこで言いたいのはある時点で何かに気付きそこから一歩も二歩も抜け出し上を目指すことが出来た人。 この物語も二浪の末、何と医学部合格。その瞬間、彼女は遠い人になってしまったのですね。 努力すればそれに見合った結果が付いてくるのは歴然であり、その中であえて難関に挑み人の何倍も頑張った人には最高のご褒美があるとはいかにも巷のサクセスストーリーではありますが、もはやエリートにはエリートのみに開けた世界や人生、そして人付き合いがあり道は自然とに分かれるもの。こういった頂点の例は確かに少なく傍から見て羨望の的であるのは確か。学歴が何だとか、二流には二流なりのとか、なーに人間他に生きる道は幾らでもある・・・なんて簡単なことではなく、いい家に生まれた人にはおよそ一般人には理解出来ないことがあるのです。そして、やはり医者や弁護士といったこの世の中で最高の肩書き(あえて職業とは言いません。だって職業に貴賎はない筈でしょ?)には正直、万人が尊敬の念を持ってひれ伏す訳で。 反対にエリート路線から外れた本人や家族は下流に同化することも出来ずどうしようもないプライドやはたまた全人的な優しさと清貧に甘んじた独自の孤高の人生を送るのです。それもひとつのエリートっちゃエリート?で一般人にはなかなか出来ない暮らしだと思いますが・・・ スイマセン、書いてるうちに何だか収拾がつかず支離滅裂になっちゃいました。汗 この本を読まれた皆さんはどのようなご感想を待たれましたか

みんなの回答

noname#157206
noname#157206
回答No.1

今日は。 林真理子さんは、女性誌にエッセーよく出てくるから、割と本音っぽい文章で読みやすくていいですね。 でも、小説のほうは、中年のオバちゃんがターゲットだから、そういう女心を計算ずくで作っている感じがして、もう一つ好きではないです。母が割りと好きみたいです。 ただ、私の感想はちょっと違うかな? 時代が変わったというか、昭和的な価値観ってもう通用しないんじゃないかな? そこをもっと切り込めば良いのに、この人やはり、昭和的な人なのか。読者に配慮しているのか? 今本を読む人って年齢層が高いから、そのあたりを考えてるのかなって印象でした。 質問者さんは、すごくエリートとか階級とか拘ってるみたいだけど、今の時代、上流ってほとんどいないんじゃないかな?まぁまぁの中流とそこに留まれない下層?この2つしかないんじゃないかな? それで、没落って感じもしないの。本当の下層は子供の教育ができないのだから。 大体、医者がエリートなんて、大昔の帝国大学医学部しかなかった時代だけなんじゃないかな? 国民皆保険になってからは、東大卒の医者も帝京大卒の医者も同じ点数、同じサラリーなんだから。 医者って、ただ聞こえがいい仕事で、まぁまぁのお金がいただける、定年がない、全国どこでも雇ってもらえる、ただその程度ですよ。引き換えに、色々と縛られる(これが大変なのだけど)、それ以上でも以下でもない。少なくともエリートではないですよ、現場の仕事だもの。 でも、質問者さんは随分と幻想?持ってるみたいですね。 http://okwave.jp/qa/q3759673.html http://okwave.jp/qa/q3718731.html http://okwave.jp/qa/q3649775.html まぁいいじゃないの。歯医者さんになるみたいだから。 http://okwave.jp/qa/q6143243.html 歯医者さんってエリート?それとも下層予備軍? そのあたりもお聞きしたいです。