#2,3です。
> 貴方のように「正しいか/正しくないか」を判断できるようになるために役立つ辞書などはありますか?
私は自分で「正しいか/正しくないか」を判断できる人だとは思っていません。言葉が「正しいか/正しくないか」を決めるのは、とても難しいことです。私は技術者で、マニュアルの改善のために国語を勉強したものであり、国語の専門家ではありません。
例えば、だれかが手紙の冒頭に「拝敬」と書いたとします。これを「間違い」だと非難することが妥当かどうか分かりません。辞書にある言葉は、多くの人が使っているので、一応「正しい」とされています。しかし、裏返して、辞書にない言葉を「正しくない」とするには躊躇があります。
ですから、私は、ある言葉が正しいことを確認するために広辞苑を使いますが、正しくないことを確認するためには広辞苑を使いません。
そもそも、正しくないと言えるのは、公務員・新聞記者・学会員・会社員などが、その所属する機関の定めに従って文章などを書く場合だけです。
私が常時そばに置いておくのは
(1) 政府刊行の「公務員のための文書の書き方」
(2) 新聞社発行の「新聞記事の書き方」(朝日新聞社)
(3) コンピュータための「ワープロ漢字辞典」(ナツメ社)
(4) 「現代国語表記辞典」(三省堂)
(5) 武部良明『日本語の表記』(角川書店)
(6) ことばシリーズ(分冊)(文化庁)
です。
特に(4)は便利です。政府と新聞社の微妙な違いまでよく分かります。これは、武部先生(元早大教授・故人)の監修になるものです。
(5)は、なぜそのように制定されたのかという歴史をたどるための名著です。しかし1981年の大改定を含みません。
(6)は、私たちが疑問に思っていることに対して、実に明快な解答を与えてくれます。(しかし、正/否という結論をできるだけ避けて、多数派/少数派という観点で扱っています。)
全部そろえるのは大変ですが、図書館にはあるでしょう。
また、筆の運びが、付く/離れる、跳ねる/跳ねない、棒が長い/短いなどは「デザイン」の問題であって、基本的には「正否」の問題ではない、とされています。それでも「土」と「士」を混同してもよいとする人は、ほとんどいませんし、学校では「跳ねるべき所を跳ねないから減点」というような指導が平気で行われています。
あまり細部まで議論するのは、このサイトの趣旨に合わないと思いますので、これくらいで勘弁してください。
お礼
度々のご回答ありがとうございます。 >広辞苑も含めて、辞書の採用基準は「正しいか/正しくないか」ではなくて「多くの人に使われているか/いないか」です。 そうすると、貴方のように「正しいか/正しくないか」を判断できるようになるために役立つ辞書などはありますか?