理屈上は、酸化した油脂を利用するのは可能です。あくまで「理論上」です。
酸化した油脂をアルカリ処理すると、「けん化」反応というのが起き、油脂の中の酸化した成分がいわゆる「石鹸」状になり、分離します。つまり、「中和」にはなりません。
実はこの工程というのは油脂生産プラントでも当たり前のように行われているもので、「精製工程」の中にあります。「脱酸工程」といいます。
ということではありますが、さて、家庭で行うのが可能かというと、事実上「不可能」です。
理屈上は、「アルカリ水」を入れて、撹拌して沈殿する固体と水分を除くということですが、簡単に、きれいにはいきませんよ。
理由は、プラントレベルの処理量がないこと、「石鹸」を分離する遠心分離機がないこと。です。
また、通常、脱酸工程で用いるのは重曹ではなく水酸化ナトリウム(苛性ソーダ)です。
ちなみに、この苛性ソーダを使った脱酸を行うと、家庭用廃油の場合「けん化」量がおおく、実質的に石鹸になってしまうのが実情です。
近年、「廃油の再利用で、手作り石鹸を」というのはこういうところからきているのですね。
屁理屈を言うなら、「あらかじめ油ポットに苛性ソーダ水を入れておいて、使うたびに撹拌して、酸化油脂を取り除いて使う」なんてことになるのでしょうが。
まあ、やめておいたほうが良いです。万が一強アルカリがもれると、非常に危険ですので。
それよりも、ちゃんと普通に使って、終わったら石鹸に加工して、最後まで使ってあげるのが環境にもやさしくて良いと思います。
お礼
丁寧な答えありがとうございました。 最後の部分、PHを測りつつ使えば可能性はあるのですね。 しかし商売としてなんだかおしい気がします。 けん化を防ぎつつPHを測れば商品として売れるような気がするのですがどうなんでしょう。 ちなみに重曹を少量いれたのですがけん化は起こりませんでした、PH測定器を持ってないので どうなってるのかまったくわからないのですけどね。