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生物・生体の学習に関する情報処理

生物・生体の学習に関する情報処理 生物は映像、音など外界のことに対して高度な情報処理を行っています。 CPUよりもはるかに融通のきいた処理です。 また「学習」ということも行っています。 生体が行っている学習とは経験をもとに行為に及ぶ、ということだけなのでしょうか。 CPUが行える学習とは何が違うのでしょうか。

みんなの回答

  • ruehas
  • ベストアンサー率68% (816/1194)
回答No.1

こんにちは。 >生体が行っている学習とは経験をもとに行為に及ぶ、ということだけなのでしょうか。 そうですね、それ以上の解釈はないと思います。 我々動物にとって学習とは生後環境における体験結果を基に状況に応じた適切な行動や身体反応を選択するために行われます。そして、これは即ち動物が自分たちに与えられた生後環境に適応して生きてゆくための機能であり、果たして、ここには生物学的利益の達成以外に目的は存在しません。従いまして、何の目的も与えられず、何の利益も発生しないのであるならば、逆にコンピューターが学習を行う必要は何処にもないということになります。 >CPUが行える学習とは何が違うのでしょうか。 質問者さんのお知りになりたいことは何となく分るのですが、まず、脳でもコンピューターでも、学習というものの意味や目的は何も変わりません。 我々動物の行動(生体反応)といいますのは、入力に対し、中枢機能が何らかの判定を下すことによって選択されます。ですから、我々にとって学習とは、それは「脳内に新たな判定基準を獲得する」ということになります。では、このためにはどうしても生後環境における体験を基に実際の評価が下され、その結果が新たな判定基準として脳内に学習される必要があります。そして、このような外部環境における判定結果を基に、それまでには存在しなかった新たな評価基準が獲得されることを「条件付け」と言います。 コンピューターに何らかの情報が入力されますと、CPUはメモリーの検索を行います。このメモリーに保持されている情報が我々の脳内では「学習記憶」に当たり、CPUがその中から入力情報と一致するデーターを選び出す作業は「認知」ということになります。 CPUがメモリーから該当するデーターを選び出したならば、今度はそれに対して何らかの判定を下し、然るべき結果を選択しなければなりません。このため、CPUは過去の学習メモリーから入力対象と一致した判定結果の検索を行います。ところが、それが全くの新規入力であり、プログラムにも学習メモリーにも該当する判定基準が見付からない場合、コンピューターはそこで処理を停止してなければなりません。果たして、これではどうやっても新しいことを学習することはできませんので、この場合はランダムでも何らかの結果を出力し、どうしてもこれに基づく評価の判定を行う必要があります。そして、その判定結果と入力対象に条件付けを行い、これがメモリーに記録されるならば新規学習は完了ということになります。 結果を自己評価するコンピューター・システムというのはそれだけでもかなり特殊で高度なものになるのかも知れませんが、この場合、学習の意味ややり方というのはほとんど一緒です。 ところが、ここにはひとつ問題があります。 我々の脳が処理を停止するということはありませんが、全く未体験の状況において選択される行動に明確な根拠が伴わないというのはコンピューターと概ね同じです。ですが、我々の行動といいますのは仮にランダムであったとしましても、そこには必ずや環境との相互作用というものがあります。ですから、我々は「その行動を選択することによって発生した結果」を評価し、これに基づいて条件付けを行うことができるわけです。 では、コンピューターが停止を免れるためにランダムな結果を出力し、加えてそれに対する判定が内部評価であるとしますならば、そこには「外部環境からのフィードバック」というものが一切介在しません。ならば、新規入力に基づく新たな評価基準を獲得することはこれでできるかも知れませんが、どんなに学習を積み重ねたとしましても、環境からの作用がない限り成長は全くしていないということになってしまいます。 このように、学習といいますのは我々動物が与えられた生後環境に適応するために行われるものであり、その目的や意味は脳でもコンピューターでも全く同じです。ですから、外部からのフィードバックや何らかの実績評価を処理することのできるシステム、あるいは実際に行動や結果を自分自身で選択するロボットであるならばその機能はたいへん重要なものになるわけですが、何の目的や利益も設定されていないコンピューターであるならば学習を行う理由そのものが何処にもないわけです。従いまして、これを逆に言いますならば、我々動物にとって学習とは、必ずやその目的達成のために行われるものであるというのが果たして「生物学的な原則」ということになります。

hero-mr-c
質問者

お礼

学習を定義すると、「生体に特徴的な情報処理の仕組み」となり、同じ情報処理でも大脳視覚野が行っている段階的なものではなく、その意味が曖昧でよく分からなかったのですが、なんとなくイメージをつかむことが出来ました。 CPUが行う学習には「先験情報」が必要で、いくら学習したからと言ってもそれは結局はルーティーンワークでしかない、ということも分かりました。 回答ありがとうございました。

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