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大口径レンズほど同じ絞りでも高画質?
タムロンのA09(SP AF28-75mmF/2.8 XR DiLD Aspherical [IF] MACRO)は大変評判の良いレンズのようですが、 メーカーサイトのレンズテクノロジー解説ページに http://www.tamron.co.jp/lineup/a09/a09_lens_tech.html >一般的にレンズは、ある値(F/11程度)までは 絞り込むほど描写が向上する性質があります。これにより ・ F/8に絞り込むような普通の撮影でも、大口径レンズの方が 開放からの絞り込み量が多いため、 通常の明るさのレンズよりさらに良い描写性能が期待できます。 ※一般に、同じF/8の絞り値で使っても、絞り込む段数が多いものほど描写が良くなる。 という説明があるのですが、うまく理解できません。 実際に製造され、販売されているレンズではなく、 いわば理想的な(理論上の)レンズについて ○開放値F4のレンズをF8に(2段)絞るよりも、開放値F2.8のレンズをF8に(3段)絞る方が描写がよくなる とすれば、それはどうしてでしょうか? また、この場合の描写性能とは何の違いを言っているのでしょうか? おおむね、合焦部分の解像感(シャープさ)のことと考えていいでしょうか。 ちなみに、現在のわたしの絞りについての理解度は、 1 F値が小さいほど絞りの開口部が大きく、多くの光を通す。 そのため絞り値(とISO感度)に応じて適正露出が得られるシャッタースピードが変化する。 2 F値が小さいほど被写界深度が浅くなり、合焦部分以外のボケが大きくなる。 3 おおむねF11~16以上に絞ると光の回折現象の影響が大きくなり、「画質」が低下する。いわゆる小絞りボケ。 (この場合の「画質」も解像感のことでしょうか) と、いったことを断片的に聞き覚えている程度で、 光学的な理解も、実験して確かめたりといったこともできていません。 教えていただいてちゃんと理解できるかどうかも怪しいとは思いますが、 よかったら説明していただければ幸いです。
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理想的な(理論上の)レンズについてなら開放F値による特定のF値での差はないはずです。 しかし、それこそ何十年も前から、大口径レンズの方が同じF値での画質はいいという意見はありました。 根拠としては (1)廉価版を余儀なくされる小口径レンズよりコストがかけられる。その為コーティングや内面反射防止のレベルが高い、絞り羽根の枚数が多いなど。 (2)レンズの性能は一般に周辺部ほど悪く、絞り込むことでレンズの中心部分を使う大口径レンズの方が有理 などがあげられました。 しかし一方で、無理に明るさを追求しない小口径レンズに中に、評判の良いレンズがあったのも事実です。 タムロン自体も望遠マクロレンズで名を馳せたメーカーですが、中望遠マクロは昔のものはF2.5、現行のものはF2.8です。
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- MVX250F001
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ご質問の直接の回答ではありませんが、レンズの描写についての一例話です 昔、タムロンSP180mmF2.5というレンズを購入しました 人物撮影が私の生業なのですがこのレンズを使った主観は、ピントが合っている部分の描写はものすごく素晴らしいが、ピントが合っているところから徐々にボケていく描写がイマイチ不自然で少なくとも立体物を撮るには不向きという判断で、数回使ってお蔵入りさせました ところがこのレンズを大絶賛している人もいました その人は天体写真が専門でした さすがに天体写真では食えないので本業は天文台のエンジニアですが、天文写真の腕はプロ級です(天文写真の需要が多ければ写真だけで食えたでしょう) ピントの合っている部分の描写は非常に素晴らしいという評価は一致しているが、被写体によってはレンズの評価は正反対になる場合もあるということです (被写体の性質がかけ離れてはいますが。。。)
お礼
興味深いエピソードを紹介して下さり、ありがとうございました。 同じ焦点距離・同じ開放値でも別の味が出るのがレンズのおもしろみのようですね。 より深く理解できるよう楽しんで撮っていきたいと思います。
- MVX250F001
