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薬剤師がこれからの社会で生きていくために
- 薬剤師の存在意義を再考する必要がある
- 薬剤師の仕事において能動的な役割を果たすべき
- 登録販売者制度により薬剤師の存在感が薄れている
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質問者が選んだベストアンサー
参考になると思うので、私が尊敬している先生の講演原稿を転記します。 私は、以下が実現するためには面分業が必要で、現在その進行形にあるように思っています。 薬局で私なりに努力している事は、自分ならどの病院、医師を選択する、この薬を利用するしないというお返事を患者さんにしています。 医師によって治療方針が違うように、薬剤師によって、治療に対する考えに違うところがあっても仕方が無いとも考えています。それが、「自分なら・・・する」という返事になります。 とはいっても、医師の考えは、当然尊重してお答えしています。 医師が調剤できる国は先進国の中では日本だけである。日本も医制が生まれた当初は薬剤師しか調剤できなかったが、“医師は自分の患者には調剤できる”という提案がなされ、薬剤師がそれを受け入れたため、医師法第22条の「ただし、患者又は現にその看護に当たっている者が処方せんの交付を必要としない旨を申し出た場合、及び次の各号(省略)の一に該当する場合においては、この限りではない」という例外規定が生まれた。これにより日本では「調剤」が薬剤師の特権ではなくなった。 欧米では、1240年以来:(1)医業と薬業を完全に分離し、両者が仕事上の関係を結ぶことを禁止する;(2)薬業を公的に監督し、義務違反をした薬剤師を罰する;(3)医師は処方せんを発行し薬剤師が調剤することを義務付ける、という鉄則が守られてきている。これが人類の叡智により構築されてきた医薬完全分業である。 薬剤師の調剤権は「医師の処方せんのレビュー」と「薬剤調製・交付」とから成る。しかるに、日本では医師の処方せん通りに「薬剤調製・交付」するだけが調剤であるかのごとく捉えられている。このことから特に薬剤師でなくても医師なら「調剤」ができるということに発展したのであろう。 医薬品の製造においては、GMP(医薬品の製造と品質管理に関する基準)により製造部門と品質管理部門は完全に独立し、ZD(Zero Defect)を目指した品質保障のための相互監視機構が確立されているが、同様に薬物治療においても、医師の処方せんを薬剤師がチェックして患者の安全を護る、“医療ZD”のための機構が不可欠である。 わが国では、医師も調剤でき、現実には薬剤師は医師の従属者であり、医師の処方せんをレビューして意見を述べることは難しい。そして病院から薬剤部が外に出ることが分業であると捉えられ、分業率が60%に達したと言われている。これは日本型の分業のことであって、医師法第22条の例外規定が存在する限り、国際的な完全分業の観点からは、分業率は0%であると言わざるを得ない。 このような実情から、わが国の国際的に特異な医師上位性が医療全般にいき亘り、ひいては社会的に“顔の見えない薬剤師”を導くことになっている。従って、薬学・薬剤師の根幹である「医師は処方せんを発行し薬剤師が調剤することを義務付ける」という医薬完全分業の鉄則が確固なものにならない限り、今のままの努力を続けても、砂上の楼閣の手直しをしているに過ぎず、薬学・薬剤師側に“顔の見える薬剤師”が近寄ってくるとは思われない。 最近開催された日本薬学会の薬学教育や薬剤師の未来に関するシンポジウムで、このような観点からの議論はなかった。これからは、医師・薬剤師のいずれの利害からも離れ、国際的に通用する医薬完全分業により患者の安全を護ることを考え、合理的な議論を展開していかねばならない。当然これには、医薬敵対ではなく、国民のために、国民の理解を得ねばならないことである。
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- elpkc
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製薬会社に就職すればどうですか。 研究の仕事が出来れば、能動的な仕事が出来ると思いますが。
お礼
確かにそれも一つの案ですね。 ありがとうございます。