ANo.3のコメントを拝見して、なるほど、どういう話なのかがうっすら見えてきたような気がします。ボンクラですいませんねえ。
φ(α,β)とψ(α,β)は関数を引数として持つ、いわば汎関数(あるいは演算子)だとお考えである。たとえば
(φ(α,β))(x)=α(cos(β(x+1)))+β(1/α(x))+tan(x)
みたいなもの。だから、α,βが勝手なモノでは駄目だし、任意の初等関数というのでもだめで、飽くまで
α∈初等関数 ∧ β∈初等関数 ∧ φ(α,β)∈初等関数 ∧ α=ψ(φ(α,β),β)
となるような<α,β,φ,ψ>を考える。
ただ、これだけだとφとψがナニモノなのか今ひとつはっきりしません。どうしましょうか。ひとつの手として
I(x)=x
とするとき、φは
φ(I(x),I(y))∈初等関数
であり、ψも同様、ということで規定してはどうでしょうかね。
ま、それはさておき、「α,βがどんな初等関数であっても成り立つ関係」という話ではないのだから、たとえばβ,φを決めたときに
A(β,φ)={α| ∃ψ(ψ(I(x),I(y))∈初等関数 ∧ α=ψ(φ(α,β),β))}
を考えることができる。これを簡単な述語Pで
∀α( P(α,β,φ)⇔α∈A(β,φ) )
と表せる場合にはどんな例があるか、というのが質問(2)、
A(β,φ)が空集合になっちゃう場合の例は?というのが質問(3)、
A(β,φ)=初等関数になる場合の例は?というのが質問(1)
に概ね相当するでしょうか。(全然違う?)
ところで、βの存在意義ってやつがなんとも腑に落ちないんです。もしも、
β=φ(α,β)
の不動点、みたいなことをお考えなら、「有限回の操作」という話と矛盾しないようにするのが難しい。なのでむしろ、初等関数βは陽に式を書いて与えられるような状況だけをお考えなのであろうと憶測します。さて、そうだとすると、(ANo.3にも書きましたけど)たとえば
β(x)=√(sin(x)+x)+1
なら
(Φ(α))(x)=(φ(α,√(sin(x)+x)+1))(x)=α(cos(√(sin(x)+x)+2))+√(sin(1/α(x))+1/α(x))+1+tan(x)
という風に、φにβを埋め込んだ汎関数Φの形に書ける訳で、ならば特にβを持ち出す理由はないんじゃねーでしょうか。そして
α∈初等関数 ∧ Φ(I)∈初等関数 ∧ ψ(I)∈初等関数 ∧ Φ(α)∈初等関数 ∧ α=ψ(φ(α))
となるような<α,Φ,ψ>を考える、という方が話がすっきりしませんかね。
お礼
何度も,ご回答を寄せて頂き,ありがとうございました.
補足
たびたびの,人間味あるご回答で,有り難く思います. φ,ψが属する集合は,「初等関数全体の集合」,つまり, φ,ψ∈{初等関数全体} のつもりですが,変でしょうか? 始めから,φは,γとβを用いて表現できる初等関数, ψは,αとβを用いて表現できる初等関数で, それ以上のことは,言っていないつもりでしたが・・・. カンドルから来ていると申し上げましたのは,カンドルが定義される 公理(第2番目)の中の ”α = γ★β を満たす γ が存在する.” を数式化(初等関数のみで)したものです. 釈迦に説法でしょうが,一応,カンドルの定義をのせておきます. 「カンドルの定義」 任意の集合 Ω の元 α,β,γ∈Ω に関する2項演算 ★ が, 下記の条件1,2,3を同時に満たすとき, 集合 Ω と2項演算 ★ の組(Ω,★)を「カンドル」(Quandle)という. 条件1: ∀ α ∈ Ω, α★α = α. (集合Ωのすべての元αに関して,常にα★α=αを満たす), 条件2: ∀ α,β ∈ Ω, ∃! γ ∈ Ω s.t. α = γ★β. (集合Ωのすべての元α,β∈Ωに関して,α=γ★βを 満たす元 γ がただ一つ存在する), 条件3: ∀ α,β,γ ∈ Ω, (α★β)★γ = (α★γ)★(β★γ). (集合 Ω のすべての元 α,β,γ∈ Ω に関して, (α★β)★γ = (α★γ)★(β★γ) が常に成り立つ). ----------- ご存じとは思いますが, このカンドルは,David E. Joyce(デーヴィド・E・ジョイス)と Sergei V. Matveev(セルゲイ・ヴラジーミロヴィチ・マトヴェーエフ) により,1982年に導入されました. カンドルについては,多くの研究報告(arXiv:math)がありますが, ほとんどは,(コ)ホモロジーをベースにしたもので, 初等関数のものは,極めて少ないのが現状です. そこに,目を付けているわけです. ANo.4 の補足で申し上げましたα★β=φ(α,β)のφ(α,β)で, 「カンドルの定義」を満たす初等関数φは,実際に存在しますが, 全単射となるものよりも,むしろ,せいぜい全射となるものが殆どです. 全単射でなければ,厳密には,カンドルとは言えませんので, この辺が,今後の研究対象です. 始めの質問では,この辺のことは伏せましたが,本音は, α=φ(γ,β) ⇔ γ=ψ(α,β) の具体例と一般的には, どの様な事が言えるのか? の情報収集のつもりでした. というわけで,ANo.5 のご回答の中の ------------------------------------ しかし、たとえば γ=φ(φ(α,β),δ) ANo.6 で γ=φ(α,φ(α,β)) に訂正されています. をψを使ってαについて解けるのは、E とφが単純な (たとえば、α,βが定数であるとか、 φ(α,β)の初等関数としての表現の中に αとβがそれぞれ高々1回しか現れないとかの)場合だけでしょう。 ------------------------------------ の部分が大変に参考になります.そして,仰る通りのアプローチとして 「単純な場合を分類する」ことが今後の進路となりそうです.