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日本国憲法の43・44条から考える全国区選挙の要請
- 日本国憲法43条1項によれば、全国民を代表する選挙された議員と明記されており、現在の小選挙区制度では各地域の代表者しか選ばれていない状況が指摘されています。
- また、44条1項(14条)からも投票価値の平等や選挙区割りによる差別的状況が指摘されており、全国区選挙がこれらの問題を解決する唯一の方法とされています。
- しかし、現在の選挙制度を妥当と説明する手法が見つかっていないため、現在の制度を肯定するための良い知恵が求められています。
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NO5,NO9のpoliteness です。回答へのお礼ありがとうございました。 質問者様の43条解釈は、文理上成立し得るものであることは十分に認識しており、一定の論理が伴っていることを否定しません。また、別の方はサイトの中で、representativeを「代理」と訳すべきであったと主張されていますが、「憲法典として国民に分かるような条文が求められる」という質問者様の的確な問題提起を共有するものであると理解しています。個人的には「代表」で問題ないと考えていますが。 さて、市民革命と「全国民の代表」との関係についてもう少し補足させていただきます。私は市民革命によって直ちに「全国民の代表」概念が形成されたとは述べていません。むしろ私はNO9で「一般意思概念はイギリスで萌芽し、フランスでさらに強固なものへと発展しました。そしてこの概念を基礎として「全国民の代表」概念が形成されたものと理解しています」と述べていますが、この文から、市民革命(一般意思概念形成)と「全国民の代表」概念形成には、タイムラグが存在することを読み取れると思います。「全国民の代表」概念が形成されたのは比較的最近であるとされる質問者様の見解を否定する意図はありませんでした。ただし、引用文の「「全国民の代表」概念が形成された」の前に「後に」という文言を挿入しておけば、より正確に真意が伝わったものと反省しています。 加えて、一連の問答から、市民革命と一般意思概念形成との関係についてもさらに言及する必要があると判断いたしました。ご存じのとおり市民革命とは、市民層が中心となって国王を中心とする専制的政治(絶対王政)を倒した革命のことです。絶対王政下を支える理論は、ルイ14世の「朕は国家なり」という発言にも表れていますように、国王を絶対化するものでした。市民革命はこうした思想を排除し、国王と対立した人民全体の意思が政治に反映されるべきであるという考え方に立脚するものでした。確かに当面は制限選挙制が採用されていましたが、国王と対立する国民の意思が強調されたという意味で、一般意思概念が「萌芽」「発展」したと表現して全く差し障りないと考えています。要するに、一般意思概念と選挙制度(普通選挙)を関連づける必要はないと考えています。 繰り返しになって大変恐縮ですが、「一般意思」概念と「全国民の代表」概念は区別して論じるべきであるというのが私のスタンスです。 重ねてお礼申し上げます。
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難しいことは分かりませんが、地域の代表を全国民の代表とすることもできる訳で、憲法43条が必ずしも、選挙制度に全国区を要請しているとはいえないと思います。「全国民を代表する」という文句は、「議員」を修飾していると理解でき、「選挙」への制限を加えているとは必ずしも言えないと思います。
お礼
さっそくの回答ありがとうございます。 ご指摘の通り、特定地域の選挙区で選出されたことが、全国民の代表たりえない・・とは断定できません。 しかし、現実政治において有権者・当選人が地域代表である意識が強く全国民の代表という意識が見られないことにあります。 例えば、民主党の石井議員の辞職(離党)固辞の記者会見(http://www.youtube.com/watch?v=8uaja2IYYTg)では、堂々と”地域代表として”と言明して、全国民の代表たる地位を意識しているとは思えませんし、小選挙区選挙では選挙区地域の利益誘導する政治家が評価される傾向であり、全国を代表する、という意識が制度によって阻害されているとも言えそうです。 近年、全国区選挙などは諸外国でも稀な現実を鑑みれば、全国区選挙などは潮流ではない、とも言われますが、諸外国では立法の裁量権などで誤魔化すものではなく、憲法上・国民投票上での選挙制度の正当性が指摘できることも注意するべきだと思います。 44条に関しての回答がないのが残念ですが、43条の回答としては「もっとも」なものだと思います。 ありがとうございました
