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きのう、はやぶさの帰還を、感動をもってみてました。日本が科学技術などの
きのう、はやぶさの帰還を、感動をもってみてました。日本が科学技術などの分野で、世界を主導する位置にいることは喜ばしいことです。理系のことは、基本的には、幼児のような理解のしかたですが、昔から、なぜ、天文的な距離を電波で、コンタクトをとって制御できるのか、不思議に思ってました。電磁波の一種である光が、多くの天体から届いていることと、同様であることは理解できます。しかし、天体のようなオブジェクトと、人造の飛行物体とは、持っているエネルギーが比較になりませんし、また、地上での各種の電波の姿からの類推でも、、今回のような、距離で、うまくコントロールするのは、簡単には、とても思えません。疑問に思っているのは、こういう場面で使用される電波の種類や、距離と減衰の関係について、簡単にわかりやすく教えていただければありがたく思います。
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- kagakusuki
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真空中における電磁波の強さは、送信アンテナと受信アンテナ間の距離の2乗に反比例します。 つまり、発信された電波の出力が同じ場合、距離が2倍になれば 1÷(2×2)=1/4 ですから、電波の強さは4分の1、距離が3倍になれば 1÷(3×3)=1/9 ですから、電波の強さは9分の1になります。 はやぶさが地球から最も離れた時の距離はどの位だったのかについては、私は知りませんが、少なくとも地球から3億3千万kmも離れた事はある様です。 東京タワーは半径100kmの範囲に放送電波を送るという計画で建設されたそうですから、はやぶさまでの距離は、東京タワーの担当する距離の、330万倍も遠くに離れた事があるという事です。 東京タワーの電波が、その時のはやぶさに到達する頃には(勿論、微弱過ぎて受信は出来ません)、電波の強さは、東京タワーが担当している地域の端にあるテレビアンテナに届く電波の強さの、10兆分の1未満になっている計算になります。 この比率は、太陽と肉眼で見える最も暗い星を、明るさで比較した場合と同程度になります。 この様な超長距離の通信では電波が弱くなる事を少なくするために、サーチライトの様に電波を一方向にのみ放射する事で、電波が拡散し難くする、パラボラアンテナを始めとする指向性アンテナが、地上局と宇宙機の双方で使用されます。 非常に高い大気の上層では、大気が薄く遮るものが無いため、太陽が放射する光の中でも、空気中を透過出来ない、波長が特に短い紫外線(真空紫外線)やX線が、到達しています。 その波長の短い光が空気中を通過すると、光のエネルギーで空気を構成している原子から、電子が叩き出されて、空気の一部がイオンと電子に分かれたプラズマになります。 この様なプラズマの濃度が高い大気層の事を電離層と呼びます。 【参考URL】 電離層 - Wikipedia http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9B%BB%E9%9B%A2%E5%B1%A4 電気の歴史イラスト館 > 無線通信の歴史概説 > 電離層 http://www.geocities.jp/hiroyuki0620785/intercomp/wireless/ionosphere.htm 高度が高くなる程、大気が薄くなり、到達する電磁波のエネルギーや強さが増すため、高度が高くなる程、電子とイオンの濃度が高くなります。 プラズマは電磁波を反射する性質があるため、電波はその周波数や電離層に入り込む際の角度、電離層の電子の濃度、等の条件によっては、電離層で反射されたり、吸収されたりします。 つまり、電波は電離層に遮られて、大気圏外に出て行けない事もあるという事です。 大気圏外に届かない場合があっては、探査機との通信には不都合です。 幸い、電波は周波数が高い程、電離層を透過し易くなりますから、宇宙機との通信には、電離層程度の電子の濃度では遮られる事が無い、マイクロ波が使用されます。 【参考URL】 マイクロ波 - Wikipedia http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%82%A4%E3%82%AF%E3%83%AD%E6%B3%A2 但し、電波は周波数が高くなる程、空気中の水蒸気に吸収されて、減衰し易くなりますから、周波数が高ければ高い程良いという訳ではありません。 以下のサイトによると、はやぶさとの通信には、マイクロ波の中でも、Xバンドと呼ばれる帯域の中の、周波数が8GHz前後の電波が長距離通信では使用され、地球の近くでは、受信の一部にXバンドが使われた他は、Sバンドと呼ばれる帯域の中の、周波数が2GHz前後の電波が使用された様です。 【参考URL】 JAXA > JAXAについて > 事業所・施設 > 臼田宇宙空間観測所 http://www.jaxa.jp/about/centers/udsc/index_j.html
お礼
ありがとうございました。