五段活用の「間違う」と下一段活用の「間違える」は、余り区別なく使わることが多いと思いますが、
本来は「間違う」は自動詞、「間違える」は他動詞です。
「番号が間違っている」
「番号を間違えた」
ただ、現在では、「間違う」の方も他動詞として使われることが多いので、
「番号を間違う」
も、ほとんど違和感なく受け入れられるごく普通の表現となっています。
しかしながら、自動詞と他動詞の違いという感覚は完全に消失しているというわけではないようで、
例えば頭に別の他動詞がついた複合語、「掛け間違う」「掛け間違える」のようになると、
「間違える」の使用頻度の方が高いようです。
"掛け間違う" の検索結果 約 528 件 "掛け間違える" の検索結果 約 2,130 件
"掛け間違った" の検索結果 約 9,020 件 "掛け間違えた" の検索結果 約 86,400 件
"書き間違う" の検索結果 約 5,910 件 "書き間違える" の検索結果 約 48,800 件
"言い間違う" の検索結果 約 11,200 件 "言い間違える" の検索結果 約 24,100 件
"読み間違う" の検索結果 約 20,700 件 "読み間違える" の検索結果 約 31,500 件
したがって、私としては、「掛け間違えること」という意味で「掛け間違え」とするのは、必ずしも
間違いとは言えないのではないかと思います。
なお「間違い」という名詞は存在するが、「間違え」という名詞は存在しないという意見もあるようですが、
私は、動詞の連用形は、基本的にすべて名詞として機能し得ると考えます。
広辞苑などはそのうちよく使用されるものをかなりの割合で拾ってあるようですが、言って見ればこれは
英語の動詞に対する動名詞のようなものなので、そもそもすべてが辞書に載っていると考えるべきでは
ないように思います。