- konata508
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すみません、ずいぶん中学生にしては考えた意見の話をしているのですね。将来が楽しみです。 私も馬鹿なので「悪法も法は法、歴史的に見ても天動説、地動説のように、事実でも大部分が無知で間違いを真実と信じれば、それが世のことわりになります。法はあくまでも人の作ったものですので間違いや曲解もあります。有権者である皆さんも惑わされることのない知識と信念を持ちましょう」と逃げてしまいそうです。 なのでそれぞれの単語の説明を検索してみました。 全国区制選挙:http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%85%A8%E5%9B%BD%E5%8C%BA%E5%88%B6 小選挙区制選挙:http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B0%8F%E9%81%B8%E6%8C%99%E5%8C%BA%E5%88%B6 たぶん質問者様のほうが知識として知っていることかも知れませんがが、参考になればと思います
お礼
さっそくの回答と参考文献ありがとうございます。 私個人も学生に説明する上で、 最終的には、「BESTな選挙制度はありえない」という説明の上で意見を整理してきましたが、最終的には、憲法上の問題として集団的意見となったようです。 そのプロセスに様々な問題などを説明しましたが、持論を抑制しながら一定の見解に至らすのに苦労しました。 選挙制度に関しては、コンドルセの定理などの有名な理論を引き合いにして説明してきましたが、最終的には、「有権者が何をもっとも重要視するか」によって選挙制度が変わるという意見まで整理できたので満足行くものになりました。 (座学としては、政治学よりも、確率・統計などの説明が多かったように思います) 私個人は物事を教える上で、”「回答がないもの」もありえる”として社会科を教えていますが、この話を通じて、半年間の学習機会で学生達が政治意識を持ってくれれば幸いだと思っています。 ありがとうございました
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お礼
返答遅れまして、申し訳ありません、あわせて、丁寧な回答ありがとうございます さて、「一般意思=全国民の代表」の見解については、私の稚拙な部分だと思います。 あくまでも学生への説明の都合上、簡略化させたので、概念的精査を怠っていたと思いますので、今後注意します。(少し粗野な思考でした) さて、詳細になりますが、少し検証を ”国王と対立する国民の意思が強調されたという意味で、一般意思概念が「萌芽」「発展」したと表現して全く差し障りない”に関しては、追加的に時代背景・信教の自由などの必要条件があるかと思いますが、概ねその通りだと思います。 ここからは歴史の細論になりますので、本論とは離れますが 私が愚考しますに、王権などの対立軸から派生した「市民革命」史観は西欧における一般的説明ですが、これが世界規模になると聊か暴論のように思えてなりません。 例えば、中央集権国家の発展が未熟な中欧・東欧などのキリスト教国では王権ではなく、有力商人(本義の意味の「市民」)・聖職者・世俗化した地方豪族と国民の対立軸によって市民革命を見出す余地があり、それらは新しい近代国家像として更に中央集権国家を作り出します。その後、その創出した王権との対立なく近代化を成し遂げる市民革命などの説明が出来なくなります。(日本・タイ・ロシア・イタリアの近代化の事例) 一般意思に関しては、むしろJJ・ルソーは都市国家ジュネーブからエッセンスを見ている節もありますし、既存の市民革命観については、西欧中心史観の産物として奇異に思っています。もちろん、それを以てても、市民革命に王権との対立項があったことは否定できませんが・・・ 重ね重ね、こちらの強引かつ拙速な私見につき合わせてしまいまして申し訳ありませんでした。 まだ学生との討論会の機会も残されていますので、本件(一般意思と全国民の代表)の分離は、社会契約論の特化のさいに訂正説明しようと思っております。 回答ありがとうございました。