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レンズの描写は ・解像感 ・階調 ・コントラスト ・立体感 ・ボケ味 といった感じで、それらが総合的に作用しあって描写の良し悪しとなります ボケ味についてはボケの大きさは物理的なものですが、味わいは主観的なので置いておいて、 その他は通常は絞り開放よりは適度に絞ったほうがよりよくなります 理想的な理論上のレンズという架空のレンズは試しようがないので、私が個人的に同一条件で絞りもf8で実写した経験では キヤノンFD100F2 vs FD100mmF2.8 互角(見分けがつかない) キヤノンEF200mmF1.8L vs EF200mmF2.8L F1.8Lの方が圧倒的に良い キヤノンEF70-200mmF2.8LIS vs EF70-200mmF4LIS F4の方がチョット良い キヤノンEF50mmF1.2L vs EF50mmF1.4 F1.2の方がけっこう良い キヤノンEF85mmF1.2LII vs EF85mmF1.8 F1.2の方がけっこう良い キヤノンEF35mmF1.4L vs EF35mmF2 F1.4の方が全然良い 他にもいくつかありますが、架空のレンズではなく実在のレンズだと開放F値が暗いほうが良いというのは少数派で、同じか明るい方が良いという結果でした 明るいレンズは一応開放でもそれなりに使えるように贅沢に造られたので、絞っての描写性能も底上げされたのでしょう また描写の良し悪しは被写体でも異なるし、撮影距離やライティングでも異なります 近距離が得意なレンズもあれば遠景が得意なレンズもありますし、石とか硬い被写体を石っぽく硬く描写するのが得意なレンズもあれば、人肌を柔らかく描写するレンズなど様々です どんな被写体をどんなf値とどんな条件で撮るかで得手不得手があり、同じレンズでも評価は変わるし、同じ焦点距離で開放F値違いのレンズの得手不得手が一致するとは限らないので、実際に自分で使ってみないことにはわかりません 質問者さんの絞りについての理解度はおおむねOKでしょう
お礼
回答ありがとうございます。 まず、レンズを評価するいろいろな観点を列挙していただき、 問題の複雑さを再確認することができました。 解像感=主にものの形の描写 階調=細かい明暗(と色合い)の差の描写 コントラスト=明暗の差を際だたせる描写(階調との区別は難しいです。トーンカーブの明るい側が上がって暗い側が下がれば「コントラスト」が上がるとぼんやり理解しています。) ボケ味=主にボケの大きさと輪郭・グラデーションのなめらかさ 立体感=上記の各要素の総合的作用による空間の描写 といった感じでしょうか。他にも彩度とか色味とか「色ノリ」などという言葉もあるようですね。なかなか理解がむずかしいと思っています。 主観的な部分も混じるのでしょうが、光学的な意味もできれば理解していきたいと思います。 それから、実際のレンズで確認された結果も大変参考になりました。 見る目を養って、手持ちのレンズの個性をうまく使いこなせるようになりたいものです。
- Leonardo_A
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デジ一が趣味の者です。 これ、書き始めるとものすごく長くなるのですが、どうしよう。 まず >わたしの絞りについての理解度は 大丈夫だと思います。 タムロンの解説は、商品としての経験則が書いてあると思います。言ってしまえば「設計次第で結果は様々」となってしまうので、現実的な経験則を解説文にしたのでしょう。 実際のレンズを知るには、雑誌のアサヒカメラの「ニューフェイス診断」というコーナーを読むと良いでしょう。大きな書店なら、過去のニューフェイス診断だけをまとめた本も売っているので、参考になります。 球面収差の勉強から始めると、レンズのことがよくわかると思います。 なんか、最後に回答を雑誌へ投げちゃってすいません^^
お礼
さっそくの回答ありがとうございます。 >「設計次第で結果は様々」となってしまうので、現実的な経験則を解説文にしたのでしょう。 これを読んで、この問題についての考え方の方向性がわかりました。 球面収差についてはRAW現像で色にじみを取ったりしていると実感できます。フレアやゴーストといった現象についても理解していきたいと思っています。
お礼
回答ありがとうございます。 >理想的な(理論上の)レンズについてなら開放F値による特定のF値での差はないはずです。 このように断言していただいたので、自分の理解でよいのだと少し自信が持てました。 実際のレンズについての(1)(2)の理由も具体的でわかりやすく感じました。 (1)はレンズの設計思想・製作技術とコストのかねあい (2)はレンズの大きさの差によるある意味で物理的な違い といった感じでしょうか。 とすれば、タムロンのサイトの >※一般に、同じF/8の絞り値で使っても、絞り込む段数が多いものほど描写が良くなる。 という部分で「絞り込む段数」による差であるかのような説明は、 主に(2)の理由に関するものでしょうから、むしろ、 ※同じF値でも「レンズの口径」が大きいほど描写が良くなる。 とでもしたほうがよりわかりやすい気がします。(結局ほぼ同じ意味になるとは思いますが。)