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頭の中将などがありますが、殿の中将というのは何ですか?調べても良くわか
頭の中将などがありますが、殿の中将というのは何ですか?調べても良くわからないのでおしえてください。
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日本国語大辞典(旧版)の「殿」の項には、「[2]邸宅の意から、その邸宅に住む人をさしていう」という項目の中の小項目「(2)中古には特に摂政・関白の地位にある人の敬称として用いる」の用例の一つとして、「あさぢが露」という物語の 「蔵人を召して、誰ぞ、と問はせ給へば、『との』の二位中将、三位中将、ふた所おはするよし奏するに」 の用例を挙げています。(『』は引用者が付しました) この場合の「との」は辞書の用例ですから明らかに「摂政・関白の地位にある人」の意です。摂関職と中将を兼任というのはありえませんから、「とのの二位中将」は「『殿』と呼ばれる人と関係の深い(=息子)、位は二位で、中将の官にある人」ということでしょう。 また、「殿」が、摂政・関白には限られずに「一般に身分の高い人〔同辞書[3](1)〕」であっても、その「殿」と呼ばれる人の息子が「殿の中将」と呼ばれるのだと思います。 源氏物語でも、光源氏が「殿」と呼ばれ、息子の夕霧が「殿の中将」と呼ばれています。 次のURLは「初音」の巻の登場人物解説です。(大島本) http://bunko1.satobn.net/syoko/koten/sibuyagenji/text24/24hito.html 「あさぢが露」の用例では、「殿」の息子二人がそれぞれ中将になっていて、位は二位と三位と異なるので、区別のために「二位中将」といった言い方になっていて、一人ならば「とのの中将」になっていたはずです。 次のURLでは衛中将の定員2名ということで、左近衛府・右近衛府がありますから4名ということになると思いますが、 http://www2s.biglobe.ne.jp/~yochicaz/doc/kandjst.html Wikipediaには「左右に各1~4名」とあります。 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%BF%91%E8%A1%9B%E5%BA%9C それぞれの中将を区別するために「ナントカの中将」と呼び分けたのでしょうが、「殿の中将」は、蔵人頭と中将を兼任しているので「頭中将」というのとは由来が異なります。 「殿」が誰か限定できる場面での呼び方だと思います。 他にもいろんな作品に「殿の中将」が登場するようですから、お確かめ下さい。 http://www.google.co.jp/search?sourceid=navclient&hl=ja&ie=UTF-8&rls=GZHZ,GZHZ:2007-36,GZHZ:ja&q=%22%e6%ae%bf%e3%81%ae%e4%b8%ad%e5%b0%86%22 ちなみに、「ナントカの宮」と呼ばれる人の息子で中将である場合は、「宮の中将」と呼ばれるようです。 http://www.google.co.jp/search?sourceid=navclient&hl=ja&ie=UTF-8&rls=GZHZ,GZHZ:2007-36,GZHZ:ja&q=%22%e5%ae%ae%e3%81%ae%e4%b8%ad%e5%b0%86%22
その他の回答 (1)
律令制の官職名(かなりのお偉いさん)です。 源氏物語や枕草子では固有名詞的に扱われますが,じっさいにはちゃんと氏名はあったはずです。ぼくらが「昨夜は課長に誘われて一杯やった」というようなものです 笑。
お礼
本当に詳しくありがとうございました。とってもわかりやすかったです。