純正ICチップの付け替え販売

質問

純正プリンターインクのICチップを他のものに取り付けえて販売する事は違法ですか？

回答No.1

trytobe

特許に関して言えば、特許権をもっている人（実施権をもらった人）から買った製品なら、買った人はどう使っても、「その特許は」侵害しません。

独占して販売する権利を使える特許権者（実施権者）が売ったわけなので、その時点で費用を回収するチャンスはある（転売のごとに金を取る必要はない）という、「用尽」「消尽」というものです。

ただ、IC チップをつけかえたことで、別の特許にひっかかることになると、それはそちらの別の特許権を侵害することになって販売どころか製造もできません。

また、IC のような半導体回路の場合、特許以外にも、回路配置利用権というものがありますので、ICの入手も合法でなければなりません。特に、純正品と同じ機能をする特注品の場合には、ある決まった物に専用で用いられる部品であるとみなされ、特許法１０１条により侵害とみなされます（間接侵害）。

特許法 第百一条（侵害とみなす行為）
　次に掲げる行為は、当該特許権又は専用実施権を侵害するものとみなす。
一 　特許が物の発明についてされている場合において、業として、その物の生産にのみ用いる物の生産、譲渡等若しくは輸入又は譲渡等の申出をする行為
二 　特許が物の発明についてされている場合において、その物の生産に用いる物（日本国内において広く一般に流通しているものを除く。）であつてその発明による課題の解決に不可欠なものにつき、その発明が特許発明であること及びその物がその発明の実施に用いられることを知りながら、業として、その生産、譲渡等若しくは輸入又は譲渡等の申出をする行為
（三～六号略）

さらに、インク管理のために用いられる部品ですから、改造品の製品安全や化学物質規制などの種々の法律にも適合していなければなりません。

そこまでの費用をかけて純正品としてICを手に入れたり、権利で保護されていない代替品を使ってまで手間をかけて製品保証をするくらいなら、純正品をそのまま使ったほうが安上がり、というのが現実なのです。

お礼

細かく答えて頂きありがとうございます。
特許や法律に関して知識が無かったので非常に助かりました。