市販の体脂肪率計で正確に(1%以下の精度で)体脂肪率を測定できるものはありません。スポーツジムにある体脂肪率計も測定原理は同じなので、正確ではありません。これらの測定原理は、体に微弱電流を流し込みインピーダンス(電流の流れにくさ)を測定することによって筋肉と体脂肪を選り分ける方法をとっています。
微弱電流を流し込むために手足に電極をつけます。電極が足だけにあるタイプでは、電流がおもに下半身を流れるので下半身の体脂肪率を重点的に測っていることになります。ですから両手・両足に電極をつけるタイプより、いっそういい加減な測定結果になります。
インピーダンスを測ることによって、なぜ筋肉と体脂肪を選り分けることができるのかというと、筋肉には水分を多く含んでいて電流は流れやすい性質があり、体脂肪は水分の含有が少なく電流が流れにくい性質があることを利用しています。ですから電流が多く流れると筋肉の要素が多いとみなせるわけです。
電極が両手・両足にあれば、その組み合わせによって体のいろいろな方向に電流を流せるので、体の各部の様子がわかります。電流の周波数を変えると、もっと細かく調べられます。
ですが、私たちの体の水分量は日々変動しますし、1日の中でも変動します。ふつうは朝起きたときに体水分は最小になり(ですから体重もいちばん少なくなり)、夕食の後から寝る前に体水分量は最大になります(体重も最大になります)。その差は2kgにもなることがあります。たまたま体脂肪率の測定が体水分量の多いタイミングで測ると筋肉の要素が増えたと誤解し、体脂肪率は少なめに出ます。1日の中でも3%くらいは違いが出ます。
その程度には個人差があります。体脂肪には約20%の水分が含まれていますが、人によって微妙な違いはあるでしょう。
また性別や年齢によっても体水分量は異なります。たとえば幼児は80%くらい、成人は60%、老人は50%くらいが水分だそうです。私たちの体そのものがいい加減なわけです。
加えて、手足が電極にどのくらい電気的に接触するかによっても測定にバラツキは出ます。
そのようなわけで、市販の体脂肪率計ではいい加減な測定結果になります。そのような中でなるべくよく体脂肪率の傾向を知りたければ、できるだけ同じ時間帯(朝起きたあとお手洗いを済ませ朝食の前)に同じ条件で測定することです。それなら増えているか減っているかの傾向はわかります。ただし日々の1%や2%の違いは気にせず、長い目で変化の様子を見てください。
異なる体脂肪率計で測定して数値の違いを比較するのは、あまり意味がありません(比較できるほど正確ではありません)。
お礼
とても詳しくありがとうございました。 体に微弱電流を流して、その電流の流れる抵抗の度合で計っているのですか。 だから脚に左右2か所ずつの金属板、手にも左右2か所ずつの金属板がはめ込んであるんですか。 私は朝起きた時、すぐにと、夕食後すぐにの2回計っています。 朝は、パジャマ姿なので、風呂場でパジャマとブラを取って計っています。 でも、夕方は、まだブラウスやスカートなど着ているので、それらを脱いで、 ブラも外しては面倒ですが 「計るだけダイエット」では、その2つの時間帯を推奨しているのでそうしています。